No.1
- 回答日時:
こんばんは。
一般社会か文学研究かによってドストエフスキーの位置は異なると思います。
個人的には、彼が偉大などと言われているのは彼の作品には一種の普遍性が存在すること及び彼の思想を見事に書物に著したからだと思います。夏目漱石なんかも個人的には同じだと思います。
文学研究(私は文学研究ではなくて、単に読書が好きなだけですが)では題材としてかなり研究されています。ドストエフスキー以外にもトルストイ、チェーホフなど。なのでまあ王道と思われているのかもしれません。また、ドストエフスキーの作品(及び思想)の後世に与えた影響はかなり大きいです。よって「読んでて当然」みたいなことになのかもしれません。しかし、私が思うに、年齢、環境によっては読んでいない人のほうが多いこともあると思います。今時の流行作家というわけではないですし。
私のオススメは「賭博者」と「カラマーゾフの兄弟」です。もちろん「罪と罰」も。私が最初に読んだのは「カラマーゾフの兄弟」でしたがいささか分量もあるので、質問者様がいきなり分量があるものは避けたいのならば「賭博者」をオススメします。
No.2ベストアンサー
- 回答日時:
ドストエフスキーのデビュー作は「貧しき人びと」という作品です。
これは小説ですが、いわゆる書簡体小説というもので、2人の人物がやりとりする手紙の文面が、そのまま小説になったものです。後に書かれた「罪と罰」や「カラマーゾフの兄弟」などでもそうですが、登場人物が自分の考えや見聞きしたことを延々と語り続ける場面がありますが、「貧しき人びと」における書簡体形式はいわばその原型のようなものかもしれません。
すごく大雑把に言うと、ドストエフスキーより前の小説というのは、作者が自分の思想なり世界観なりを具現化するために、作者の考えをいわばその分身である登場人物に託して喋らせたり、物語を一つの結論に向かって動かしていくというようなものだったとしましょう(といっても、現代でもこういう小説はいっぱいあるかもしれませんが)。
それに対してドストエフスキーの小説では、登場人物の一人一人が、作者の考えを代弁するのではなく、あたかも現実の人間と同じように自分なりの考えを持っています。また、このような登場人物同士が自分の意見を戦わせることによって、作品は、もはや作者一人の思想の反映ではなく、いくつもの異なった世界観が主張しあい、ぶつかりあう場となります。言ってみれば、登場人物の一人一人が「作家」であるようなものかもしれません。
じっさい、この世界そのものが、神様が空の上から下界を眺めるみたいに、たった一つの正しい視点から見られるものではなく、そこに生きている人間同士が話しあったり、争いあったりしている、現実そのものをドストエフスキーは描いたと言えるのかもしれません。
最初に読むのに適した作品は、ぼくは「罪と罰」を読んだのですが、ドストエフスキーの小説はどれもけっこう長いので、気軽に読めるということなら、「貧しき人びと」や「地下室の手記」あたりがいいんじゃないかと思います。もうちょっと長くてもいいよ、というなら、「死の家の記録」をおすすめします。でも、とりあえず本屋で立ち読みしてみて、気に入ったのから読んでみるのが一番いいと思います。
お探しのQ&Aが見つからない時は、教えて!gooで質問しましょう!
似たような質問が見つかりました
- その他(人文学) 慣れの問題? 7 2023/07/28 09:36
- その他(教育・科学・学問) 私は、〜賞ほど愚劣なモノはない, と思っています。そう思いませんか? ノーベル平和賞→アメリカ目線 9 2022/12/24 18:00
- 文学・小説 世界で最もよく読まれている名作本って何でしょうか? セルバンテスのドン・キホーテやドストエフスキーの 2 2023/05/06 11:29
- 文学 ロシア文学専攻集まれ! 2 2022/04/16 23:44
- その他(読書) 皆さんにとって、『神書とまで言えるような良書』は何ですか? 逆にもし『悪書』もあれば教えて下さい。 2 2023/08/04 12:27
- その他(読書) 100回でもそれ以上の回数でも読み返す価値有りな本があればどんどん教えて下さいませんか? 4 2023/05/17 06:57
- 文学 『アンクルトムの小屋』『風と共に去りぬ』からは何が学べますか? 7 2022/09/21 16:32
- 文学 ドストエフスキーやトルストイに匹敵するような文学が、なぜロシア以外の国では生まれなかった? 2 2022/12/02 09:43
- 文学 シェイクスピアの文学作品(原文)を読んで作者の意図などを理解していく上で、英語学力や読解力はどれくら 1 2023/07/09 18:09
- 文学 純文学って何なんですか? 単にストーリーが破綻していて読み物としてつまらないものに権威付けするための 3 2023/07/06 13:23
おすすめ情報
デイリーランキングこのカテゴリの人気デイリーQ&Aランキング
-
小説に出てくる学校名やコンク...
-
小説「塩狩峠」の事故の状況を...
-
うっとりするくらい美しい言葉...
-
「章」の名前について知りたい...
-
文学部って存在する意味ないで...
-
妖艶で魅力的な女性が描かれて...
-
詩的な文章を書くコツがあれば...
-
小説などからテーマを読み取る...
-
反自然主義とは
-
永井荷風の『花火』について
-
丸い豆腐と花魁の。。。
-
華族を描いた小説
-
掌編集とはどういう意味ですか?
-
「野火」で、何故、主人公は最...
-
移民の人生を書いた実話の移民...
-
主人公の名前が”眞人”という小説
-
芥川龍之介と恋愛小説
-
主人公の身内が犯罪者の小説で...
-
文学部の創作コース
-
二葉亭四迷『浮雲』について
マンスリーランキングこのカテゴリの人気マンスリーQ&Aランキング
おすすめ情報