
今ペーパークロマトグラフィー法を用いてFe(III)、Co(II)、Ni(II)の分析を行っております。そこで展開溶媒としてアセトン塩酸溶液(アセトン10容+濃塩酸1容+水0.5容)を用いて実験をしました。その結果Rf値はFe(III)が0.95、Co(II)が0.45、Ni(II)が0.02となりました。そこで展開溶媒中の塩酸の濃度だけをを3容に増加させて実験したところ、すべてのRf値が増加しました。そこで塩酸が多いほど良く展開されるということがわかったのですが、では塩酸の水素イオンと塩化物イオンのどちらがが影響していると思われるでしょうか?また展開溶媒中のアセトンはどんな働きをしているのでしょうか?どうぞよろしくお願いします。
試料は塩化鉄(III)、塩化コバルト(II)、塩化ニッケル(II)を用いました。
No.2ベストアンサー
- 回答日時:
No.1です。
> 塩酸のファクターを求めて正確に塩化ナトリウムの濃度で行ったほうが良いのでしょうか?
前回、「支配的」という言葉を使ったとおり、私自身は
「水素イオンが主、ただ塩化物イオンの寄与も若干ある」
と推測しています。
従って、「それぞれの寄与率を確認する」という目的で実験を行うのであれば、
ファクターを求めて比較するのが「より望ましい」と言えます。
ただ、実際には、ペーパークロマトの再現精度(→「同一ろ紙上で展開したときの
スポットの相対位置」ではなく、「同じ実験を繰り返した際のRf値」についての話)
はそこまで高くないと思います。
そうすると、実験目的としては「塩化物イオンが主要因かどうかの確認」程度に
留まらざるを得ず、であれば「ファクターまで求めなくても、概算でよい」ということ
になります。
結論;
『塩酸濃度は濃塩酸の一般的な濃度と使用量を元に計算で出し、「塩酸増量による
Rf値上昇の主因が塩化物イオンかどうかの確認」を実験の目的とする。』
・・・以上です。
追記;
前回書き忘れましたが、塩酸中にも水が含まれるので、「塩酸と同体積の水を添加
した試料」も比較対照として用意した方がいいと思います。
(・・・これでRf値の増加分が全て埋められてしまったら、「ここまでの説明は一体
何だったの?」って話になってしまいますけれどね)
No.1
- 回答日時:
> 展開溶媒中のアセトンはどんな働きをしているのでしょうか?
鉄(II)、ニッケル(II)、コバルト(II)の塩化物の水溶液では、以下のように
電離しているものと思います(恐らく殆どが電離=強電解質);
M(II)Cl2 + 6H2O → [M(II)(H2O)6]^2+ + 2Cl^-
(「M(II)」はそれぞれの金属イオン。なお、重要なのは式の右辺なので、
溶解前が無水塩だったか水和物だったかは、ここでは気にする必要は
ありません)
このような物質を水だけを展開溶媒としてペーパークロマトを行った場合、
Rf値はほぼ1になってしまい、差が殆ど生じなくなります。
従って、アセトンは、上記三者の電離を抑えてRf値に差を生じさせるために
添加しているものと思います。
> 塩酸の水素イオンと塩化物イオンのどちらがが影響していると思われるでしょうか?
恐らく水素イオンの濃度が支配的だと思います。
(水素イオンがアセトン分子に付加することでアセトン分子の極性が増加し、
結果として金属塩の電離がしやすくなったのではないか、と)
1)「今回加えた塩酸と等モルとなる塩化ナトリウム溶液」
2)「今回加えた塩酸と等モルになる硝酸」
で比較実験を行えば、確認できると思います。
(ただ、この濃度だと、硝酸がろ紙を侵す可能性もありますので、他に適当な
酸を探す必要があるかもしれませんが・・・)
なお、もし各金属イオンのスポットの色が違っていた場合は、錯イオンの構造
変化の影響である可能性も否定できません。
(例えば「塩化コバルト水溶液+濃塩酸」では、赤→青の変色が見られます)
http://chem-sai.web.infoseek.co.jp/cobalt.htm
・・・ただ、塩化コバルト水溶液の場合(他の塩でもそうかも)、アセトンを加えた
時点で水和水が外れて、青色になっていたかもしれませんが(汗)
早速のご解答ありがとうございます。アセトンの機能についてもわかりやすく、理解できました。今度は塩酸を等モルとなる塩化ナトリウム溶液に変えて実際に水素イオンが影響をしているのか調べてみたいと思います。この場合塩酸のファクターを求めて正確に塩化ナトリウムの濃度で行ったほうが良いのでしょうか?
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