
和空間と合併集合というのは、どう違うのですか?
つまり、複素線形空間Vに対する部分空間W_1とW_2を考えたとき、W_1+W_2 と W_1∪W_2 の違いは何なのでしょうか?
教科書に「和空間は合併集合から生成される部分空間にほかならない」という記述があるのですが、
(1)2つの部分空間の合併集合はまた、Vの部分空間になる
(2)Vの部分集合V'がVの部分空間となっているとき、V'から生成される部分空間はV'にほかならない
という(1)と(2)から、W_1+W_2とW_1∪W_2は同じものだという考えに至ってしまったのですが・・・。
(1)か(2)のどちらかが間違っているのか、或いは両方とも正しいが、穴があるのか、ご指摘下さい。
また、これに関連してですが、次元定理(で宜しいのでしょうか)と呼ばれる以下の公式
dimW_1 + dimW_2 = dim(W_1 + W_2) + dim(W_1∩W_2)
において、dim(W_1 + W_2) を dim(W_1∪W_2) と置き換えても成り立つのでしょうか。
一応この定理の証明を見る限りでは、W_1∪W_2でもよさそうに思ったのですが、そのあたりで勘違いをしているかもしれません。
No.1ベストアンサー
- 回答日時:
>「和空間は合併集合から生成される部分空間にほかならない」
この文の「生成される」というところが理解のポイントです。
簡単のために、
(x, y, z)で表される3次元空間を考えてみてください。
「x軸」は、1次元の部分空間になります。
((a, 0, 0)で表される)
この空間をW_1とします。
一方、「y軸」も1次元の部分空間になります。
((0, b, 0)で表される)
この空間をW_2とします。
W_1とW_2の和集合(合併集合)とは、
「x軸もしくはy軸」からなる点の集合になります。
しかし、これは線形空間にはなりません。
任意の2点を取った場合、その和で表せないからです。
たとえば、x軸上の(1, 0, 0)と、
y軸上の(0, 2, 0)を加えると、
(1, 2, 0)となりますが、
これは W_1∪W_2 には含まれません。
これから生成される空間は、
「任意の2つの点を取って、それを実数倍か複素数倍して加えた点」
の集まりになります。
この場合、W_1とW_2 から生成される部分空間はxy平面になります。
これが W_1+W_2と表されます。
上記の場合をまとめると、
「W_1∪W_2 は、x軸とy軸をまとめた点の集合であり、十字形になる」
「W_1+W_2 は、x軸とy軸から生成されるxy平面のこと」
であり、二つは明確に違います。
よって、
>(1)2つの部分空間の合併集合はまた、Vの部分空間になる
は成り立ちません。
有難うございました。分かりやすい例で、良く分かりました。
ということは、W_1∪W_2 はそもそも複素線形空間にならないから「次元」は定義できず、もとの質問に挙げた式のdim(W1+W2)はdim(W_1∪W_2)とは書き換えられないですね。
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