No.3ベストアンサー
- 回答日時:
C3とC4は、その働きからデカップリングコンデンサと呼ばれるものです。
この増幅器では、ベースに信号を入力すると、それに連れてコレクタ電流が変化します。
コレクタ電流が変化するとその変化が、抵抗Rcでの電圧降下の変化になって現れます。
このとき、+15VのVccという電源電圧が一定であれば、その電圧降下の変化はC2を通して出力に現れます。
そして、その電圧はベース電流の変化に正確に比例したものになり、この回路は『増幅器』として働くことになります。
一方、もしコレクタ電流の変化で電源電圧Vccが変化してしまったらどうなるでしょう。
つまり、増幅器の負荷抵抗Rcに対して、電源系統の内部抵抗が無視できないほど大きかった場合です。
この場合、増幅器のコレクタ電流の変化につれ、電源電圧も変動してしまいます。
増幅器がこの回路図で書かれただけのものなら特に大きな問題にはならないでしょう。
そこで登場するのが、あなたのもうひとつの疑問である、Vccの配線がC4を越えて右に行く部分です。
この線が描かれているということは、実はこの回路の右の方にも何か回路があることを表しています。
この右に行く線は、その回路に+15Vを供給する電源Vccの回路です。
さて、話を戻します。
電源に内部抵抗があると、この増幅器が動作してコレクタ電流を増減されたとき、Vccの電圧も電流がその内部抵抗に生じる電圧降下分だけ上がったり下がったりします。
これ、C4の右の方の回路にとっては迷惑ですよね。
電源電圧は『電圧変動がない』ことがお約束ですから。
C3とC4は、この増幅器でコレクタ電流に変化が生じても、その変化を吸収するための『一種の平滑コンデンサ』として働くのです。
なぜふたつのコンデンサを使うか。
コンデンサの容量を見てください。
一方は小さい 0.1uF で、もう一方が 10uF です。
これはコレクタ電流の変化で生じる長周期の脈動を大きな容量のものが、短周期の脈動を小さい容量のものが受け持つようにさせているのです。
C4は、回路記号でもわかるように、電解コンデンサです。
一方のC3は電解コンデンサではなく、フィルムコンデンサやセラミックコンデンサです。
一般に、電解コンデンサは、『相対的に』ですが、フィルムコンやセラコンに比べ、短周期の脈動が苦手です。
逆に、フィルムコンやセラコンは長周期の脈動が苦手です。
なので、並列にすることで互いに苦手な部分を補っているのです。
このコンデンサがあるおかげで、この増幅器の動作に由来する電源Vccの電圧変動は抑えられます。
それは、言い換えると、C4から右の回路の動作で生じる電源Vccの電圧変動も抑えられます。
つまり、C3とC4を境に、この増幅器とC4の右の回路の動作による電源電圧の脈動を切り離す(カップリングは『結びつく』ということばですが、その頭に反対の意味を表す『デ』をつけて切り離すという意味にしています)という役目を担っています。
No.5
- 回答日時:
C3とC4は、電源デカップリングコンデンサと言うこともあり、電源のインピーダンスを下げるために付けます。
C4はふつうは容量の大きな(=低周波までよく効いて電源リップルなどの低周波電圧変動を吸収できる)電解コンデンサを使います。この電解コンデンサは一般的には高周波特性がよくないので、高い周波数まで電源インピーダンスを下げられるように、高周波特性がよいC4(セラミックコンデンサなど)を並列に付けるわけです。C1とC2は直流をカットし、交流分(=信号)だけを通すために付けています。
電源インピーダンスというものについて勉強不足ですが、
要するに電源電圧を安定化させるために、対高周波と対低周波に役割分担したコンデンサを2つ配備していたのですね。
理解が深まりました。ありがとうございました。
No.4
- 回答日時:
#2です。
> 静電容量が小さいほど、コンデンサの放電のスピードが上がるから、高周波の吸収は静電容量が小さい方が適しているということですよね?
低周波から高周波まで安定した特性の部品があれば1個で良いのですが、なかなか理想的なものがないので特性の異なるものを複数使っています。
容量が小さければ高周波特性が良い、とは必ずしも言えません。コンデンサの材質によります。
電解コンデンサは1000μF以上の大容量のものが作れますが周波数的にはせいぜい1MHz程度まで。フィルムコンデンサは10MHz程度まで使えますが容量は1μF程度までです。それ以上の周波数ではセラミックコンデンサが使われますが容量は0.1μF程度までです。さらにセラミックは容量の誤差が大きいうえ、温度による変化が激しいので容量誤差を問わないところでないと使えません。
このような特性を考慮して使う部品を決めます。量産品では価格も選考の対象ですね。
容量ではなく、材質だったんですね!
セラミックコンデンサは容量が小さいけど、周波数特性は良いんですね。でも温度特性は悪いと。
勉強になります。ありがとうございました。
No.2
- 回答日時:
C3、c4は電源ラインに乗っているノイズを除去するためのものです。
回路図でC4から右が書かれていませんが、ステレオアンプなら同じ回路がもうひとつあるはずだし、スピーカーを鳴らすパワーアンプがあるかもしれません。そのような回路があることで電源電圧が変動することを防ぐのがC3、C4の役目です。C3は0.1μFなのでかなり高い周波数成分を吸収させるためのもの、C4はもう少し低い周波数成分を吸収させるためのものです。
ともかく電源電圧が変動するとボコボコといった感じのノイズになったり発振したり、ろくなことはありません。一見なくても良いような部品ですが回路を安定に働かせるには必須のものです。
スピーカーを鳴らすようなパワーアンプではこれだけのコンデンサでは間に合わないのでもう少し複雑な回路にします。
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みなさん、ありがとうございます!そうか、その先があるんですね!
「C4だけじゃダメなのかな?」と思ってたんですけど、
静電容量が小さいほど、コンデンサの放電のスピードが上がるから、高周波の吸収は静電容量が小さい方が適しているということですよね?