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No.3
- 回答日時:
プロファイルの様な者です。
航空宇宙の仕事に携わってきましたが、その世界では気象は外乱として無視できない大事な自然現象です。
その知識から、ヒートドームの専門的な知識はないですが、多分こうだろうという理解で説明してみます。
この話を理解するには『大気循環』がどんなものかの理解が必要なので、まずそれを大雑把に説明します。
大気に覆われた地球の熱エネルギの収支は、太陽からの入射と宇宙空間への放射でバランスしています。
その熱エネルギを受けとるのは地面と海です。
そして、太陽光を受ける角度が直角に近いほど熱はたくさん受取ります。
地球は地軸を回転軸にしていて、赤道の地面・海面が太陽に直角に当たるように回っていますから、赤道付近が太陽の熱エネルギを一番多く受け取ります。
つまり、赤道あたりの地面・海面が地球上で一番熱くなるわけです。
その時、その地面・海面に触れていた空気も温められます。
熱くなった空気は体積が増えます。
その結果、体積当たりの重量が軽くなるので、その空気は大気中を上昇することになります。
上昇した後には、周りから空気が流れ込みます。
気体は、水と同じで、圧力の高いところから低いところに流れます。
地面でおきている現象を観測すると、その場所には次々と周りから空気が流れ込むわけですから、そこの場所の『気圧は低い』とみなすことができます。
つまり、赤道付近は地球全体でみると『気圧の低い地域』と言えます。
さて、温められて上昇した空気はその後どうなるでしょう。
それは、温められた温度によって決まる高度まで登ると、その場の空気の体積当たりの重量が同じとなり、その高度にとどまります。
つまり、無限に高くまで上ることはないのです。
一方、地球、つまり地面や海面は自転しています。
地面や海面付近の空気はそれと一緒に回っています。
それは、空気に『粘っこい』粘性という性質があるからです。
しかし、その粘っこさも、地面・海面からずっと離れた上空までのぼってしまうと働きません。
つまり、高い空の空気は地面・海面の自転の動きには追随しないのです。
それで何が起きるか? それは風です。
上空に上った空気は自転しませんが、地面・海面は自転していますから、ちょうど走っている車から止まっている景色が動いて見えるように、上空の空気は動いているように見えるのです。
これがジェット気流などと呼ばれるものです。
上空に上がった空気により、その領域では空気の量が多くなります。
つまり、赤道付近の高度の高い領域では、そのまわりより気圧は高くなります。
この圧力の高い空気は、相対的に圧力の低い周辺の領域へ流れていきます。
その『相対的に圧力の低い周辺の領域』とは、赤道から離れた地域です。
同じことは、地面・海面付近でも起きます。
赤道付近の地面・海面には周囲から空気が流れ込むと言いましたが、その空気は緯度の高い地域から流れ込むのです。
空気は赤道付近で上昇し、高い空でその空気は高緯度地域に流れ出す一方、地面・海面では高緯度地域から空気が流れ込む。
これを赤道から離れた高緯度地域で見ると、高い空に流れ込んできた空気は、ある時降下して地面・海面に届き、それが赤道へ向かう空気になります。
赤道での話を書きましたが、北極・南極での大気はどんな動きをするかを考えてみましょう。
太陽光の入射角度が北極・南極ではゼロと考えると、地面・海面が太陽から受け取る光エネルギはぜろです。
なので、地面・海面はその持てる熱エネルギは宇宙空間に放出するばかりです。
これを空気について考えると、それが持っている熱エネルギは地面・海面に与えて、自身は冷えます。
そうして冷えた空気は、それに接した周りの空気もまた冷します。
冷えた空気は体積が減り、体積当たりの重さが増えて重くなります。
その結果、空気は高度の高い方から地面・海面に向かって移動します。
ちょうど赤道で起きた現象の額が起きるわけです。
この説明からは、地面・海面から上昇した空気が、再び地面・海面に戻る、という意味では、赤道と北極・南極とで循環が形成されているように思います。
しかし、実際には中緯度地域にその部分が形成されており、地球を取り巻く大気には、緯度方向に2~3回の大気循環が形成されています。
さて、これからがようやくヒートドームの説明です。
ここまでの説明では、赤道地域が太陽で熱せられるところでした。
それがそうでない地域に起きたものがヒートドームだと思います。
たいていは、温帯地域にそれが起きます。
実は、温帯地域は赤道地域で起きた上昇気流で高い空に運ばれた空気が地上に降りてくる場所です。
それは、言い換えると、温帯地域の上空は熱帯からの空気を取り込む低気圧領域で、それが降りてくる地面・海面領域では高気圧領域となるということです。
しかし、地面が熱せられて上昇気流が生じ、下降しようとする空気と上昇しようとする空気がバランスすると、垂直方向の空気の流れが無くなり、空気中の湿気の移動がなくなるため、雲が生じず、快晴の状態が続くことになります。
それが起きるには、上空も低空も横方向の空気の移動がない事が必要で、それが成立するのはかなりまれです。
アメリカ大陸の西岸は、アラスカからメキシコまで、北極から流れ出る寒流が流れているので、地面と海面の寒暖差があって、たいてい海から陸に向かって風があるものですが、なぜか今回はそれがなかったということです。
海からの風と大気循環とが偶然ある状態になって、特定の地域の空気の垂直方向の動きを止めてしまったのが今回のヒートドームという事のようです。
仕事柄、私はアメリカ各地を少し大きな飛行機を自分で操縦して飛びます。
西海岸は、海からの風がいつも吹いてますし、昼の砂漠や都市部の上昇気流はひどいものです。
海からの風では山があると結構気になります。
なので、ロスの空港は海際にあると思ってます。
しかし、今回の空を飛んだ仲間は、全然違ったと言っているのが印象的でした。
山などの地形の問題ではないと思います。
間違ってたらごめんなさい。
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