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民法第210条で認められているいわゆる「囲繞地通行権」の範囲について教えてください。
袋地の住人が囲繞地を通行できることはわかりますが、それ以外の袋地に係る関係者として通行できる者はいますでしょうか?
袋地に係る関係者とは、例えば、「水道・電気メーターの検針員」、「郵便・新聞等の配達員」、「し尿の汲み取り作業員や浄化槽の清掃点検員」、「ガスや灯油の納入配達員」、「袋地にある建物や各種設備の修繕・点検員」、「袋地住人の友達、親族など」、「袋地住人に関する売掛金や負債金の徴収員」などです。これらの関係者でも通行できる者とできない者があればそれも教えてください。

また、囲繞地の所有者が「袋地の住人の通行は認めるが、あなた達水道事業は水を供給して儲けているのだから、その水道メーター検針員は、通行料を払わなければ通行は認めない。」と水道事業体に請求してきた場合に、袋地の水道検針員に対する囲繞地通行権が認められないとの判断であっても、解決に当たっては、袋地の住人(水道の使用者)が囲繞地の所有者と交渉して解決すべき(通行料が必要と判断された場合でも、その負担は袋地で水道を使用している者の負担)と考えますがいかがでしょうか?

A 回答 (1件)

民法で囲繞地通行権を認めているのは、土地の有効利用という公益のために私権を制限するという趣旨ですから、基本的にその袋地が有効利用できるかどうかという視点で考えるとわかりやすいでしょう。




>袋地の住人が囲繞地を通行できることはわかりますが、それ以外の袋地に係る関係者として通行できる者はいますでしょうか?

まず、袋地を直接利用する人に通行権が生じることは自明ですね。

で、更に通行権者と一定の身分関係にある人もこの通行権を援用できると考えられています。一定の身分関係とは同居人とか家族などですね。中には事情によっては独自に通行権を認めるべき場合があるという考えもあります。

次にご質問にあるような袋地に関わる関係者、郵便や新聞その他の人たちについては、直接的には通行権を持ちませんが、通行権者の権利の反射的効果により通行できると考えられています。つまり通行権者が必要とする通行であれば、その権利保護がそれら関係者に及ぶという考えです。
たとえば、袋地での新築工事のための工事関係者の通行を妨害した場合に、通行権者からの妨害排除請求を認めたものなどがあります(大阪地裁判決S57.8.13)

要するに囲繞地通行権とは、その袋地を有効利用するために公法上認めている物ですから、単に通行権者の通行のみ認めるというものではなく、幅広くその袋地を有効利用するために必要な通行は認めているというわけです。

>解決に当たっては、袋地の住人(水道の使用者)が囲繞地の所有者と交渉して解決すべき(通行料が必要と判断された場合でも、その負担は袋地で水道を使用している者の負担)と考えますがいかがでしょうか?

はい。そういうことです。囲繞地通行権は同時に償金の支払が必要としています(民法第212条)。(分割による生じた第213条が適用となる場合を除く)

ただそもそも、必要な償金とは、通路として使用されることで損害を受ける分の支払に限定されるものであり、利益を得るようなことは出来ませんので、水道の検針のために具体的に損害が拡大するというわけでなければ、新たに追加でとることは出来ないでしょう。

別の言い方をすれば、囲繞地通行権は当然にして生じるもので、それによる土地所有者の損害は償金として支払うけど、その中にそれら関係人の通行もすでに含まれているといえるわけです。
もちろん通行することで特別に損害が生じるような話があれば、それは別途通行権者がその損害を支払わねばなりませんが。

なお、この償金は土地分割により新たに生じた袋地の場合には償金は必要ないと定めているので(第213条)、その場合には上記償金の話は変わります。
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この回答へのお礼

お忙しい中、ご丁寧なご回答どうもありがとうございました。
私が考えていた判断と同じでしたので、自信がつきました。

お礼日時:2008/06/05 14:38

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