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最近、授業で既判力について習いました。しかし、よくわからなかったので質問したいです。
既判力の趣旨は後訴において前訴について争うことを禁止して紛争の蒸し返しを防ぐことだと思うのですが、たとえば前訴の内容が虚偽による偽証などで無効だとしたら、それと関連のある内容の後訴でそのことを主張するのは間違いですか(前訴の内容は無効だから後訴の内容も存在しないといった主張)。
前訴判決がおかしいと思った時に請求異議の訴えなどが存在するのは知っていますが、後訴の途中でそれを新しい訴訟として起こす場合、後訴は一度停止するのでしょうか。この関係がいまいち分からなかったので、詳しい方がいたら教えていただきたいです。

A 回答 (2件)

無効という言葉を使うのであれば、何が無効になるのか明らかにしましょう。

仮に判決が無効という意味であれば、偽証した証人の証言をもとに判決がなされたとしても、判決が無効になるわけではありません。
 証人が偽証罪で処罰され、かつ、その証言が判決に影響がある場合に再審事由になるだけです。

>前訴判決がおかしいと思った時に請求異議

 間違った理解です。請求異議訴訟は、債務名義による強制執行の不許を求める訴えです。債務名義が確定判決の場合、請求異議訴訟においても既判力に抵触する主張はできません。
 しかし、既判力の基準時は、事実審口頭弁論終結審時ですから、事実審口頭弁論終結審後に生じた事由を主張することは許されます。例えば、金銭の支払いを命じる確定判決の場合、口頭弁論で主張しなかった弁済の抗弁、あるいは判決で排斥された弁済抗弁を、あらためて請求異議訴訟で主張することはできませんが、事実審口頭弁論終結審後に弁済したという主張は既判力に抵触するものではありません。
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既判力には二つの機能が存在します。



すなわち、
① 判決主文と矛盾する主張を許さないという面(拘束力)。
② 判決が適法に形成されていないとの攻撃を許さない(無効・取消し原因があるとの主張を許さない)という面(瑕疵治癒力)
です。

ここで疑問が生じるのは、ご質問のように既判力には「判決が適法に形成されていないとの攻撃を許さない」との瑕疵治癒力があるのであるから、「無効な判決」であることの主張は一般論として封じられてしまうのではないか、という点です。

たとえば、「無効な判決」を招来する場面として、二当事者対立構造が欠けたにもかかわらず、判決を出してしまったという場合が有名です。

では、二当事者対立構造が欠けたにもかかわらず、判決を出してしまった場合、「無効な判決」であることの主張は既判力の瑕疵治癒力で封じられてしまうのでしょうか。
当然、そのようなことはありません。
あくまでも、判決が無効となれば、再審手続によらずして、請求異議の訴え等により無効を主張できるのが原則です。矛盾のように聞こえますが、まず、手続や判決内容に瑕疵のある判決であっても、いったん裁判官によって作成・言渡された以上、法的安定要求の見地から当然には無効とならず、当事者は上訴あるいは再審によってのみその瑕疵を争い得る、というのが瑕疵治癒力です。
しかし、手続上は有効に成立し存在している判決であっても、既判力などの内容上の効力を認め得ない場合が存在するのです。
公序良俗違反の判決、二当事者対立構造を欠く判決などがそれにあたります。
これは、既判力などの内容上の効力を「認めない」場面ではなく、「認め得ない」場面です。つまり、既判力の「瑕疵治癒力」も既判力を「認め得ない」場面では作用しないのです。このように考えれば、「当事者の意思表示に瑕疵があったこと」以外の事由による「無効な判決」であることの主張は、(再審の訴え)によらずして、当然に許されることになります。一方で、実体法上の意思表示の瑕疵があったにもかかわらず出された判決は、既判力を「認め得ない」場面とまではいえないので、既判力が作用する場面となり、「瑕疵治癒力」の規範も及ぶことになります。
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