No.8
- 回答日時:
> 蒸気タービン機関の低温熱源は復水器の冷却水であるように、エンジン発電機の低温熱源は排ガスを放出する場所になるのではないのですか?
そんなことはありません。
蒸気タービン機関の冷却水も、基本的には、復水器入り口の温度が「低温熱源」の温度です。細かいことを言い出すときりが無いので大雑把に申しますが、排気ガスも冷却水も、機関の出口から先はどうなっていても、あまり関係ありません。
河の下流がどうなっていようと、河が詰まって逆流してこない限りは上流には関係ないのと同じことです。(あんまりめちゃくちゃな使い方をすると、「逆流」することもありますが...)
No.7ベストアンサー
- 回答日時:
No.3 です。
原理的に違う機関を比べだしてしまうと、話がこんがらがってわからなくなると思います。とりあえず、同じ機関同士を比べた場合で話をしたほうがいいと思います。
まず、エンジン発電機(ガスタービンエンジンを含む)では、すでに申したように低温熱源は取り入れ空気ですから、コージェネでもモノジェネでも変わらないので、発電効率に大きな変化はありません。ですから、排熱をいかに「有効に利用する」か、が、省エネルギーの鍵になります。日本では、大多数のコージェネシステムは、このエンジン発電機を使用しています。
それに対して、蒸気タービン機関を使用する場合は、システムにもよりますが、低温熱源がコージェネとモノジェネで変わりますので、たしかに効率が変化します。実際の手法としては、高圧タービンを出て、低圧タービンに入る前の中間圧の蒸気を熱源にする場合が多いかと思います。この蒸気を、熱出力に合わせて抽出(横取り)すると、そのぶん、低圧タービンの出力が低下し、発電効率が低下します。
(念のため、熱を取ると発電効率は低下しますが、熱を取る代わりに別にボイラーなどで炊くよりは、エネルギーを節約できます。これが、コージェネレーションシステムの妙味です。)
いずれにせよ、このような事例は、普通、専門のエンジニアリング業者が特別に計画・設計するもので、運用もかなり限定されており、その効果等についても綿密な調査があるので、だいたいはそこそこ「最適化」されています。こういう事例の問題ではないと考えていたのですが...違いましたでしょうか。
要するに、コージェネシステムとして何を想定するかで話がえらく変わってきます。そして、計画段階、設計段階、運用段階でも、話が違います。
計画段階であれば、コージェネレーションシステムと、モノジェネ&ボイラ、買い電&ボイラ、買い電&ヒートポンプ等を比較検討します。主機関も、ディーセルエンジン、ガスタービン、汽力発電など、さまざまなものを、エネルギー、コスト、法規制など、さまざまな面から検討します。
設計段階であれば、排熱温度や熱需要等により、主機関の数や容量、温度や圧力を詳細に検討することになります。
運用段階であれば、何を増やせば何が減るのか、あるいは減らないのか、それをコンピューターもしくはカンピューター(笑)で演算しながら運用します。
コージェネシステムというのは、ことほど左様にバリエーションがあるため、一概にどうこうとは言いにくいものです。評価の手法もいろいろありますが、あんまりにもあんまりな仮定で「比較検討」する詐欺まがいの事例もありますし。
いずれにせよ、事例を少々限定して話をしないと、最新型の海水冷却の数MWクラスのACC発電所と、ビルの自家発レベルの発電システムを比べたりすることになりかねないので、もう一度、どのような事例、あるいは事象についての御質問であるのか、整理していただければと思います。
返信が遅くなって申し訳ありません。
事例を限定して話すべきでした。エンジン発電機(ガスタービンエンジンを含む)の排ガスを利用するCGSについて教えていただきたいと思います。また、(無理はあるかもしれませんが)最も簡単に発電効率を表すカルノー効率で説明をお願いします。
>>エンジン発電機(ガスタービンエンジンを含む)では、すでに申したように低温熱源は取り入れ空気ですから、コージェネでもモノジェネでも変わらないので、発電効率に大きな変化はありません。
確かに新しい空気を取り入れ続けることは出来そうですが、排ガス利用型コージェネでもその新しい空気の温度を低温熱源の温度とするのでしょうか?
蒸気タービン機関の低温熱源は復水器の冷却水であるように、エンジン発電機の低温熱源は排ガスを放出する場所になるのではないのですか?
No.6
- 回答日時:
>熱力学的な理由で発電効率が低下することはないのでしょうか。
排気ガスの放出先が大気ではなく高温の排熱回収機器になってしまうと理論的には効率が下がるように思うのですが。なぜ発電効率にばかりこだわるのかがちょっと理解できないのですが。発電効率を犠牲にしても熱が必要な場面ではそのようにしますよ。
ま、発電方式の選択次第でしょうね。廃熱が高温の発電方式を選択すればいいんですよ。ガスタービンとか。
ガスタービンの廃熱以上の高温が欲しければ、エネルギーを使う順番を変えます。
たとえば、製鉄では鉄を溶かすのに熱を使った後、廃熱で蒸気発電を行います。捨てるエネルギーを熱の形で回収するか、電気の形で回収するかの違いでしかなく、全部ひっくるめればモノジェネより経済的。
>>なぜ発電効率にばかりこだわるのかがちょっと理解できないのですが。
すいません、たしかに理解できなかったかもしれません。
私が発電効率にこだわっていたのは、どこかの国際機関の発電技術に関する調査で、様々なコージェネ発電のコストを客観的に比較する手法の中で、排ガスから熱を回収する際に熱力学的に犠牲になる発電電力を推定する作業があるという風な話を聞いて不思議に思ったからなんです。
実際に経済的になるかどうかは導入状況によって大きく違いそうですね。
No.5
- 回答日時:
>これは排気ガスを押し出すために動力が必要になり、
あらたな動力が必要なわけではありませんが、押し出すための力が必要になることがあります。
>排気ガスの放出先が大気ではなく高温の排熱回収機器になってしまうと理論的には効率が下がるように思うのですが。
当然あってもおかしくないと思います。ただロシアや東欧ならともかく、日本でそこまで熱を必要とするケースがそんなにあるかな?と考えるとあまりそんな設計はとらないような気がします。
No.4
- 回答日時:
モノジェネ(発電)の場合熱効率45%、それがコージェネ(発電+熱)にすると35~40%(発電)+20%(熱)のケースが多いと思います。
ただ最新の発電システム(小規模火力発電所クラス)になると発電+発電(+発電)+熱みたいなシステムもあるようです。コジェネについても完全に冷却水の熱を利用するもの(主機に影響なし)もあれば、高温廃棄ガスにさらに水を噴霧して蒸気にしタービンを回すもの(廃棄するために物理エネルギーが必要になるため主機に影響あり)まで色々あり、一概には言い切れません。また規模にもよりますがマイホーム発電など発電効率を追求するには規模が小さすぎるが、熱に対する需要があるためコージェネに意味があるという場合もあります。回答ありがとうございます。
>>モノジェネ(発電)の場合熱効率45%、それがコージェネ(発電+熱)にすると35~40%(発電)+20%(熱)のケースが多いと思います。
>>高温廃棄ガスにさらに水を噴霧して蒸気にしタービンを回すもの(廃棄するために物理エネルギーが必要になるため主機に影響あり)
これは排気ガスを押し出すために動力が必要になり、効率が低下するということでしょうか。やはり工学的な理由でコージェネ時の発電効率が多少は低くなることもあるのですね。
熱力学的な理由で発電効率が低下することはないのでしょうか。排気ガスの放出先が大気ではなく高温の排熱回収機器になってしまうと理論的には効率が下がるように思うのですが。
No.3
- 回答日時:
> しかし実は熱エネルギーを40得ると発電効率が低下して電力エネルギーは20に下がってしまい、最終的には60のエネルギーしか得られない、というような状況にはならないのでしょうか?
そういう疑問でしたら、そこまで大きな変化はありません。むしろ、場合によってはモノジェネのほうが効率が下がるものもあります。
ご存知とは思いますが、コージェネシステムの多くは、エンジン発電機をベースにします。エンジン発電機の排気ガスや、ジャケット冷却水(自動車で言う「ラジエーター水」です。)の排熱を熱源として、熱を併給するのがコージェネシステムです。
熱力学的に言うと、エンジン発電機は取り入れ空気が「低温熱源」ですから、ジャケット冷却水や排気ガスから熱を回収しても、主機関であるエンジンの効率には関係ありません。したがって、コージェネ・モノジェネで効率は(原理的には)変化しないということになります。
で、熱力学的な問題ではなく、工学的な問題で、少々効率は変化します。
エンジン発電機の場合、コージェネで温水を使用しないモノジェネにしても、ジャケット冷却水は冷却しなければなりません。これは、エンジンに併設するラジエーターや冷却塔で冷却します。このケースでは、冷却のためにラジエーターを回さないといけない分、コージェネよりもモノジェネのほうが、むしろ送電端出力は低下します。
一方、排気ガスの熱を使う場合は、逆になります。と、いうのは、排気ガスから温水を回収する、温水ボイラーというものを設置すると、そのぶん、排気ガスの圧力損失が大きくなるので、要するに、排気ガスを押し出すために必要な動力の分、効率が低下します。
これは、ガスタービン発電機を用いるコージェネシステムでもいえることです。(もっとも、ガスタービンはモノジェネとすると小型軽量ということ以外にほとんどメリットはありませんが。)
とはいえ、どれでも発電効率で数%も違いません。「たいして変わらない」というほうが正確です。
蛇足ながら、コージェネシステムは、トータルで考えないと本当の優劣はなかなか評価しにくいものです。コージェネは万能の解決策ではなく、熱需要の読みを間違えて、かえって増エネになってしまった現場もありますし、かとおもうと、かなり恣意的な数字を使ってコージェネシステムをけなしまくる人もいます。巷にあふれるこの手の本も、どれもこれも正直我田引水で、うっかりすると筆者の「壷算」にはまってしまいますから、ご注意ください。老婆心ながら。
この回答への補足
すいません、参考URLがうまく表示されていないようですのでもう一度書き込みます。
http://www.ne.jp/asahi/wen/net/qabox/a1netsu1.htm
丁寧な説明をありがとうございます。
>>熱力学的に言うと、エンジン発電機は取り入れ空気が「低温熱源」ですから、ジャケット冷却水や排気ガスから熱を回収しても、主機関であるエンジンの効率には関係ありません。
そうだったのですか。コージェネシステムではありませんが以前に蒸気タービンの低温熱源と出力について調べたこととは違うようですね。エンジン発電機の高温排気ガスから温水や蒸気を生成する場合も同じように考えればいいと思っていたのですが。
(http://www.ne.jp/asahi/wen/net/qabox/a1netsu1.htm)
数%も違わないとはいえ、冷却水の必要性から場合によってはモノジェネのほうが効率が低くなるということはよく分かりました。
>>巷にあふれるこの手の本も、どれもこれも正直我田引水で、うっかりすると筆者の「壷算」にはまってしまいますから、ご注意ください。
気をつけたいと思います。ありがとうございます。
No.2
- 回答日時:
●視点を変えてみたら如何でしょうか?
>>ということは発電効率に影響が出ない程度に排熱を利用することも出来るということでしょうか?
●発電効率にこだわるのではなく、エネルギー全体の総合効率に注目する。
例えば
(1):風呂屋
(2):病院
(3):ホテル
などで使用する主エネルギーは熱エネルギー>電気エネルギーと思われます。
コジェネからの、熱エネルギー(排熱)を主と考えれば、発電(発電効率)は従であり、モノジェネの発電方式(電気のみ、排熱を利用しない)よりエネルギー総合効率は優れており、省エネルギーになると考えられます。
●発電効率を単純に熱力学的に追求することは、技術的な意味があるかも知れませんが、比較論であれば、エネルギーシステム全体としての利用形態(設置利用する内容)をまず比較検討することが重要なポイントだと考えています。
はい、コージェネは確かに総合的な効率は優れていると思います。ただ私が知りたいのは、排熱を利用することで熱力学的に発電効率、電力出力が低下するという現象があるのかどうかということなんです。
たとえば、モノジェネのみの発電方式で電力エネルギーが30得られるとして、これをコージェネにすれば熱エネルギーが40得られ、総合的には70のエネルギーを得ることができた、というような話をよく聞きます。
しかし実は熱エネルギーを40得ると発電効率が低下して電力エネルギーは20に下がってしまい、最終的には60のエネルギーしか得られない、というような状況にはならないのでしょうか?(総合的に60のエネルギーが得られるのであれば優れていると言えそうですが)
No.1
- 回答日時:
それはシステムの設計しかいです、
発電効率のみを追求し、あまった廃熱だけを利用すればその分だけ効率は高くなります。
熱源が沢山いる場合は廃熱を高めに設定して発電量を抑え総合効率を高めればいいのです。
回答ありがとうございます。
>>あまった廃熱だけを利用すればその分だけ効率は高くなります。
ということは発電効率に影響が出ない程度に排熱を利用することも出来るということでしょうか?
発電効率を1-(低熱源温度/高熱源温度)で表すと、どうしても効率が悪くなりそうだったのですが、低熱源温度が上がらないくらいの排熱利用も可能だと考えればいいのですか。
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