
No.4ベストアンサー
- 回答日時:
以下の参考URLで、炎についての少し複雑な話があります。参照してみてください。
この質問では、質問者は、「燃焼」が、質量欠損によるエネルギー放射なのか、と尋ねていますが、無論、日常的に目にする燃焼や、「炎の現象」は、そういう原子核分裂や核融合で出てくるエネルギーの話とは一応関係がありません。
燃焼というのは、或る物質の分子と別の物質の分子が、化学反応を起こし、化学結合によって新しい物質分子を造る時、この「化学結合反応」で出てくるエネルギーが、光や熱の形で外部に放出されるのを、観察していることになります。
「炎」がでない燃焼もあります。炎が出る時には、それは普通、「熱せられた気体」です。(ほのおを見ると、揺れていて、あれは、気体だと思えるでしょう。液体ではありませんし、一定の形がないようなので、固体でもありません。あれは、熱せられた気体なのです)。
炎と炎でない領域は、どうして区別されるかというと、燃焼の熱によって、光が出ている領域が炎で、そうでない領域が、炎でない領域だとなります。ガスこんろとかの炎とか、蝋燭のほのお、または何か木などを燃やすと出てくる炎は、先が細くとがっていて、「ほのおの形」をしています。あれは、熱せられた気体が、温度が上がると軽くなるので、上昇しているので、上向きに昇る形が見え、ある程度熱源から離れると、まわりの空気などで冷却するので光を出さなくなるので炎として見えなくなるので、その場合、炎の中心部分が一番後まで熱い状態なので、真ん中部分が、他の部分よりも光を放っている時間が少しだけ長いので、それが、炎のとがった先に見えるのです。
熱せられた気体は、発光しなくなると人間の目には、炎の形に見えませんが、実際は、例えば、「赤外線」で見たりすると、炎は、もっと広い範囲にあり、肉眼で見る炎の先端よりも、もっとずっと上まで延びていることが分かります。また、炎のずっと上に手を置くと、下から熱い気体が昇ってきているのが分かります(あんまり、炎に近い所に、手を置かないでください。発光していなくとも、火傷するぐらいの温度は、炎の近くの気体ならありますから、やけどします)。
気体と気体が化学反応して燃焼して、そのまま、光を出しているのが、炎に見えるのと、燃焼によって出た熱が、気体を熱して発光させたり、燃焼によってできるすすなどを熱して発光させているのが炎の光です。(光がどうして出ているのかは、少し難しい話ですが、参考URLに記されています。また以下にも述べています。熱した鉄棒の光の「黒体輻射」現象と、「熱による電子遷移」です)。
純粋な炭素が燃えると炎が出ないというのは、その通りかも知れませんが、石炭などは、不純物が入っていて、燃やすと、石炭のなかの炭水化物(炭素Cと水素Hの色々な化合物)が気化して気体になり、それが燃えて発光して炎になったり、石炭の燃焼熱で、気体が熱せられ、発光してほのおになる場合などがあります。
木とかろうそくを燃やした場合も、可燃性の気体が出てきて、これが酸素と化合して、燃え、発光して炎となったり、発光は、広い意味の「すす」が熱せられて光を出す場合もあります。
そのものは燃焼していなくとも、光を出すというのは、例えば、太い鉄の棒を、ガスや石炭の燃えているなかに入れると、鉄が熱せられ、赤くなります。これをガスや石炭のなかから出してきて、空中に置いて、暗闇のなかなどで見ると、「ほのおは出ていませんが」、鉄の棒が灼熱して真っ赤に光っているのが見えます。熱せられた「すす」などが発光するというのは、こういうことです。鉄棒も、熱する温度を上げて行くと、黄色い光から、まばゆい白い光になって行きます。温度が下がって来ると、黄色から橙色、赤、そして赤黒い光になり、やがて、肉眼では見えなくなりますが、実は、温度が高いあいだは、赤外線領域で光っています。
気体が化学反応を起こして燃えた時に出る光は、化学反応の種類によって、決まっています。詳しく言うと、燃える物質の分子あるいは原子が、燃焼という発熱化学反応で、高温になり、それが低温になる時、原子または分子のなかの電子が、高いエネルギーから低いエネルギーに移り(これを、「遷移」と言います)、電子のこのエネルギー差が光として出てきて、エネルギー差の大きさで、光の波長が決まり、どんな色の光かも決まります。
他方、先の熱した鉄棒のように、熱によって広い意味のすすなどが熱せられて発光する場合は、「黒体輻射」という現象に当たり、温度によって、色々な色の光が出てきます。また、何か燃やしていると、銅などが混じっていた時、条件によって、銅も酸化して揮発し(気体となり)、この時、独特の緑色の光が出ます。銅が混じっている場合の燃焼の炎は、緑色のものが出るのはそのためです(こういう光の出方を、「炎色反応」と言います。これは、電子遷移によります)。
>No.162293 質問:炎の中で何が起こっているの?
>http://oshiete1.goo.ne.jp/kotaeru.php3?q=162293
(注:「インコーヒレント」は、説明もなく、何故こういうことを言うのか理解できませんが、「コーヒレントな光」というのは、波長が同じで、光の波の位相が揃っている光で、レーザー光などがそうです。普通の光は、コーヒレントでないので、インコーヒレントです)。
参考URL:http://oshiete1.goo.ne.jp/kotaeru.php3?q=162293
ご丁寧にありがとうございました。普段、当たり前のように見ている炎がこんなに難しい理屈で輝いているとは驚きました。こんな風に結構身近なところでよく知らないことって多いような気がします。参考URLなども見て勉強します。
No.3
- 回答日時:
> 何がどうなって光が出ている状態なのでしょうか?
炎の発光は「ススの黒体放射」によるものです。色は発光体(ここではスス)の温度に依存し,色(波長)と温度との関係は,プランクの放射則という式で表現されます。
余談ですが,発光している色を識別することによって温度を算出することができ,このような温度計を「放射温度計」といいます。非接触で温度を測ることができます。
また,人の体温のような低温でも,それなりの光(赤外線)を放出しておりまして,これは耳温計や人感センサーなどに応用されております。
>「炭素」などの可燃性物質と「酸素」が化学反応を起こしている状態なのでしょうか?
ススの酸化反応は起こりますが,酸化反応自体が発光を伴っているわけではありません。
> その時出る「光」ってどんなものなのでしょうか?
炎色反応による光(輝線)とは異なり,なだらかなスペクトル形状の連続光です。また,当然ながらインコヒーレントな光です。
1つ1つに丁寧なお答え、ありがとうございました。「光」という存在自体がよくつかめていませんが、理屈はイメージできるような気がします。勉強してみます。
No.2
- 回答日時:
岩波の理化学辞典によれば、炎は「2種の気体が化学反応を起こし、熱および光を発している部分」と説明されています。
一番身近な例は都市ガスやプロパンガスの燃焼かと思います。化学反応により熱が生じ、またその熱により炎の中の物質が励起されて光を出します。参考ページの[1]によればHCOラジカル、CO、CO2などの高励起状態からの発光とのことです。
炎色反応はその中の一形態で、少し専門的な話になりますが熱せられたアルカリ金属・アルカリ土類金属の原子内部での状態遷移に応じ、特定の波長(すなわち特定の色)の光を出す現象です。花火などに応用されています。
ろうそくなど煤を多く発生する物質の燃焼では燃え残った炭素原子が熱せられ、その炭素原子が光(黄色っぽい光)を出します。ただし純粋な固体の炭素が燃える場合は(気体同士の反応ではありませんから)炎は生じません。
参考ページ
[1]「ガスの炎の色」
http://www.nep.chubu.ac.jp/onsen/meet2000_12/iro …
[2]「炎のつくりと色、炎色反応」(東京ガス)
http://www.tokyo-gas.co.jp/ghakase/dr02/dr02.html
[3]「暗闇でヒータが赤く、ストーブの炎が青い理由」
http://member.nifty.ne.jp/akaoka/faq/color000316/
参考URL:http://www.nep.chubu.ac.jp/onsen/meet2000_12/iro … http://www.tokyo-gas.co.jp/ghakase/dr02/dr02.html
ありがとうございました。つまり、ろうそくなどの炎と、花火の炎ではその種類が違うということでしょうね。全然同じものだと思っていました。参考URLの方でも勉強してみます。
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