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No.7ベストアンサー
- 回答日時:
(5)他の軌道に移動する、です。
低軌道(高度200~1000km)を巡る衛星の場合、運用を終了した後は回転速度を落とし、徐々に高度を下げさせ、大気圏に突入させます。人工衛星程度のものは大気の抵抗による衝撃で破壊され、その後、破片は摩擦熱で燃え尽きてなくなります。燃え尽きない可能性があるほど大きなものは、制御できるうちに安全な落下地点(砂漠や海洋)を定め、そこに落下するよう完璧な制御の元で大気圏に突入させます。
なぜ燃やしてしまうかというと、低高度の衛星はそもそも最上層の大気によるかすかな空気抵抗を受けており、放置しておくと自然に軌道を外れてしまって危ないからですね。よって、制御できるうちに人工的に軌道を外させて、安全に燃やしてしまう訳です。
しかし、高々度の静止軌道(高度36,000km)を巡るひまわりの場合、そこから地表への落下には大変な時間か燃料が必要となります。よって、地表への落下は行われず、別の軌道に遷移させることで静止軌道をクリアにします。静止軌道くらい高度の高い衛星には抵抗による減速は無いですから、別の軌道に遷移させておけば、そのまま半永久的に地球を回ることになります。
例えば、少し前になりますがひまわり4号の運用終了のニュースが以下になります。
http://www.nasda.go.jp/press/2000/03/gms4_000301 …
運用終了後の軌道は、元の軌道より少し高めの楕円軌道になるようです(周回周期も24時間より多少長め)。ひまわり5号は通信任務が残っているため依然として静止軌道に居ますが、いずれその任務も終了した時には、ひまわり4号同様、別軌道に遷移させられて半永久的に地球を回ることでしょう。
なお、
(2)はありえません。人工衛星には地球の重力圏を脱出できる推進力はありませんので。ただし、地球の重力圏を脱出した彗星探査機などはそのまま太陽系内をさまよいますし、太陽系の重力圏を脱する惑星探査機(パイオニア10,11号、ボイジャー1,2号の4機)は、そのまま深宇宙をさまようことになります。
(3)木っ端みじんにすると、その破片が軌道を超高速で(もともと人工衛星は超高速なのです)飛び回り、他のロケットや衛星などを直撃する恐れがあるため、決して行われません。この種の問題をスペースデブリと呼びますが、軌道を当てもなく飛び交う超高速の弾丸(?)は、いずれ宇宙開発の大問題となるかもしれませんね。
(4)スペースシャトルが回収しなくてはいけないような類の衛星はこの選択肢も無い訳ではないでしょう。例えば軍事機密を撮影したスパイ衛星など?ただ、あまりにコストの高すぎる方法ですので、通常の衛星は回収するより大気圏に廃棄されるでしょう。
御礼が遅くなってしまいました。申し訳ございません。
意外でした。運用できなくなったという時点で「完全に燃料切れ」だと思っていました。「木っ端微塵」は打ち上げに失敗したロケットでした。先出の皆様からも御回答いただいていますが、数千~数万も有るスペースデブリを改修するなんて、お金がかかりすぎますし、もはや現実的には不可能ですよね。ご意見にもあるように大問題になる気がします。ましてや「原子炉」まであるようですし。
何はともあれなぞが解けてすっきりしました。ありがとうございます。
No.8
- 回答日時:
#7の回答者です。
すみません、ひまわり5号の運用終了についてのプレスリリースは本日出ていましたね。http://www.jaxa.jp/press/2005/07/20050720_sac_gm …
運用終了後の軌道については明示されていませんが、
> (4)推定誤差を考慮した残推薬の最小値は約2.9kgである。
> この値は、「ひまわり5号」に対して、JAXAプログラム管理要求書「スペースデブリ発生防止標準」で要求して
> いる軌道離脱の基準、静止軌道の高度上昇距離273kmを確保するために必要な推薬約2.8kgを満たしている。
とのことですので、やはりひまわり4号同様に軌道高度を上げて(約273km)、静止軌道から外れたところで地球を周回し続けることになると思います。
以上、#7の回答への追加でした。
ありがとうございます。
拝見させていただきました。
理解が深まりました。最後の最後まで、考慮されて設計されているのですね。すごい。
No.6
- 回答日時:
衛星の寿命は故障の他に位置の微調整制御のロケット燃料が残っているかどうかで決まります。
現在、既に使用されなくなった 4千以上の衛星が宇宙のゴミとなって、重力の不均衡もあり、ある場所に集中し、「衛星の墓場」なるものも存在するようです。
いずれ宇宙のゴミ収集も必要になるかもしれません。
なお、軍事用などの比較的低軌道の衛星は、微量ながらもまだ存在する薄い大気の抵抗で速度が遅くなり、やがて落下します。安全な場所(海上や砂漠)などに落下するように、最後の姿勢制御用のモータを搭載していて、落下する間際に軌道を修正しますが、以前、旧ソ連の原子炉衛星がカナダに落下して汚染が発生したこともありました。
御回答ありがとうございます。
心配ではなく、現実として起こっていたのですね。それにしても、危ないですね。近年打ち上げられている衛星は、技術がよくなっているでしょうから、このような事故は少なくなっているでしょう。しかし、比較的初期に打ち上げられた衛星はこのあたりの考慮は少ないのかなぁと想像します。それにしても、頭の上に原子炉まで回っていると思うと、なんだか「ぞっと」します。
No.5
- 回答日時:
時事ネタですね
通常の衛星は制御を止めた段階で自由落下を始め、
いつかは、大気圏に突入して燃え尽きてしまいます。
ただし、人工衛星の軌道は地球から数百キロ上空なので、
大気圏に突入するまでには何年もかかるのが多いです。
※質量、大きさ、高度、速度などでことなります。
ちなみに、現在約30,000個の使用済み人工衛星が地球の周りを回っていて、
※これらをスペースデブリと呼びます
かなり、頻繁に落下しています。
どのくらい頻繁かと言うと(英文のサイトですが)
http://www.wingar.demon.co.uk/satevo/dkwatch/ind …
2004年だけでも、こんなに落ちてきています。
御礼が遅くなってしまいました。申し訳ないです。
燃え尽きるものもあるようですが、燃えているときは地上からは、所謂「流星」のように見えるのでしょうか?英文サイトは読破できなかったのですが、機会があれば見てみたいものです。それにしても3万とは驚きです。自分の頭の上にそれだけの数があると思うと、ちょっとぞっとします。そぉ遠くない将来には、衛星で空が真っ暗になったりしないのでしょうか?これまた疑問です。
No.4
- 回答日時:
(1)です。
無論、地球上のどこに落ちるかまで計算したうえで機能を停止します。
たいがいは最初から大気圏突入で燃え尽きるように作るか、もしくは海に落とします。
(2)は、物理的にありえません。
できたら面白いんですけどね(笑) 電源の停止した人工衛星は、エネルギーポテンシャルが稼動時よりも低くなるので、重力圏を脱出することはありません。
ただし、衛星の管理状況によっては、そのままどことも知れぬ軌道を永久に回り続ける場合もあります。(そのような機能停止状態の人工衛星が、実は地球の周りだけで数千個以上回っているとか(^_^;)
(3)(4)はお金がかかるので、マッド・サイエンティスト以外はやりません(笑)
(5)それ以外の可能性もあるかもしれませんけど、今は思いつきません。
御回答ありがとうございます。
やはり地球のどこかに落ちてくるのですね。ばっちり計算された上で、安全な場所に落ちてくるのでしょう。それにしても数千個も地球の周りをまわっていると、小惑星が地球にぶつかる心配より、そちらが心配になってしまいます。何かの拍子に落ちてきたりしないのでしょうか?ほとんどは、安全を考慮して、ほとんど燃え尽きてしまうとか、最悪でも人のいないところに落下するような設計だといいのですが…
No.1
- 回答日時:
(1)でしょう。
ただ、地上ではなく海上に落ちるように操作されるのと、地上にたどり着く前に空気との摩擦で燃え尽きるのではないでしょうか。
御礼が遅くなってしまい申し訳ございませんでした。
衛生以外でも、たとえばロケットの燃料タンクとかも燃え尽きてしまうというのですが、あんなに大きなものが、空気との摩擦で燃え尽きてなくなってしまうというのが、どうしても想像できないのです。そもそも、燃えやすい素材で作られているということでしょうか?何はともあれ地上には落ちてこないようなので、安心しました。ありがとうございます。
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