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 『指輪物語』などのハイ・ファンタジー(架空の世界を舞台とした物語)では、ほとんどといっていいくらい絶対王制の国家制度が採用されています。
 ところが、私が最近読んだ『魔術探偵スラクサス』(マーティン・スコット/ハヤカワ文庫)では、立憲君主制のような国家制度で、王や二大政党や教会などの組織の思惑が複雑に絡んだ陰謀・策謀が展開されてとても面白かったです。
 そこで、その他に立憲君主制や議会制民主主義といった、絶対王制ではない国家制度が採用されているハイ・ファンタジー作品をご存知の方は、その作品について、どのような国家制度が採用されているのかも含めて教えていただけないでしょうか? よろしくお願いします。

A 回答 (5件)

これをハイ・ファンタジーに分類していいのか、やや不安がありますが「パーンの竜騎士(ハヤカワ文庫)」の国家制度はかなり特殊です。


というか、「国」という概念自体が未発達で、住民を束ねる各地の「城砦」、圧倒的な戦闘力を持つ竜騎士が暮らす各地の「大厳洞」、それらに各種サービスを提供する様々な「工舎(ギルド)」により、三層構造の社会が形成されています。
(「城砦」の「太守」が「国王」に近いといえなくもないですが…。)

「女神の誓い」に始まるマーセデス・ラッキーの「ヴァルデマール」シリーズ(創元推理文庫)の初期の主人公「タルマ」は、遊牧民族出身で、一族を滅ぼした山賊への復讐のために旅に出ます。また、後から出てくる「ヴァルデマール」国は、「共に歩むもの」と呼ばれる馬(の形をした精霊)に選ばれた「使者」のみが王位を継承できるという制度になっており、「使者」たちの合議で国が動いています。
この小説は、国家制度もさることながら、傭兵の暮らしぶり、戦闘等の描写が秀逸です。(ちょっとアダルト向け)

ファンタジーではないですが、デュマの「三銃士」は、王と枢機卿の勢力争いが時代背景にあって面白いかも知れません。
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この回答へのお礼

回答ありがとうございます。

「パーンの竜騎士」は未読ですが、ファンタジーSFと聞き及んでいます。
今回の質問の観点からですと、国という概念自体が未発達というのが非常に興味深いです。垂涎ものです。

どうもありがとうございました。

お礼日時:2005/08/12 23:38

 No.4です、再び失礼します。



 王も破ってはならない決まりがある世界と言うことであれば、小野不由美さんの「十二国記」もそうですね。王の上に、天の定めた決まり(天綱)があり、これを破れば不老不死の王も命を落とします。国内での陰謀劇を期待されると、そう言った要素はほとんどないのですが・・・

 遊牧民の連合国が舞台でも良ければ、七穂美也子さんの「KINGDOM」がそうです。族長の同意の元に王が即位するとなっているのですが、それぞれに思惑が絡み・・・実は、「凶星 いかなる星の下に」から始まるシリーズなのですが、他の作品の舞台は王制なので・・・繋がった作品ですので、よろしければ、他のシリーズを読まれてからがお勧めです。

 かなり微妙な作品ですが、ひかわ玲子さんの「レジリオン物語・客人の王」はいかがでしょうか?王はあくまでも象徴・生け贄であり、実権はあくまでも七族と呼ばれる、旧来からの支配者が握っているという国が舞台です、

 同じく、ひかわ玲子さんの「竜の七部族」も主人公はあくまでも支配者側である公子ですが、異星人の支持を受けている国家と戦います。

 以上、参考にしてくださいね、これで失礼します。

参考URL:http://pro.tok2.com/~hikawareiko/top.htm
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この回答へのお礼

 せっかく回答いただいて恐縮なのですが、回答を読む限り、どれも結局は絶対王制ということで、本スレの質問の趣旨からはずれているみたいなので、申し訳ないです。
 作品自体は面白そうだと思いますし、特に『十二国記』なんかは私も既読で大傑作だとは思いますが、これもそもそも現実世界がとても深く関わっているのでハイ・ファンタジーと呼べるのかどうか微妙ですし……。

お礼日時:2005/08/20 23:31

 絶対王政の国がないというわけではないのですが・・・



 竹河聖さんの「風の大陸」「巡検使カルナー」はいかがでしょうか?同じ世界を舞台にしていて「カルナー」の方が時代は古いです。
 両方に登場するアステ・カイデと呼ばれる国が、「カルナー」の時代は共和国です。

 「風の大陸」の時代のアステ・カイデは、帝国になっていますが、皇帝になるためには資格のある貴族の当主(十家)で、なおかつ同じ家から連続で皇帝になることは出来ないと言う制度のために、様々な駆け引きが行われます。
 前半部分は、アステ・カイデ以外の国が舞台なので、微妙かもしれませんが・・・

 国の描写が全くないので、こちらも微妙かもしれませんが、瑞山 いつきさんの「スカーレット・クロス」は、祓魔師と呼ばれる教会関係者が主人公です。

 以上、参考にしてくださいね、これで失礼します。
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この回答へのお礼

 回答ありがとうございます。

 共和制というのはもうちょっとハイ・ファンタジーでも採用されてて良いように思うのですが、言われてみれば確かに私には思い当たるものがありません。

 どうもありがとうございました。

お礼日時:2005/08/19 01:57

解答になってませんがあまりないのではないでしょうか。


なぜならば、そのファンタジーは絶対的な敵との個人的対決、(父親(母親でもいい?)と対決して倒して(克服して)大人になる)というのが本質的なので民主制とはなじまないのです。と思います。
異世界でのエキゾチックな冒険で民主制が背景にあるとなると実話の方がいいと思います。「アナバシス」とか「プルターク英雄伝」とか。
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この回答へのお礼

回答ありがとうございます。

確かに、絶対王制じゃないハイ・ファンタジーというのはほとんどないと思います。
架空の世界の物語なんだから、国家制度だって自由にして良いと思うのですが、そうした実験的な試みとなるとSFに席を譲っちゃうみたいです。
ファンタジーは他のジャンルより子供が読む割合が大きいでしょうからシンプルな制度の方が好まれやすいということもあるとは思いますが…。

どうもありがとうございました。

お礼日時:2005/08/13 10:49

「風のケアル」 三浦真奈美 全5巻 中央公論社



5人の領主が個々に治める、がけの上と下の小島からなる国に、ある日遠い海の難所を越えて3艘の大型船がやってくる、そこは運河からなる商人達の国。
互いに相手を辺境国と呼び、相手を知るよりも自分達の権力闘争が重要だと思っている。

まあ黒船がやってきた日本とベネチアのような国が出会って、開国に動かなくてはいけなくなるが、未知との遭遇は問題山積みで、ベネチアも(デルマリナという名前なんですが)商人達が足の引っ張り合いでね、議会も権力闘争中で。
どうゆう決着になるんでしょうまだ4巻の途中までしか読んでいないんです(笑)
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この回答へのお礼

回答ありがとうございます。

「風のケアル」は未読です。
三浦真奈美さんの作品では現在「女王陛下の薔薇」を読んでいるところなのですが、ファンタジーというより架空歴史小説といった方が適切な気もします(この辺の境界線は私にもよく分からないのですが…)。
でも、このシチュエーションでの権力闘争・足の引っ張り合いはとても気になります。

どうもありがとうございました。

お礼日時:2005/08/12 23:42

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