「これはヤバかったな」という遅刻エピソード

同期発電機の並列運転時に,各々の周波数が異なる場合,周波数の高い発電機が有効電力を取り込む理屈をわかりやすく教えていただけないでしょうか?

A 回答 (4件)

まず参考書2冊の紹介と関連ページですが。



[1]水力発電 (電気学会大学講座) 
    発行所 財団法人 電気学会
    発売元 株式会社オーム社書店
   255ページ~256ページ の 
    「6.11 並行運転」
   (特に255ページの第6.25図と、
    この図に対する256ページの解説)

[2]水力発電所 (最新高級電験講座 第11巻)
    著 者 千葉 幸
    発行所 株式会社 電気書院
   252ページ~254ページ の
    「8.3 並行運転」の
    「8.3.3 位相の相違する場合の作用」と
    「8.3.4 周波数の相等しくない場合の作用」
   (特に252ページの第8.29図とその解説)

実は上記参考書の[1]第6.25図と、[2]第8.19図
は、同じ意味のベクトル図を表現しています。

ご質問の内容を回答するためには、このベクトル図を参照しながら
でないと困難なので、できれば図書館か書店で立ち読みしていただ
ければと思うのですが。

 2台の同期発電機が並行運転しているとき、一方の周波数(回転数)が微少増加すると、2台の同期発電機の起電力に位相差を生じそれの合成起電力によって両機間に電流が流れます。
 これを有効横流又は同期化電流と言います。
この電流は、周波数の高い(回転数の高い)同期発電機が発電し、周波数の低い(回転数の低い)同期発電機は受電するという、有効電力を授受する作用をもたらします。

 Jを慣性モーメント、ωを角速度(=2×π×N/60 でNは回転数)とするとき、回転体の持つ運動エネルギーは =(1/2)×J×ω^2 で表されますから、回転数が高いほど多くのエネルギーを持つことがわかります。

 ところが、起電力の位相差が生じることによって、有効横流が流れ、回転数(周波数)の高い同期発電機は、エネルギーを放出(発電)し回転数(周波数)が下がり、低い方はエネルギーを吸収(受電)して回転数(周波数)が上がります。すると、それに伴い2台の発電機の間の起電力の位相差はなくなり、有効横流もゼロになりますから、有効電力の授受の作用もなくなり、2つの同期発電機は位相差のない同じ回転数で、並行運転を続けます。

 これが電力系統に接続され、並列運転されている同期発電機が、同じ周波数で回転している原理です。

 しかし、やはりベクトル図と一緒に説明しないと、なかなか難しいですね。

 2つの同期発電機の間で、位相差が少ない場合には、上記のように最終的に同じ周波数、位相に落ち着きますが、差が大きいような場合は、過電流継電器が働いて、同期発電機が解列したり、乱調によって並列運転が継続できない状態になります。

 なお、発電機が爆発するようなことは起きません。(発電機は火薬のような爆発する要素は持っていません。)

 長い回答になりましたが、少しでもお役に立てれば幸いです。
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この回答へのお礼

大変ありがとうございます。今度参考書を立ち読みしてみます。
あと,並列運転時に負荷が均等にバランスしているとして,系統の負荷が半分に減少したとき,負荷のバランスがどのようになるのか等も知りたいのですが,その変の内容についても,参考書にのっていますか?
いろいろ聞いて申し訳ありません。

お礼日時:2006/05/11 08:57

ANO.3の補足ですが。



【1】
>あと,並列運転時に負荷が均等にバランスしているとして,系統の負荷が半分に減少したとき,負荷のバランスがどのようになるのか等も知りたいのですが,その変の内容についても,参考書にのっていますか?

ANo.3で挙げた参考書[2]の256ページ「第8・32図 並行運転説明図」と同ページの「(C)調速機の特性と負荷配分」の説明に載っています。

ただしこの説明だけではわかりにくいので、次の参考書を立ち読みしてはいかがでしょうか。

[3] 電験第二種 計算問題の完全対策
    著者 家村道雄
    発行所 株式会社 オーム社
   142ページ 応用問題2

 この応用問題2は昭和53年の電験二種に出題されたものですが、内容は速度調停率と出力分担の簡単な計算です。

 他の参考書にも同じようなことが書いてありますが、負荷変動後の分担については、上記のように速度調停率によって定まる配分として説明されたり、問題として出題されている場合が多いです。
 電験の受験勉強だけなら、ここまででいいでしょう。

【2】
 しかし、並列運転で速度調停率により出力を制御している発電所は、電力系統の周波数を調整できるほど、大規模な発電所だけです。中小規模の発電所でそのような運転を行うと、負荷(周波数)が微少変動するごとに発電出力が変化してしまい、逆に発電や周波数が不安定になってしまいます。

 このため、電力系統の周波数(負荷)変動に対する調整制御は大規模な発電所にまかせ、中小発電所では電力系統の周波数が微少変動してもそれに応動しない(発電出力を変化させない)、「負荷制限運転(#77運転)」を行っています。 
(大部分の中小発電所では、並列運転時は参考書に載っている【1】のような内容とは異なる運転を行っている、ということを言いたかったのですが。)


 電力系統の負荷が半分になってしまうような大規模な事故では、負荷が半分になった瞬間、電力系統の周波数が上がりますので、それを周波数継電器(#95)で検出して、自動的に発電機を電力系統から解列します。

【1】は市販の参考書を注意深く探せば書いてあると思いますが。【2】は何故かあまり参考書に書いてありませんので、実務をしていないとわかりにくい部分かもしれません。


 質問に対して素早い回答はできませんが、この件についてなにか疑問がありましたら、また質問してみてください。
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No.1です。



> 私のイメージでいう周波数のずれというのは,1Hz程度のもののことでした。
と言うことは1秒に1回180度位相がずれるわけですね。
これは同期はずれで2台の発電機が短絡状態になりますので大事故間違いなしです。

> もう少しレベルアップして,ベクトルで理解する等をしたいのですが,
> いい参考書等ご存知でしたら教えてください。
まず上記を理解されてから、「同期投入」等で検索してみてください。
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まず同期発電機の周波数が違うと発電機が爆発します。

(本当です。)
違うとすれば位相です。

2人こぎのタンデム自転車を考えてください。
一人がサボるともう一人にずっしり負荷がかかります。
ペダルは同じ速さで回っているように見えてもチェーンの張り具合で
一所懸命こいでいる方のペダルが少し前を動くはずです。
このペダルの角度の差が位相差です。
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この回答へのお礼

ありがとうございます。
一点,私のイメージでいう周波数のずれというのは,1Hz程度のもののことでした。
自転車のペダルをイメージするというのは,大変わかりやすかったです。
もう少しレベルアップして,ベクトルで理解する等をしたいのですが,いい参考書等ご存知でしたら教えてください。

お礼日時:2006/05/10 09:07

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