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「島村はふっと涙が出そうになって、われながらびっくりした。それで一入、女に別れての帰りだと思った。」「雪国」から

  どうしてここでは「~と別れる」じゃなくて、「~に別れて」と使うのか、どのような違いがありますか?

質問者からの補足コメント

  • 乗客は不気味なほど少なかった。
     五十過ぎの男と顔の赤い娘とが向い合って、ひっきりなしに話しこんでいるばかりだった。肉の盛り上った肩に黒い襟巻を巻いて、娘は全く燃えるようにみごとな血色だった。胸を乗り出して一心に聞き、楽しげに受け答えしていた。長い旅を行く二人のように見えた。
     ところが、製糸工場の煙突のある停車場へ来ると、爺さんはあわてて荷物棚の柳行李をおろして、それを窓からプラット・フォウムへ落しながら、
    「まあじゃあ、御縁でもってまたいっしょになろう。」と、娘に言い残して降りて行った。
     島村はふっと涙が出そうになって、われながらびっくりした。それで一入、女に別れての帰りだと思った。
     偶然乗り合わせただけの二人とは夢にも思っていなかったのである。男は行商人かなにかだろう。

      補足日時:2017/03/30 21:14

A 回答 (4件)

おかしいですよね。

ここは「女と別れての帰り」とすべきではないでしょうかね。単なる誤植ではないのでしょうか。とてもそこに意味があるとは思えません。

また、「ひっきりなしに話しこんでいるばかりだった」も私はおかしいと思います。ここは、「ひっきりなしに話しこんでいた」ではないでしょうかね。
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大文豪の川端康成の真意など、読み解く力はありませんが・・。



確かに一般的には、「女と別れて」の方が自然な表現ですね。
・・ってことは、その「女」との「別れ」は、一般的とか自然なものではないことは、類推されます。

すなわち、普通に「バイバ~イ」とかじゃなく。
離婚が死別か、あるいは何らか不可抗力的な事情で、別れざるを得なかったのか?
そんなことを想像させるし、それゆえ「ふっと涙が出そう」とまでなったのでしょう。

言い換えますと、「女に」とした理由までは判らないまでも、「女と」ではダメな理由は、何となくこんな感じじゃないでしょうか?
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プラット・ファウム、一入(ひとしお)、の表記から近代純文学だなー、と思いました。



女に別れを告げたあとの、という意味で、今日はさよなら、と言ったかもですが、2人はまた会う約束をしている可能性すら含むのです。女に、という誰かに、と言う方向性を示しています。to ですね。
女と別れての、withだと破局したようにも取れて、余韻に浸ったり、夜汽車の光景に感傷的になるというよりは、彼女との別れそのもので泣いてしまったようにもなり、ロマンチックな妄想に耽ったり、また会いたいなぁ、と恋しく思っているんだな、と読者から想像の余地を少し削ってしまいます。
ここは、女に、なんか言って、今日は帰宅するところなんだな、というシーンではないかと思うので、女と、よりは、ひとしお感傷的な、女に、がやはり素敵でしょうね。
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だって


「女と別れる帰りだと思った」じゃおかしいでしょう

部分だけを切り取って、比べてはいけません
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