この人頭いいなと思ったエピソード

かなり基本的な質問かもしれません。遠心力と向心力は釣り合っていると習ったんですが、なのにどうして自転による遠心力で地球は赤道方向に広がるのですか?釣り合っているならば広がらない気がするんですが。誰か教えてください。

A 回答 (8件)

力学の講義の中で、遠心力に関する混乱によく出会いますので、アドバイスさせて頂きます。



地球が赤道方向に広がるのは、赤道方向の実効的な重力が、極方向の実効重力よりも小さいからだと言えると思います。しかし、このことは赤道上の物体に、外向きの合力が作用していることを意味しません。力というのは運動学的に定義されるものです。加速していなければ力(合力)は必ずゼロです。

赤道方向に位置する物体(地殻の岩石など)は、地球に固定した座標系で見れば、静止しています。ですから、この立場では、物体に作用する力は釣り合ってゼロになっています。どういう力が釣り合っているかというと、先ず、万有引力に基づく重力、そしてお考えの遠心力、さらに岩石の他の部分から及ぼされる抗力(弾性応力の高さ方向の差の意)この3つと言えます。重力、遠心力、抗力それぞれの大きさを F,f,N で表わすと、釣り合いの式は以下になります。

F - f = N ・・・(1)

遠心力は、重力を目減りさせる効果を持ちます(この目減りした重力を「実効的な重力」と呼ぶことにします)。つまり、地球が自分の重力で潰れようとする効果が、赤道付近ではより小さくなるわけです。このとき、赤道部分の物体の実効重力と釣り合うのは、極方向の場合より小さい抗力ということになります。

以上の立場で考えるとき、「向心力」が何を意味するのか不明です。向心力がもし万有引力のことだとして、これが遠心力と釣り合うとすれば、赤道上は無重力状態になってしまい、地表より上のものは安定に留まっていることができず、恐らくは地球の構造自体が不安定になってしまいます。

「向心力」は、本来、地球の外に置いた静止座標系(慣性系)で考えるときに使う概念です。この立場では、赤道上の物体には、重力と抗力の差の力(大きさF-N)が、地球の中心方向に向かって作用しています。したがって、この物体は、地球の中心方向に向かう加速度を常に持ち続けています。この F-N が向心力と呼ぶべきものです。その大きさは、上の立場で考えたときの遠心力の大きさfに等しくなります。(1)式のFとNは、座標系を変えても不変ということです。

「遠心力と向心力が釣り合う」という説明が、慣性系から回転系に座標系を変換したときの、遠心力と向心力が同じ大きであることを述べようとしたものなら、教育的に大変まずいです。座標系のとり方をごっちゃにした、混乱の元凶であると思います。
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この回答へのお礼

 自転による遠心力は万有引力に比べてわずかであるということは知っていたので、この二つがつりあうということが良くわからなかったんですが、抗力を使ったわかりやすい説明でだんだん理解してきました。申し訳ありませんが新たに疑問が出てしまいました。
 極では万有引力と抗力が等しいということでしょうか?そうすると赤道の万有引力と抗力は自転していなければつりあっていないということでしょうか?遠心力についてまだあまり理解していないのですが、仮想の力というのもよくわかりません。自転が止まったら赤道地方は中心方向にへっこむのですか?教えて下さい。

お礼日時:2002/10/01 14:44

新たな疑問、多いですね(^^;)



>極では万有引力と抗力が等しいということでしょうか?
 万有引力が下向きの力であるとすると、抗力(=抵抗力、と考えたらわかりやすい??)は上向きの力になりますよね。
もし抗力のほうが小さかったら、物体は地面にめりこんでいきます。
スポンジの上に物を乗せるとつぶれますよね?これは、スポンジが引力に抵抗できないためです。

ちょっと順番を変えて、
>遠心力についてまだあまり理解していないのですが、仮想の力というのもよくわかりません。
 まず、物体が円運動するには向心力が必要である、ということはわかりますよね。ここで、物体の立場で考えると、自分には中心に向かって力が働いているにもかかわらず、中心に近づいていくことはありません。「近づかない」ために、外側に向かう力(=遠心力)を仮定することになります。

もう一つ先に。
>自転が止まったら赤道地方は中心方向にへっこむのですか?
自転している状態と比較すればへっこみますが、極半径より赤道半径の方が短くなることはありません(公転していれば赤道半径のほうが大きくなります。この点についてはまた考えてみてください)。

>そうすると赤道の万有引力と抗力は自転していなければつりあっていないということでしょうか?
 極以外にある物体は円運動をしています。ご存知のように、地上では引力が円運動に必要な向心力より大きくなっています。〔万有引力-向心力〕と抗力がつりあわなければ、またまた地面にめりこんでいきます。自転が止まるor遅くなると、遠心力(=向心力)が無くなるor小さくなります。すると、地面にめりこまないためには抗力が大きくならなければいけません。
 抗力は、自発的に発生する力ではなく、外力に対する反作用であることを忘れないで下さい。
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この回答へのお礼

よくわかりました。もっと勉強します。ありがとうございます。

お礼日時:2002/09/20 11:45

hagiwara_mです。



>極では万有引力と抗力が等しいということでしょうか?

極に置かれた物体が受ける万有引力(重力)と、床からの抗力は釣り合います。抗力の大きさは、決まっているのではなく、物体と床が接触し変形するほどに大きくなっていき、実効的な重力と釣り合うところで安定になるということです。このような変形は、地球自身の重力のために地球全体で起こっています。

>赤道の万有引力と抗力は自転していなければ、、、

上のような訳で、抗力は、実効的な重力(引力-遠心力の大きさ)と釣り合うところまで自動的に大きくなります。自転していなければ遠心力ゼロなので極の場合と同じ抗力で、自転していれば極のときより小さな抗力で釣り合いが成立します。

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遠心力は、慣性力と呼ばれる力の一種ですが、その認識の仕方は2通りあります。一つは、座標系が慣性系でないために表現上付け加わる加速度を、力の項に移行して考えるというもの。もう一つは、物体に慣性があるために生じる、加速度運動を強制させる束縛要素に対する反作用と捉える見方です。

通常、前者の立場で説明されますが、No.1の方が上げられた例のようなケースで、ハンマー投げの鎖の張力は見かけのものなのか??という疑問を起こす欠点もあります。後者の立場は、慣性系の話ですので、遠心力と向心力が釣り合うという表現も実は可能になります。-ややこしければここは読みとばして下さい!

しかし、地球に固定した座標系などで考えるときには、向心力という概念はないと思って下さい。もちろん「遠心力=向心力」などという関係は存在しません。引力なら引力、張力なら張力、弾性力なら弾性力と、ちゃんと区別して考えれば何の矛盾も出てきません。
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この回答へのお礼

何度もありがとうございました。大変勉強になりました。

お礼日時:2002/09/20 11:43

今の扁平な形も、万有引力と遠心力とがバランスを取った状態。

自転の早さが早くなれば、さらに扁平な形となるでしょうし、自転の速さが遅くなれば球形に近くなる。
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> ”必ずしも釣り合わない”ということで


> 赤道方向に膨らむのですか

『釣り合っている』ことを前提とするから、膨らむのがおかしいと感じるわけですが、先述の通り、遠心力は(円運動をしていないと仮定して)現状を説明するための仮想の力です(つまり、先に遠心力があって結果として膨らむわけではない)ので、逆に、『膨らんだのだから、釣り合っていなかったのだ』と考えるべきだと思います
理科の教科書などでも、『釣り合っている』とされるのは、円運動の中心と物体の重心との距離が変化しない場合だけでしょう?
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この回答へのお礼

こんなに早くありがとうございました。

お礼日時:2002/09/18 19:16

遠心力というのは、自分が円運動していないと仮定したときに、向心力が加わっているにも拘らず、自分がそれに見合った加速をしていないことを説明するための仮想の力です


従って、自分が(円運動をしていないという仮定の下で)、向心力の線上で運動していない、あるいは、等速運動している、という場合は釣り合いますが、加速度運動をしている場合は、必ずしも釣り合わないと思います
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この回答へのお礼

頭が悪くてすみません。”必ずしも釣り合わない”ということで赤道方向に膨らむのですか?どういうことですか。

お礼日時:2002/09/18 18:45

「自転に遠心力と、地球の引力とのバランスがとれている」と言うのが、遠心力と向心力とのバランスの正体では?遠心力は、赤道方向に強く働いているので、広がった状態でバランスが取れている。

極軸方向では、遠心力がないので広がってこない状態でバランスが取れている。
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この回答へのお礼

ありがとうございます。釣り合うまでは広がっていくということですね。

お礼日時:2002/09/18 18:48

ばね(スプリング)で吊り下げた鉄の玉を振り回すことを考えます。


段々早くまわすと、遠心力が大きくなり、バネが伸びて釣り合います。
バネの力が向心力ですね。
伸び縮みがない場合とずいぶん違いますね。

地球も中はマグマで溶けています。岩石も多少は伸び縮みします。
それと地球が最初から真の球形だったわけでもありません。
自転しながら固まっていったわけですね。

地球の場合、向心力は重力ですが上で述べた条件がからんで、遠心力の一番
大きい赤道が膨らむのだと思います
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この回答へのお礼

ありがとうございます。自転しなかったら、重力でつぶれるということですか?すみませんが教えてください。

お礼日時:2002/09/18 18:50

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