No.3ベストアンサー
- 回答日時:
1)荷電原子への溶媒和のしにくさ
炭素に水酸基やアミノ基が結合した場合、炭素だけでなく、酸素や窒素に結合した
水素も正電荷を帯びることができます。
一方、ハロゲンは炭素と結合するだけなので、正電荷はまず炭素に乗ります。
溶媒和を起こす場合、溶媒分子の正電荷部分が溶質の負電荷部分(窒素・酸素・
ハロゲン)と結合すると同時に、溶媒分子の負電荷部分が溶質の正電荷部分と
結合する必要があります。
このとき、水酸基やアミノ基であれば、分子の外側に向けて伸びているので溶媒
分子は容易に接近できますが、ハロゲンの場合は、ハロゲン自体は分子の外側に
向いている一方、正電荷を帯びた炭素は水素やアルキル基などに囲まれているため、
溶媒分子は接近しにくい状態です。
静電引力は距離の二乗に反比例することから考えれば、この「(ハロゲンの対になる
正電荷部分の)溶媒和のしにくさ」が、疎水性の一因と推測されます。
2)分子内での双極子の相殺
ジクロロメタンなど、1つの炭素にハロゲンが結合した場合は、「炭素-ハロゲン」の
位置関係は、その結合角で固定されて変化のしようがないので、双極子モーメントの
合力は残ります。
一方、1,2-ジフルオロエタンのように隣接炭素にハロゲンが結合した場合は、「炭素-
炭素」の単結合が自由回転できます。
電気陰性度の高い原子上には、その吸電子力によって負電荷が生じていますので、
分子内では、互いが電気的反発によって最も離れた位置になろうとします。
この結果、それぞれの「フッ素-炭素」の分極によって生じた双極子モーメントは
相殺される形になると考えられます。
これにより、ハロゲンの電気陰性度が高いにもかかわらず、一般的なハロゲン化
炭化水素極性溶媒への溶解性は低いものと思います。
比較的近いため、反発大
←――→
F F
\ /
C―C
反発が少ない位置に配置=双極子モーメントが相殺される方向と重なる
F
\
C―C
\
F
以下のサイトで「パーフルオロアルキル基の特長は、剛直で曲がりにくく」と
あるのも、炭素鎖が屈曲する際に、その内側でフッ素同士が反発するためと
考えられます:
http://www.seimichemical.co.jp/product/fluorine0 …
フッ素系化合物の親和性の低さについては、以前にも回答したことがありますので、
こちらも参考までに:
http://oshiete1.goo.ne.jp/qa1710656.html
No.2
- 回答日時:
#1です、ちょっと追加します、wikiだけど、↓
http://en.wikipedia.org/wiki/Perfluorocarbon
propertiesのところをご覧下さい、
無色透明、水の二倍の密度、溶媒との不溶性、低分子間力による低粘性、低表面張力、低蒸発熱、低屈折率。
No.1
- 回答日時:
直接のお答えは出来ませんのであしからず。
>ハロゲン(F Cl Br)を分子に付加するとより疎水性になると言われていますよね…
これは正しくありません、クロロホルム、ジクロロメタンはメタンより極性がかなり高いです。これはご指摘の通り、C-X結合の双極子のなせるわざです。
>F の場合は電気陰性度が高くその分子をより極性にすると思うのですが…
C-F結合には特殊性があります。特にパーフルオロアルカンは「疎水」「疎油」性があり、水、有機溶媒、フッ素系溶媒の三相での反応が普通に行われるようになっています。その点からもフッ化物は他のハロゲン化物と分けて考えるべきです。
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