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No.3ベストアンサー
- 回答日時:
>H(eR)H(eL)ψの項(→↑)が無視できるという記述が教授の作った光物性のテキスト(非出版)にあった、というのが今回ここで質問した経緯であります。
その理由(=根拠)を尋ねているのに、根拠を教えろと返されるのは非常に辛いものがあります。
すみません。書き方が悪かったかもしれません。「根拠」とは、なぜ質問されたかという意味です。要するになんらかの実験結果があって、その解釈として上記のことを言われたのか、それとも..。要するに摂動計算の計算上の話なのですね。
★実はしつこく質問の根拠を聞いた理由は、以下のような理由もあります。実は手元にある本を見ると、ご質問の摂動計算が載っており、式変形が
(HeL-HeR)+(HeR-HeL)という2つの項の和の形で進行していくのですが、いつのまにか
(フォノンの放出の項)+(フォノンの吸収の項)の和に変形されていきます。
よく式変形を追わないと(HeL-HeR)が(フォノン放出)、(HeR-HeL)が(フォノン吸収)を与えるように思ってしまうかもと思ったからです。さらに紛らわしいのは、(フォノン吸収)の項は低温では(フォノン放出)の項に比べて無視できるという結論で議論が終わるからなのです。これと勘違いしてないかと思ったからです。
摂動計算ですか。そうすると...わかりませんが、<f|HeR|m><m|HeL|i>/(Em-Ei)みたいに
中間状態と始状態のエネルギー差が分母に入ってきますよね。フォノンにより散乱された状態の方が始状態のエネルギーとあまり差がないですよね。そういう項を含んだ過程の方が大きな寄与をするのではないでしょうか? あてずっぽですが。
つまり→↑(先にフォノン散乱)に比べて↑→(先に光子で励起)の方の寄与が無視できる。あれ、反対か?
教授の手書きのテキストならば間違いもあるかもしれませんので、是非直接教授に質問して結果を知らせて下さい。
ありがとうございます。
今日、早速質問をしてきましたので、結果をご報告いたします。
まず、現象としては↑→も→↑もどちらが起こるかと言う特定はできないそうです。この意味でleo-ultraさんの回答は正しかったと言うことになります。
それでも、摂動計算結果の数式(相互作用表示における時間因子)にはハッキリ↑→と→↑は区別されるので、各経路を考えることが要されるとのことです。
↑→の経路にしても→↑の経路にしても、中間状態は価電子帯でも伝導体でもない状態(通常は存在しない状態)になることは、No1の返信に書いた図からも明らかですが、この状態は、無摂動状態の線型和(重ね合わせ)として表現されます。(いわゆる、時間摂動により乱された系への混ざりこみの効果)
そこで、この混ざりこみについて考えると、↑→の遷移において、中間状態は、主に始状態(価電子帯の頂上付近)とその真上の伝導帯の状態が重ね合わせが主要な項として効いてきます。
同様に、→↑の遷移において、中間状態は、主に終状態(伝導体の底付近)とその真下の価電子帯の状態の重ね合わせが主要な項になります。しかし、この「終状態の真下の価電子帯の状態」は殆どの場合、既に占有されていることから、実際にはこの中間状態は存在しえない。(現象としては、価電子帯内の電子散乱効果を考えたときに、このような散乱は実際には起こりえない。)
…とのことです。聞いた内容を私が思い出しつつ書いているので、ところどころ不適切な記述があるかもしれませんが、概ねこのような説明をされました。
私は、この説明で納得できたのですが、まだ掘り下げ方が足りない可能性もありますので、ご意見等があれば、投稿下さるとありがたいです。
No.2
- 回答日時:
いや、答えは同じです。
むしろ、なぜ後者の遷移(フォノンを放出・吸収してから光子で遷移する)が起こらないと断言される根拠をお教え下さい。
むしろ摂動論が正しければ、両方とも起こるのではないですか?(たぶんその式はいくつかの教科書に載っていて正しいと思います。)
実際の現象としては前者も後者も見分けがつかないのではないでしょうか? 実際の現象は、フォトンによる励起とフォノンの吸収・放出がほぼ同時に起きて、気がついたら状態Aが状態Bに変わっていたといった感じじゃないでしょうか?
>後者の遷移(フォノンを放出・吸収してから光子で遷移する)が起こらないと断言される根拠をお教え下さい。
「フォノンを放出・吸収してから光子で遷移する」とは既に訂正したので、もはや申しておりません。仰るとおり、→↑の経路でも光子が先かフォノンが先かという問いは無意味であるし、↑→の経路でも光子が先かフォノンが先かという問いは無意味です。
しかし、少なくとも摂動の式を見ても、電子の状態中間状態は大きく分けて二つ(実際はフォノン吸収・放出を区別して四つ)あります。それが、→↑、↑→の二つです。その上で→↑は起こらない(or無視できるほど起こりにくい)という理由を質問しているのです。
中間状態が二つあるというのは、実際に摂動を解くと分かるように思います。電子の生成消滅演算子・フォノンの生成消滅演算子・光子の消滅演算子があるとき、電子系の演算子、格子系の演算子、電磁場の演算子はそれぞれ互いに可換なので、「フォノンかフォトンかどれが先に起きたか?」というのは問題にならないのですが、電子系内の演算(消滅→生成→消滅→生成)は状態ベクトルに作用する順番があるので中間状態がしっかりと表れると思うのですが・・・。
ちなみにH(eR)H(eL)ψの項(→↑)が無視できるという記述が教授の作った光物性のテキスト(非出版)にあった、というのが今回ここで質問した経緯であります。
その理由(=根拠)を尋ねているのに、根拠を教えろと返されるのは非常に辛いものがあります。
よろしくお願いします。
No.1
- 回答日時:
実際の現象として後者が起こらず、前者だけが起こっている?
実際の現象としては前者も後者も見分けがつかないのではないでしょうか? 実際の現象は、フォトンによる励起とフォノンの吸収・放出がほぼ同時に起きて、気がついたら状態Aが状態Bに変わっていたといった感じじゃないでしょうか?
また、「フォノンによる散乱」と書かれましたが、イメージとしては「フォノンの吸収または放出」じゃないですか? ひょっとして、フォノンの吸収と放出の2通りがあることと質問の内容を混乱してませんか?
回答ありがとうございます。
ご指摘の通り、フォノンの吸収または放出です。スミマセン。
それを訂正して、さらに質問です。お願いします。
よく見る間接遷移を表すバンド図で、
→∪
↑ という経路での遷移はよく見かけるのですが、
∩
∪
↑
∩→ という経路での遷移が起こらないのは何故でしょうか?・・・(☆)
というのが新たな質問です。(∩は価電子帯、∪は伝導帯です。)
電子系と電磁場の相互作用ハミルトニアンをH(eR)、
電子系と格子系の相互作用ハミルトニアンをH(eL)として、
H'=H(eR)+H(eL)として二次の時間摂動を考えたところ、
H(eL)H(eR)ψからは前者の経路
H(eR)H(eL)ψからは後者の経路が計算結果として得られました。
│ちなみに、この結果から、先ほどまで単純に
│前者を状態A→フォトンによる励起→フォノンの吸収(放出)→状態B
│後者を状態A→フォノンの吸収(放出)→フォトンによる励起→状態B
│というような因果律に従う順序があるのかなぁと考えていました。
│しかし、よくよく考えてみるとご指摘の通り、「どちらが先か?」と問うのは間違っていたようです。
│自分の理解の間違いが1つはっきり分かりました。ありがとうございます。
そこでそこの理解を正しつつ、話は戻るのですが、
まだ(☆)の疑問が解消しません。
何故→↑の経路の遷移は起きない(or起こりにくい?)のでしょうか?よろしくお願いいたします。
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