

No.3ベストアンサー
- 回答日時:
生体内の反応には、ある意味ブラックボックス的な面はあるのですが、本質としては比較的簡単なものが巧みに組み合わさっているものだと思います。
その中でもっとも重要なものがご質問にある酸触媒だろうと思います。
有機化学における酸触媒反応というのは古くから知られている最も基本的な反応であり、豊富な知見があります。
したがって、多くの有機化学の教科書には、酸触媒反応の機構が詳細に述べられており、そのことは生体内の反応にも適用できることが多いと思います。
したがって、大学の学部レベルの有機化学の教科書のカルボン酸、エステル、アルコールなどに関する部分を読まれれば、酸触媒反応の基礎的なことは理解できると思います。
本格的に勉強しようと思えば、2分冊や3分冊になっているものを勉強することになるでしょうが、それはいささか骨が折れますし、途中で挫折するリスクもあると思いますので、1冊ものの方がよいでしょうね。
1冊ものではマクマリー有機化学概説(東京化学同人)がよく使われているようですし、よい本だと思います。
もっと基礎的な内容の本としては、予備校の先生が大学初年度の学生向けに書かれた本もあったように思いますが、タイトルなどは忘れてしまいました。
それ以外にも基礎的な内容の本は多く出ていると思いますので、書店などで実際にご覧になられてはいかがでしょうか。
なお、酸触媒反応をきわめて単純化して述べるならば、「H+がOに結合して、活性化し、C-O結合を切れやすくする」というパターンが多いです。ただし、H+が結合したOとCの間の結合が切れるパターンと、その隣のC-O結合が切れるパターンがあります。前者はアルコールの脱水や置換反応で、後者はカルボン酸やエステルの反応ということになります。
こういったことを念頭に置いて、OやCの電子配置(形式的な価電子数)についても理解しながら、電子(対)の流れを理解するようにつとめればわかってくると思います。

No.2
- 回答日時:
「一般酸」というのは、最近ではあまり取り上げられることのない用語のように思います。
その意味としては、名前の通り、一般的な酸ということになりますが、それでは意味不明なままですよね?
もう少し説明しますと、一般に系内には多数の物質が存在します。
また、タンパク質などの高分子には多数の官能基が存在します。
そうすると、それらの中で、酸として作用する物質あるいは部位といったものは、1種類あるいは1カ所ではありません。
つまり、酸になりうる部分が何種類も存在することになります。たとえば、タンパク質でいえば、-COOH、-NH3+、H3O+、H2O、-SHなど、酸となりうる(すなわちH+を発生する可能性のある)物質あるいは部位が何種類も存在することになります。
それらの酸のすべてが酸触媒として作用しうるような反応が一般酸触媒反応と呼ばれます。もちろん、酸の種類によって、触媒としての能力は異なっています。
一般酸の反対の概念として、「特殊酸」というものがあります。
たとえば、「特殊オキソニウム触媒反応」と呼ばれるものでは、反応系内のH3O+のみが酸触媒として作用し、それ以外のものは触媒作用を示しません。
要するに、効率の違いはあっても、H3O+に限らず、一般的な酸のすべてが触媒として作用する反応が、一般酸触媒反応であり、その反応に関わる酸が一般酸ということになります。
ただし、現実問題としては、ある部位から、反応点にH+が移動することによって、反応が進みやすくなるということでしょうから、ことさらに「一般」酸ということを意識する必要はないと思います。
それよりも、なぜ、H+が触媒となるのかを理解することの方が重要だと思います。
この回答へのお礼
お礼日時:2006/02/21 00:28
丁寧な説明ありがとうございました。
H+の触媒については。。。。やっぱりうまく理解できないですね・・・
余談ですが、もしよろしければ何か超初心者向けの本などご存知でしたら教えてください。(化学の本をみていても、パソコンの専門書くらいわからないのです。。。)
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