今勉強している複素解析学の初歩のところで、ベキ級数の収束半径を求める問題についてお力をお借りしたいです。
テキストにあった問題「Σ(n!)z^nの収束半径は?(Σはn=0から∞まで)」でコーシー・アダマールの公式を使おうと思います。
n!のn乗根をここではn√nと書くことにして
n√n! = n√n・n√(n-1)・…・n√2・n√1
とn個の積だと考えて
それぞれはn→∞の極限で1に行くので、n√n!もn→∞の極限で1になると思い、公式から収束半径ρは1だと考えました。
ら、解答には収束半径は0とありました。そして「なぜならz≠0ならばn!|z^n|→∞が成り立つ」とあるのですが、納得できません。
自分の考え方は何が間違っているのでしょうか?よろしくお願いいたします。
No.4ベストアンサー
- 回答日時:
既に Tacosan さんと BO-BO-keshi さんのご回答がありますので
二番,三番煎じですが...
BO-BO-keshi さんご指摘のように,
積の因子の個数が一定ではなくて n 自身に依存しますから,
もっと慎重に扱わないといけません.
kokkoro さんの質問のやり方では,
一部の n だけ先に無限大にもって行ったことになっています.
x の n 乗根を TeX 流に \sqrt[n]{x} と書くことにします.
問題の式は
(1) \sqrt[n]{n}・\sqrt[n]{n-1}・・・\sqrt[n]{2}・\sqrt[n]{1}
ですが,1つ1つの因子は1より大きいですから,
無限個掛ければ無限大に発散するとも言えることになります.
もっと極端な例を出すなら
n^2/n の n→∞ 極限を論じるとき,
分母の n だけ先に∞に持っていってしまえばゼロという極限値が
出ますが,これではまずいのは明らかです.
この極端例でこのような間違った計算をやる人はまずいませんが,
kokkoro さんのご質問の間違いも同種のものです.
上の極端例では分母と分子の振るまいが競合的になっています.
質問の例でも,1つの因子と因子の数の振る舞いがやはり競合的です.
BO-BO-keshi さんが説明されていますように,
どちらが勝つか,
あるいは同程度か(0 でも ∞ でもない)で,
極限値が異なることになります.
Tacosan さんの例を拡張してみると(a≠0)
(1+a/n)^n → e^a
{1+a/(n^2)}^n → 0
(1+a/√n)^n → ∞
というわけです(as n→∞).
ベキ級数の収束半径を与える二大有名公式が
コーシー・アダマールの公式とダランベールの公式ですが,
後者だともっと簡単に収束半径ゼロがわかるでしょう.
それから,係数を逆数にした
Σz^n/(n!)
は指数関数 e^z の展開になっていますが,
これはよく知られているように収束半径が∞です.
質問の Σ(n!)z^n が有限(ゼロでないという意味)の収束半径だと,
この事実と矛盾することになります.
詳しいご説明をありがとうございます。
もっと慎重に考えなくてはいけないということがわかりました。
もっと極限の概念を論理的に理解して納得しながら計算などができるようにしていかないと、と思いました。
話がそれてしまって恐縮ですが、ご説明中にあったダランベールの公式、とは「z^nの係数a_nとしたときに、|a_n|/|a_n-1|のn→∞での極限値があればそれが収束半径に等しい」というものでしたよね、この公式はn→∞での極限が0や∞でも使えるものなのですか??
No.5
- 回答日時:
siegmund です.
> ご説明中にあったダランベールの公式、とは「z^nの係数a_nとしたときに、
> |a_n|/|a_n-1|のn→∞での極限値があればそれが収束半径に等しい」というものでしたよね、
> この公式はn→∞での極限が0や∞でも使えるものなのですか??
ダランベールの公式もコーシー・アダマールの公式も,
n→∞での極限が0や∞でも使えます.
No.4 で
> ベキ級数の収束半径を与える二大有名公式が
> コーシー・アダマールの公式とダランベールの公式ですが,
と書いたのですが,他に収束半径を与える公式はないような気がします.
収束発散の判定法はいろいろな数学者の名前がついた方法がありますが,
収束半径そのものを与える公式は,上の2つ以外ちょっと思い当たりません.
便乗ですが,どなたかご存知でしたらついでにご教示下さい.
この回答への補足
だいぶ質問してから日が経ってしまったので、残念ですが、ここで締め切ることにしました。
回答いただいた皆様、どうもありがとうございましたm(_ _)m
そうだったのですか、どうもありがとうございます。
僕も、収束半径を求める公式がほかにもあったら是非見てみたいので、このまましばらく締め切らずにおくことにします。
No.3
- 回答日時:
こんばんは!
私も同じ事で悩んだ記憶があります。極限の考え方で間違っておられるのではないでしょうか?
極限の公式で
lim an・bn=lim an ・ lim bn
というのはありますが、これはあくまでも有限個の積に関して言える事で、質問文の式ではnを無限に大きくしてゆくと、積の個数も無限に増えていってしまいます。よってこの公式を適用できないというのが理由だと思います。
もっとこのことを直感的な言い方をしますと、
確かに個々は1に近づきますが、1に近づくと同時にそのかけられる個数が増えていくわけですから、そのその近づき方が弱いと、その個数の増え方に負けて、どんどん大きくなっていってしまうかもしれません。
No.2
- 回答日時:
あ, ついでに:
n-th root of n! = (n-th root of n) (n-th root of (n-1)) ...
ですが, このそれぞれが n→∞ で 1 に収束するからといって「全部掛けて 1」としちゃダメです. なぜダメかは, (1+1/n)^n の n→∞ の極限を考えれば明らかかと.
確かにそうでしたね、簡単に考えすぎていました。もっと自分の計算や操作に自信をもっていけるようにしっかりと極限の概念などを勉強しようと思います。
ありがとうございましたm(_ _)m
No.1
- 回答日時:
そもそも n! = n (n-1) (n-2) ... 1 ≧ (n/2)^(n/2) だから n-th root of n! ≧ √(n/2) ですよ.
もっと精密に評価するなら, Stirling の公式: n! ~ √(2π) n^(n+1/2) e^(-n) を使って
n-th root of n! ~ n/e.
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