
No.1ベストアンサー
- 回答日時:
94番の歌は「みよし野の山の秋風小夜更けて故郷寒く衣うつなり」(参議雅経)ですね。
この歌には掛詞、縁語、枕詞、折句などの技巧は用いられていません。
用いられているのは、本歌取りです。本歌取りとは、古い和歌の表現の一部を用いて、歌の世界に奥行きを持たせるものです。元の歌の季節を変えたり、季節の歌を恋の歌に変えたり、恋の歌を季節の歌に変えたりすることが多いです。『新古今和歌集』の時代に盛んに使われました。この94番の歌も、元々『新古今和歌集』に入っていました。
この歌の本歌は「み吉野の山の白雪つもるらし古里寒くなりまさるなり」(坂上是則の『古今和歌集』の歌。なお是則は百人一首の31番の歌の作者)です。
本歌の季節、冬を秋に変えて、衣を叩く砧(きぬた)の音を加えることで、より哀愁漂う歌になっています。
さて、本歌取りを用いた歌には、例えば次のような歌があります。いずれも『新古今和歌集』の歌です。
「うちしめりあやめぞかをるほととぎす鳴くやさつきの雨の夕暮」(藤原良経)
本歌は「ほととぎす鳴くやさつきのあやめ草あやめも知らぬ恋もするかな」(『古今和歌集』読人(よみびと)知らず)。恋の歌を夏の歌に変えています。
「駒とめて袖うち払ふかげもなし佐野のわたりの雪の夕暮」(藤原定家)
本歌は「苦しくも降りくる雨か神(みわ)の崎佐野のわたりに家もあらなくに」(『万葉集』長奥麻呂)。無季の歌を冬の歌に変えています。
以上です。
No.2
- 回答日時:
94番 参議 雅経 この歌は技巧の全く無い歌の筆頭です。
「吉野の山の秋風が吹き、夜もふけて、古都は寒く、衣を打つ音が聞こえてくる」ただそれだけしかありません。
↓
http://www.manabu-oshieru.com/hyakunin/094.html
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