日本核開発の能力については、再三議論されていますが、桁違いに大きい水爆の開発能力ついてはほとんど聞いたことがありません。
色々調べたのですが、‘核兵器‘に関しては、製造方法等ほぼ公開状態のようですが、水爆の設計、製造法になるととたんに口が重くなるといった印象を受けました。
疑問は2点で、
1、日本に水爆の開発能力はあるか?
2、水爆の現代における意義。
以前質問した際、爆弾の破壊力(エネルギー)は距離の3乗に逆比例して減衰する。
従って、1個の巨大爆弾よりも、MIRVの様な方式が主流と聞きました。
では、水爆は無意味な兵器なのか?という疑問です。
また、1については、出来るだけ詳細に教えていただけると嬉しいです。
質問カテゴリここで良いのかちょっと疑問はあるのですが、よろしくお願いいたします。
No.5ベストアンサー
- 回答日時:
ウランやプルトニュウムのように、臨界量に達すると自然に核分裂が始まってしまう核物質を爆弾にするのは理論上は極めて簡単で、極端に言えば起爆装置がなくとも、自爆覚悟の人間が一人居れば爆弾が出来てしまいます。
それに対して、水爆は技術的に極めて難しく、核実験を繰り返さないと爆弾製造の技術が手に入らないのです。
最近まで、フランス・中国が多くの核実験を繰り返していたのもこのためです。(水爆保有国は、米・露・英・中・仏)
1.の日本の水爆開発能力については、1950年代のアメリカに出来たことですから、多数の実験を繰り返すことができれば当然開発出来ます。
結局この問題は、多数の核実験を繰り返しつつ、国際社会の中で立場を悪化させない政治力が日本にあるかという問題になります。
個人的見解ですが、政治・外交力が三流といわれる日本が核実験を繰り返せば、国際社会の中で日本の国益を守ることは出来ないでしょう。
2.については見解が大きく分かれると思われます。
水爆保有国は、国際的に見て政治力のある国がそろっていますが、水爆を持っているから政治力があるのか、元々国力があって政治力もあるから、水爆を保有することが可能なだけの核実験を繰り返すような、国際社会の中での無理を通すことが出来たのか。
この点をどう見るかで、意義の捉え方も大きく違ってきます。
ご意見有難う御座います。
大変参考になりました。
ほぼご指摘の通りだと思います。
1については、cold labo での実験が出来ないのが最大のネックだと思います。
ただ、一つだけ詳しく知りたかったのに、以前毎日新聞がスクープした記事の件があります。
ソ連崩壊の際、アメリカと一緒に核兵器や原潜の解体に行き、その際リバースエンジニアリングを行ったという内容です。
核については、実際に設計図を制作し、米ソの専門家にチェックを依頼したが、特に問題点は指摘されなかったと言われています。
この時の爆弾が、プルトニウム型だったのか、水爆だったのか、どなたかもう少し詳しい内容をご存知ないかな?というのが、今回質問させていただいた理由の一つです。
実験が不可能であれば、作れる人間に作ってもらうか(ロシアの科学者を雇う)、技術を盗むか、どちらかしかありませんから。
一部に、中性子爆弾の製造技術を保有しているとの話もあり、興味を持って質問させていただいた次第です。
2についても、全く同感です。
一流国になるために核の保有をという意見がありますが、逆に核の保有を出来る様になれば一流国というのも真実ですよね。
参考になりました、有難う御座いました。
No.7
- 回答日時:
日本では、非核3原則や原子力船むつの失敗により
核の兵器としての開発は事実上、止まってしまいました。
弾道ミサイルに転用できるH2ロケットの開発も
お世辞にも順調とは言えず、核の技術への挑戦とも呼べる
高速増殖炉も実用化には、程遠いという現実があります。
水爆について言えば起爆剤に原爆を使用しない
放射能を大幅に減らせる、きれいな水爆の技術が論理的には
出来上がってきています。これを、うまく使えれば
原子力潜水艦や発電等に利用でき、うまくすれば兵器として・・・
と考えられなくもないのですが、現在の技術レベルでは
兵器として作ることも、不可能だと思います。
周りが敵だらけで唯一の被爆国である日本では、
持つ事による非難を世界中から
あびる事を覚悟しなければなりません。
アメリカの様になんでもかんでも戦争で
ケリがつくほど世界は単純ではありません。
参考URL:http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B0%B4%E7%B4%A0% …
以前聞いたことがありますが、純粋水爆には興味があります。
日本が保有するとすれば、ある意味最適な核かもしれませんね。
核融合技術は、世界のトップを走っていますから。
>H2ロケットの開発もお世辞にも順調とは言えず、核の技術への挑戦とも呼べる高速増殖炉も実用化には、程遠いという現実があります。
むつに関しては、非常に残念な思いがあります。
ただ、H2Aは順調に飛ばしまくっている様ですし、けちのついた もんじゅは事実上飛ばして、既に次段階の増殖炉建設と、請負企業も決定した様です。
>持つ事による非難を世界中から
この論点は良く出されるので、以前から気になっています。
最重要な問題は、日本にとって核が必要かどうかではないでしょうか?
批判の有無はその次の問題のはず。
核が必要か?と問われれば、必要であるとしか答えようはないと思います。
核の傘が機能しないことは、ワシントンでは常識、と言うより、本気で信じる方が異常ですから。
また、日米安保が破棄される様なギリギリの状態になってからという意見も良く聞きますが、これもまた噴飯ものです。
そこまで日米関係が悪化した状態で、日本が核開発を始めたら、アメリカは遠慮なく空爆でもなんでもやるでしょう。
それこそ破滅です。
アメリカとの関係がまあ良好で、世界において大きな力を有している現在を除いて、保有のチャンスは無いと思います。
また、核保有の負担を子孫に残してはならないとも思います。
No.6
- 回答日時:
1について言えば、ベースとなる技術力があるので、時間をかければ開発は可能ではないかと思います。
ここで「時間をかければ」と言ったのは、いわゆる「ノウハウ」が全くない状態なので、これを得るところから始めなければいけないためです。たとえば、「車の構造」について知っていても、実際に作るに当たってはさまざまなノウハウが必要になります。おそらく一朝一夕にはできないでしょう。
No.5さんが「多数の実験を繰り返すことができれば」と言っているのも同じような意味ですね。
2. について言えば、爆弾だけあっても運搬技術がないとどうしようもないわけで、爆弾(弾頭)を搭載する飛行機なりミサイルなりが必要になります。
この時、飛んでいって爆弾を落とすだけではだめで、ある程度精度を高めないと効果がありません。精度を高めれば弾頭は小さくても十分目的を達しますから、結局、重たい水爆を作るよりは軽い原爆を正確に目標に当てる技術を高める方が効率がよいということになります。(広島や長崎に投下された原爆は15kt~22ktという、現代では「戦術核」に分類される規模の比較的「小さな」爆弾ですが、それでも街が一つ壊滅しています)
従って、水爆を保持する意義はあまりないと言うことがいえるでしょう。
RES有難う御座います。
1については、同意権です。
2についてですが、軍事的視点からは全くおっしゃる通りだと思います。
ただ、心理的恫喝と言う点で、やはり巨大な破壊力を持つ爆弾の存在意義はあるのかな?と。
もっとも、ご指摘の様に、
「水爆と、原爆、実験の映像見て怖さが違う?破壊力の大きさ解る?」
と聞かれると、答えようが.......。
うーん、難しいですね。
ただ、いつも思うんですが、
>爆弾だけあっても運搬技術がないとどうしようもないわけで、
逆に、運搬技術だけ先に作れば良いじゃないかと.....。
核抜きの原潜と、核抜きのミサイル。
先制攻撃論は、戦闘機による攻撃を念頭に置いている様ですが、
ミサイルは無人の戦闘兵器です。
MDの神業に比べれば、静止しているミサイルにミサイルを当てることなんて簡単な様に思います。
ミサイルなら、パイロットが犠牲になることもないし、人名重視、ハイテクの日本には最適の兵器だと思うんですが。
憲法のしがらみから早く抜け出して、とりあえず保有出来る物からどんどん既成事実を作っていって欲しいと思います。
No.4
- 回答日時:
日本の技術力を過大評価している人が多いですね。
「簡単」とまでいうのは恐れ入ります。
たとえばジェット戦闘機を日本はつくれますか?
機体は可能でしょうが、エンジンはいまだにつくれません。
翼はハウメット、ローターはGE、RR、P&Wから
買ってきている状態です。
トリチウムを製造する特殊な原子炉をつくる必要があります。
そんな技術はありません。ゼロから出発することになります。
有人衛星の打ち上げで中国に先を超された国、それが日本です。
軍事技術は避けてとおってきた国です。軍事に特化した研究所や
企業を立ち上げることからはじめることになります。
RES有難う御座います。
>たとえばジェット戦闘機を日本はつくれますか?
ご指摘の様に、軍事関連技術に関しては、まだまだ弱いのが実態の様です。
最大の理由は、アメリカが日本の軍事技術の独自保有を非常に恐れているためで、FSX(F-2)事件なんかはその典型例だと思います。
ただ、自衛隊(国)としては、独自開発への拘りが強く、アメリカの目を盗んであれこれやってはいる様です。
>有人衛星の打ち上げで中国に先を超された国
これは良く言われることですが、勘違いされています。
中国の宇宙技術は軍事関連技術として力を入れていたため、もともとレベルが高かったはずです。
糸川先生が大学で細々と研究したりしていた日本とは力の入れ方が違い(現在でも先進国としてのたしなみ程度に考えている政治家、多いですよね)、無人の人工衛星で中国に先んじれた事の方がむしろ奇跡だった様に思います。
当時の詳細な記録を調べると、確か数日の差で先んじれただけで、打ち上げ当日の天候がもう少し悪かったら、確実に先を越されていた様です。
まあ、むしろその方が目が覚めて良かったのかもしれませんね。
>軍事に特化した研究所や企業を立ち上げることからはじめることになります。
最近、経団連会長の御手洗氏が次の様な発言をされています。
「アメリカと日本の最大の違いは、軍事と宇宙開発だ。
アメリカは、この2つに国家が巨額の費用を投資し、その技術が民間に流れて来る。
日本も、国がこの2つを立ち上げなければ、アメリカに勝てない」
これは、彼自身だけの考えでなく、財界の考えだと思います。
当然、政界に大きな影響力を持ちますので、今後どうなっていくのかを楽しみにしている次第です。
No.3
- 回答日時:
水爆の開発方法?
そんなこと、ちょっと調べればすぐにわかりますよ。
原理は簡単で、重水素を核融合させればよいのですが、重水素を瞬時に核融合させるには莫大なエネルギーが必要で、それを出すことが出来るのは、現段階ではウラン・プルトニウムを使用した核分裂式の核爆弾しかないようです。
具体的には、爆発させる重水素・三重水素の周囲を十数個の原爆で囲み、その原爆を同時に点火させるのです。
もっとも、この同時に原爆を爆発させる技術が難しいらしく、現在この技術をもっているのは、アメリカとロシアだけのようです。
つまり、
・原爆を開発可能なこと
・原爆を同時に点火させる高度な科学技術をもっていること
・国内・国際世論を押し切るだけの力があること
があれば、水爆を開発することは可能です。
日本の場合、今のところどれも持っていませんので、すぐには開発することはできませんが、政治的問題がクリアされて原爆が開発可能になれば、水爆をもつことは時間の問題でしょう。
ちなみに水爆の現代における意義は、破壊力の大きい原爆だということです。
そもそも、原爆自体が使うことよりも持つことに意義がある兵器であるため、核開発競争が盛んだったアメリカと旧ソ連を除き、自らの意思でもつ必要性を感じている国は、他にないようです。
RES有難う御座います。
今回質問させていただいた一つのきっかけは、
http://www.amazon.co.jp/%E3%83%89%E3%82%AD%E3%83 …
を読んだことです。
アメリカの水爆開発、特に実際に開発に着手するまでの論争を詳しくまとめた本ですが、当時の科学者達が当初途方にくれた様でしたので、日本が開発するとしたらどうなのかな?と思い、質問させていただいたしだいです。
>水爆をもつことは時間の問題でしょう。
ご指摘の様に、実際作ってみたら意外と簡単だったというのも本当のところの様ですね(このあたり、技術開発の面白く難しい点だと思います)。
1950年にトルーマンが開発を決定してから(当時はスーパー爆弾と呼ばれた様です)2年後、3回の実験で完成しています。
ソ連は、事前にアメリカの情報を仕入れていたため、2回の実験で完成させた様です。
まあ、原理は非常に簡単なので、やってみたら意外に優しかったというところでしょうか?
ただ、cold iabo では流石に無理で、実際に実験しなければならない点が最大のネックでしょうね。
No.2
- 回答日時:
IAEAの査察監視が最も厳しい日本で、核爆弾開発は困難でしょう。
又大学での原子力講座も昨今では激減し、原子力発電への技術者供給も非常に困難と言われ始めています。しかし熱核爆弾の原理は秘密でもなんでもなく、IAEAの査察問題が解決すれば4~5年程で4~5.000億円の資金投入で開発可能と昨年報道されました。現在日本政府の言う核とは当然熱核爆弾でしょう。重水素は、プルトニュウムのような査察な無いと思います。日本が力を入れているMD開発装備は、核保有国への核を持たないとのメッセージでもあります。核装備するとすれば、当然敵ミサイルのサイロ攻撃、破壊が必要となります。これにはミサイルの開発と誘導技術が必要です。
現在各国が配備している多弾頭核ミサイルの弾頭は、1~5メガトンの熱核爆弾(水爆)が常識です。山岳地帯での核ミサイルのサイロは数百メートルの深度も珍しくありません。平地の移動式サイロを含め、ミサイルのサイロを破壊する為にはピンポイントで大エネルギーが必要な為、熱核爆弾が常識なのです。メガトン級で数十メートルの誤差でなければ破壊できないようです。
平地の都市や軍事施設を攻撃する場合は、質問者の言うように大型の熱核爆弾を使用するより、小型の熱核爆弾を広範囲に散布するのが効果的であるのは言うまでもありません。またプルトニュウムやウランの核爆弾を少し大型にするだけでその威力が、百倍以上になるのであれば、どの国も水爆を保有するでしょう。
大国間での戦争で、核は殆ど使用されることは無いと言うのは現代では常識となっています。怖いのは北、パキスタン、インド、イスラエル、イランと言ったところでしょう。
有難う御座いました。
>現在各国が配備している......
以下の部分、特に参考になりました。
確かに、大国が保有している核は冷戦の産物で、核に対する報復兵器であると同時に、先制攻撃による抑止力という本質があったんですよね。
どうも、北朝鮮やイランのイメージが強くなってしまい、この点を完全に失念していました。
>メガトン級で数十メートルの誤差でなければ
アメリカのミサイルとソ連のミサイルは精度が一桁違い、この点で既に勝負あったという話も聞いたのですが、意味がピンと来ませんでした。
長い間すっきりしなかった疑問が氷解しました。
どうも有難う御座いました。
No.1
- 回答日時:
原子力発電所技術等かなりの原子力の技術が日本には有りますので原理上は水爆の開発は十分可能でしょう。
俗に言う水爆とは原爆の爆発力を使って、核融合を行うものですから。ただ、実際に原爆は核融合反応の起爆剤としての働きをしているにすぎません。純粋な水爆(原子力を使わず、核融合反応を起こす)は未だ、全世界でも開発できていない(ことになっているかもしれませんが)です。
ただ、日本で実際に水爆を作るとなると、プラント等の準備段階でアウトでしょうけど。
水爆は現代的には、政治的脅迫といった意味のほうが強いと思います。失敗すると自国は自爆同然となる可能性が高いわけですし。兵器的なダメージや自国のリスクを考えると、MIRV等のほうが臨機応変に対処でき、よりリスクの小さいので主流になるのでしょう。
この回答への補足
RES有難う御座います。もしかして、以前RESして下さった方ですか?
私は、核に興味を持って色々調べていますが、調べれば調べるほど、この分野に都市伝説が多く、専門家が平気で間違った事を口にしているのが解ってきました。
例えば、日本にあるプルトニウムは兵器級でないため、実用的な兵器としての原爆には使用出来ないという話があります。
反対論者がしばしば反対の根拠に挙げる理由です。
最近、アメリカの核専門家が書いた論文を読む機会があり、これが全くのデタラメであることを知りました。
詳しい方法は(勿論)書いてありませんが、残留した中性子の処理は可能で、米ソレベルの各技術を持った国であれば、兵器級プルトニウムを使用したものと全く同レベルの核兵器が作れるそうです。
‘残留中性子の処理は大して難しい問題ではない‘そうです。
その上で、日本の核技術(および周辺技術)を詳しく検討し、‘米ソと同等の核技術を保有しており、保有しているプルトニウムで兵器の製造は可能‘との結論に達しています。
私が今回質問させていただいた動機の一つに、
‘中国に対し国土の狭い日本は、核に対して弱い。従って保有は無意味‘
という主張を非常に多く見かけたのがきっかけです。
疑問に思ったのが、それなら、
‘より製造の難しい水爆を作るのは無理、水爆を保有している国に対し、核を持っても抑止力にならないから、保有は無意味‘
という突込みがあっても良いはずなのに、なんでこっちはないんだろう?
ということです。
核に関する議論が非常にステロタイプになっており、都市伝説的な反対理由があたかも常識の様に流されている現状は変えなければならないと思いました。
ご指摘になられていた
>失敗すると自国は自爆同然となる可能性が高い
も何故か無視されている論点です。
実験場の問題は良く聞くのですが、私もむしろ‘どこで作るのか?‘の方が問題だと思っています。
花火を作るのでも、周囲200mだったかな? は無人にしておくわけで、
まして核の花火ですから。
特に核分裂を利用した兵器の場合、‘爆発してしまう‘ものなので、いかに爆発させないか、フェイルセーフの技術、ノウハウが極めて重要になると思います。
核に関しては、保有より、維持、管理の方が大変というのが私の持論ですが、誤爆だけはやめて欲しいですからね。
>自国のリスクを考えると、MIRV等のほうが臨機応変に対処でき、よりリスクの小さいので主流になるのでしょう。
ですから、ここは大変納得出来ました。
確かに、でかい爆弾を一つ作るより、小規模な爆弾を多数作る方がフォールトロレラントですよね。
参考になりました。
有難う御座いました。
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