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生物学初心者です。
動物の神経系と内分泌系とはどのようなものでしょうか?
本を読んでもいまひとつ理解できません。
よろしくお願いいたします。

A 回答 (3件)

こんにちは。


「神経系」と「内分泌系」は、共に身体の「情報伝達機構」です。
我々動物の身体の情報伝達機構には以下のようなものがあります。

「神経伝達」
「内分泌ホルモン伝達」
「免疫情報伝達」
「遺伝情報伝達」

このうち、「免疫情報」といいますのは保存された情報がいざというときに発令されるものであり、「遺伝情報伝達」とは発生や細胞分裂の際に行なわれるものです。ですから、これを比較しますと、残りの「神経伝達」と「内分泌ホルモン伝達」といいますのは、このふたつは共に我々の身体の活動や生理状態を維持するために、身体広域において恒常的に行なわれている情報伝達であるということになります。

この二つは共に情報伝達機構でありますが、その構造や伝達手段によって経路や役割が全く異なりますので、それぞれ「神経系」「内分泌系」として解剖学的にはっきりと分類されます。
まず、神経伝達は「神経細胞」によって行なわれ、「内分泌ホルモン伝達」はその機能を持つ「体細胞」もしくは臓器によって行なわれます。そして、これらの情報伝達は、

「細胞内伝達」と
「細胞間伝達」、あるいは「組織間伝達」

この二つの過程に分けられるのですが、神経系において後者の「細胞間(組織間)伝達」に用いられるものが「神経伝達物質」であり、内分泌系ではそれを「ホルモン」と呼びます。
「細胞内伝達」といいますのは、入力を受けた細胞(組織)に反応が発生し、出力側に伝達される過程を言います。神経細胞では入力によって発生した「神経インパルス(電位信号)」が細胞内を伝わり出力側に伝達されるまでが「細胞内電位伝達」に当たり、これによって神経伝達物質が放出され、別の細胞、あるいは標的組織に信号が受け渡される過程を「細胞間化学伝達」といいます。「内分泌系」では、入力命令によってホルモンが合成、あるいは分泌され、これが体液循環などを介して標的組織に受容されるまでが「組織間伝達」です。

このように、神経系と内分泌系では「組織間伝達」に使われる伝達物質が「神経伝達物質(化学物質)」であるか「ホルモン(タンパク質・化学物質)であるかの違いがあります。これらは目的に応じて様々な化学物質やタンパク質が使われますが、神経・内分泌では標的組織、相手組織の受容体が違いますので、例えば神経伝達物質がホルモン受容体に受容されてしまうなど、この二つの系で間違った情報伝達が成されてしまうということはありません。
では、この「組織間伝達」の経路を整理しますと以下のようになります。

「神経系:感覚神経―中枢神経―運動・自律神経―標的組織」
「内分泌:内分泌器官―標的組織」

神経系ではそれぞれの役割というものが決まっていますので、これに応じて神経伝達路という接続関係が比較的はっきりとしています。これに対しまして、内分泌系では概ね標的組織との関係が一対一であり、最も大きな特徴としましては、神経系のように特定の相手が決まっているのではなく、ホルモンといいますのは体液循環を介して身体広域に無作為に放出されるということです。ただ、無作為と言いしても、受け取る側の標的組織では自分の受け持ちがちゃんと決まっていますので、これで情報命令はきちんと伝わるわけです。

このように、神経系と内分泌系には、それが特定の伝達先であるのか、相手が身体全域であるのかといった特徴の違いがあります。
ですから、これが内分泌系の特徴であるのですが、神経系にも「副腎髄質」から分泌される神経伝達物質によって身体広域の末梢神経系に作用するという伝達様式があります。このような体液循環を介する分泌といいますのは内分泌系の特徴です。ですが、ここで分泌されるのは飽くまで「神経伝達物質」であるため、神経細胞、あるいは神経系でなければ情報は伝わりません。ですから、伝達様式はホルモンとそっくりなのですが、こちらは間違いなく「神経系伝達」ということになります。

最初に申し上げました通り、神経系と内分泌系は体内の情報伝達機構であり、それは身体の恒常性を司るものです。ですから、この二つは構造的にはっきりと分かれてはいるのですが、双方間の情報の受け渡しによって協調が保たれています。
「視床下部」といいますのは全身の自律神経系を束ねる中枢であると共に、「下垂体」などの内分泌器官の働きを司ります。ですから、ここでは神経系で処理された情報が内分泌系に受け渡されているということになります。また、先に述べました「副腎髄質」といいますのは、下垂体からのホルモン分泌によって神経伝達物質の放出を行いますので、こちらは内分泌系からの情報の受け渡しということになります。

このように、神経系と内分泌系は身体の情報伝達機構であり、我々の生体活動はそれぞれの役割と協調によって支えられています。
あと、神経系がどのような構造であり、内分泌器官にはどのような組織や働きがあるのかといったことはちょっと説明しきれませんので、本などで確認してみて下さい。「視床下部」「下垂体」といったものを調べますと、神経系と内分泌系の関係が大雑把に理解できると思います。
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この回答へのお礼

ご丁寧なお返事をありがとうございました!
とても参考になりました。
視床下部と下垂体についても調べてみます。
本当にありがとうございました。

お礼日時:2007/08/07 22:56

神経系も内分泌系もどちらも情報を伝達する手段です。


神経系は一対一対応で情報を伝達していく電話のようなものこれは情報を伝達するのは早いけど、情報を一箇所にしかおくれない。
それに対して、内分泌系は掲示板のようなもので、いろんなところに情報を送ることができるが、その情報が伝わるのはおそい。
こういった特徴があります。
詳細はエッセンシャルという本をよむといいと思います。
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この回答へのお礼

お返事ありがとうございました。
とても参考になりました。
エッセンシャルという本読んでみます!

お礼日時:2007/08/07 22:43

神経を経由して電気信号によって情報を送って末端を制御するのが神経系、何らかの伝達物質を放出してそれを受け取らせることによって末端を制御するのが内分泌系です。



細かく考えると境界があやふやになってくるのですが、初心者ならそんな感じです。理解が進んだらもっと細かく考察しましょう。
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この回答へのお礼

お返事ありがとうございました。
参考になりました。

お礼日時:2007/08/07 22:40

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