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 pn接合ダイオードに比べショットキー・ダイオードはスイッチング速度がなぜ大きいのでしょうか? 多数キャリアがドリフトで急速に引き抜かれることから考えると、どのように答えられるのでしょうか?
 上記とは別に、CMOS回路では、なぜ消費電力が小さいのでしょうか?

A 回答 (5件)

追加説明


PNダイオードやPINダイオードでは、少数キャリヤの再結合時間の問題でスイッチングスピードが遅くなります。ショットキーダイオードには再結合問題はありませんので早いのです。この点をもう少し説明しておきます。
PNダイオードの場合は、P側をアノード側、N側をカソード側と呼びます。
アノード側にプラスの電位(ポテンシャルバリヤを越える電位)が印加されますと、PNの接合面のポテンシャルバリア(Siの時は約0.7V)を越えて電流が流れます。これがスイッチイングのON電流になります。ONからOFFに反転させるには、アノードの電位を0に変化させるのですが、非常に早く電位を0にした場合、PNダイオードのカソード側(負荷側になります。)の電位の電圧降下より早くアノード側の電位が下がります。これはPN接合面に逆バイアスを印加したことになり、PN接合面にキャリヤの希薄な層(空ぼう層といいます。)ができます。逆バイアスが大きければ大きいほどこの領域が広がります。P領域からN領域に注入したキャリア(少数キャリヤ)、あるいはN領域からP領域に注入されたキャリヤは(少数キャリヤ)は瞬時的な空ぼう層の広がりの中で行き場を失います。結果的には再結合して消滅するのです。したがって、PNやPINダイオードをスイッチングに使う場合、原理的にスイッチング速度がこの再結合時間で決まるということになります。
一方、ショットキーダイオードというのは金属と半導体の接合を利用した
ダイオードです。金属/半導体間の化学ポテンシャル(0.5前後)を利用していますので、印加電位がポテンシャルバリヤを越えれば電流が注入され、流れ、ON状態になります。
印加電圧を急激に下げて、カソード側の電位がアノード側より高くてもPN接合面のように逆バイアスによる空ぼう層はできませんので、再結合時間はありません。
だから、ショットキーダイオードのスイッチング速度は、半導体内に流入したキャリヤ(外部注入キャリヤですから多数キャリヤです。)をいかに早く外にだすかにかかって来るわけです。半導体内のキャリアがアノード側に引き返してくるのですが、半導体内のキャリヤは材料で決まる固有の郡速度を持っていますのでこの速度と半導体の物理的な長さ、形状で抜き取り時間が
きまります。この抜き取り時間(ドリフト時間)でスイッチングス速度が決まります。
#4で書いたように強制的にマイナスの印加電圧をかけてドリフト時間を
短くするという手段も使われています。
ということで、よろしいでしょうか?
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この回答へのお礼

ありがとうございました。また、何かありましたらおねがいします。

お礼日時:2002/10/17 11:00

「多数キャリアがドリフトで急速に引き抜かれる」という表現は、


(1)プラス電位がショットキーダイオードのアノードに印加されると金属面から半導体面に多数キャリアがの順方向に大量に注入され導通状態になります。
(2)プラス電位がゼロあるいはマイナス電位に変化すると、注入されたキャリアはカソード側の電位が高いのでアノード側がら流出します。(このときがドリフト状態で急速に引き抜かれるという状態です。)
回路的にはスピードアップコンデンサーというのを接続して、アノード側を
強制的にマイナス電位に振り、多数キャリアの排出を促進する場合もあります。多少のテクニックは必要なのです。
コメントまで
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#2の修正です。


一方、「ショットキー・ダイオードは金属と半導体の接触面でできており、
多数キャリアが関与するので、スイッチング速度は速い。
しかし、同時に多量の多数キャリアが注入されるので、電圧降下とON抵抗が
大きくなる。」が正しい表現です。PNとかPINダイオードは少数キャリヤが
伝導を決めますので、抵抗や電圧降下は小さいが、少数キャリヤの消滅に
時間が必要なのでスイッチング速度が遅くなります。
以上 追伸まで
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「pn接合ダイオードに比べショットキー・ダイオードはスイッチング速度がなぜ大きいのでしょうか? 多数キャリアがドリフトで急速に引き抜かれることから考えると、どのように答えられるのでしょうか? 」


スイッチングの速さは、多数キャリアではなく少数キャリヤの消滅時間に関係します。PNダイオードはPN型半導体の接合面(製造上これは固体内部にあります。)に少数キャリヤが注入されることで接合面の電位を下げ、電流が流れます。PN接合面は固体内部で接触面の垂直方向に広がりがあります。壁のようにはなっていません。そこで少数キャリヤの消滅時間が少し長くなる傾向があります。
一方、ショットキー・ダイオードは金属と半導体の接触面でできており、
接触面の広がりがPN接合型より小さい。
そこで、ショットキー・ダイオードのほうがスイッチング速度は早めになるのです。
CMOS回路では、なぜ消費電力が小さいのでしょうか?
#1さんで答えはでていますが。補足まで
CMOSは、Complementary Metal Oxide Semiconductor の略称です。
相補型MOSですね。
相補型というのは、2つのスイッチを直列につないでどちらか一方をONにすると他をOFFにするというやり方です。
MOS トランジスターやFETは酸化物皮膜を通じてゲート電圧をかけます。だからトランジスターのようにゲートから電流が流れこみません。
それから、相補型スイッチングをすることで、定常的な電流もありません。
ということで消費電力が小さいのです。
以上 補足まで

この回答への補足

「少数キャリアは、再合成で消滅していくが、多数キャリアがドリフトで急速に引き抜かれる」と言う言葉を引用すれば、どう説明することが出来ますか?よろしくお願いします。

補足日時:2002/10/14 14:43
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>CMOS回路では、なぜ消費電力が小さいのでしょうか?



CMOS回路の消費電力が小さいのは、PNP/NPNトランジスタのプッシュプル(push-pull)構成からなっているからです。
CMOS回路ではオン/オフ時に出力側のキャパシタンスを充放電するときにのみ電流が流れて電力を消費します。
しかし、オン/オフが無い状態では、電流はまったく流れません(漏れ電流を無視する)。

一方、プッシュプル構成でない回路の場合、オン/オフ時の出力側のキャパシタンスの充放電に加えて、
オン/オフが無い状態でも状態を維持するために電流を流す必要がありますので電力を消費します。

したがって、オン/オフ動作が少ない場合、CMOS回路はプッシュプル構成でない他の回路に
くらべて消費電量は小さくなります。一方、オン/オフ動作が激しい場合、CMOS回路といえども
プッシュプル構成でない他の回路と同等の消費電力になります。
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