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秋田県にある玉川温泉と、そこで出来る北投石について質問なのですが、本やHPを見ると
「北投石は玉川温泉の“湯の花”が堆積した物である」
「北投石はラジウムを含んでおり、放射線を発する」
と書いてありました。ここから、『北投石の成分は玉川温泉の成分と同じだから、玉川温泉の水もラジウムを含んでいて放射線を発している』と考えたのですが間違いでしょうか?

色々な本やHPを見たのですが、「北投石が放射線を発している」という記述はあっても「玉川温泉自体?が放射線を発している」という記述はないので、疑問に思っています。

非常に分かりにくい文章で申し訳ありませんが、よろしくお願いいたします。

A 回答 (1件)

こんばんは。


仕事上鉱山に関係がある人間です。

北投石というのは、「重晶石」の仲間で、
成分は(Ba、Pb)SO4と言う、鉛、バリウムの硫酸塩を主成分としています。

まず232Th(トリウムの放射性同位体)は、放射線を出しながら種種の放射性元素を経て、228Ra(ラドンの放射性同位体)を通過し、最終的には208Pb(鉛の安定な同位体)等に達し崩変を終わります。これが地殻中の鉛を構成する事になります。
この際、228Raが発生し、温泉、地下水に溶解しながら地表に達します。

これでお解りと思いますが、北投石には鉛が含まれます。含まれている鉛は、トリウムから放射線を出しながら、ラドンを経て生成された物です。北投石には、未だ崩変していない(放射線を出して他の元素になりきっていない)トリウムが含まれていますから、それからラドンが発生します。

北投石は地下の熱水が、地殻の弱い部分を辿り、地上に湧き出した際、熱水(温泉水)中から成分が析出したものです。鉛以外にバリウム、微量ながらトリウムも含まれ、当然ラドンも熱水中に溶解しています。しかし、ラドンは地上に達すると、次第に温泉水から徐々に遊離し、大気中に拡散していきます。

>「玉川温泉自体?が放射線を発している」
玉川温泉の温泉水に溶け込んでいるラドンやトリウムなどが放射線を出していますし、それが析出した北投石も放射線を出しています。

しかし、温泉水の成分は年ごとに常に変化して居ることが解っています。また北投石も層ごとに成分が変化し、放射線も層よってに変化しています。つまり、北投石自体、品質に差があることになります。また、源泉と最終的に流れ着く温泉施設の浴槽でも、濃度が異なります。

蛇足ですが、玉川温泉の温泉水は現在、概ね(源泉近で)0.7マイクロシーベルト毎時の放射線を発していると言われますが、年間の被爆量に換算すると、大変な値(場合によって人体に有害)になる可能性が極めて高くなります。更にその温泉水は、放射線以外に塩化水素、硫化水素などが含まれPHが大変低い(強酸性)ので、北投石だけでは温泉を再現できません。

参考になれば。
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この回答へのお礼

ありがとうございます!
詳しく書いてくださってとてもうれしいです。私は物理などをやったことがなくまったく知識がないので、回答者さまの文章と、図書館で借りてきた放射線に関する本を見比べながら何とか理解しました(したつもりです)。
ウラン系列やトリウム系列など、初めて知りました。放射線物質は変化しているんですね。そして鉛になると放射線を発しなくなる・・・。何だかすごい!鉛ってそうやってできていたんですね!

玉川温泉の温泉水も放射線を出しているんですね。今回(大学のレポート課題で)調べてみて分かったのですが、玉川温泉はすごく特徴的な温泉ですね。放射線は数日間あびるくらいなら害はないのでしょうか・・・。機会があればぜひ行ってみたいです。

本当に参考になりました。お礼が遅れてしまい、申し訳ありませんでした。

お礼日時:2006/09/02 23:12

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