古い映画で曖昧な記憶で恐縮ですが、「羊たちの沈黙」ではレクター博士は元々普通の精神科医だったのに、ある精神異常者を診察している内に相手に取り込まれてしまい、猟奇的な犯罪者になってしまった設定になってたと記憶してるのですが。
これって精神医学では実際起こりうる事なのでしょうか?
にわかに信じがたいのですが、いきなり善人から極悪人に豹変するものでしょうか?(もちろん映画の演出ですし、そこまで極端でないにしても)
素人の私の思いとしては只、感化されたとしか思えません。
自分の中の潜在的な狂気、残忍さが引き出されてしまうのでしょうか?
?ばっかりですが、心理学に詳しい方がおられましたら意見をお聞かせ下さい。
No.3ベストアンサー
- 回答日時:
レクターは少年の頃、両親が死に、妹と別荘にひっそりと住んでいたら、そこの兵士たちがやってきた。
食料が無い状態で、兵士たちは肉のスープを作り、レクターにも食べさせた。
その肉のスープには、レクターが溺愛していた妹の肉が使われていた。
レクターはショックで失語症になり、後に紫夫人と共に暮らすようになった。
紫夫人は、日本の骨董を持っており、その中に日本刀や首だけの武士の絵、割腹などの武術品があった。
ある日、紫夫人が男に侮辱を受けたことで、レクターは日本刀で男を切り食べた。
妹を食べたということで、精神的ショックで失語症になったわけですが、抑圧された心が、紫夫人の持つ日本の残酷だが美しい美で目覚めた という設定なのではないか と。
人肉を食べるというのは、同化をしたいからじゃないかと。
日本人がフランスで好きな女性を殺して食べた事件がありましたが、これは愛する相手と同化したくて食べたと分析されています。
憎む相手を食べる場合は、克服、あるいは超越の意味があるのかもしれません。
で、現実 病んだ相手と接触をしているうち、健康な人も病むか ですが、病むと思います。
何故なら、アメリカでの自殺のトップは、精神や心理関係の職業の人だから。
相手の迷走する心と付き合うわけで、方向性を失ってしまうからじゃないかと。
共感というのは、相手はこんな気持ちだろうと、相手の心のありようを探り理解することですが、相手の病んだ心を知ることで、自分の心まで同化してしまうケースもあるから、この分野の人は、自殺率が高いのかもしれないです。
暗い話をずっと聞かされると、ストレスになるし、気持ちが沈む。
相手の負のオーラを浴びるので、どんどん弱ってきてします。
それでも我慢して聞いていると、もっとストレスになり、普段なんとも思わないことで怒ったり、泣いたり、感情の起伏が激しくなる。
離れればいいわけですが、人を救いたいという救済願望が強い人がこの職業につきやすく、「自分が救う」と、病んだ相手を手放さない。
するとさらに毒を浴びる。
どっちが出口かわからなくなる。
相手の感情であり自分のものじゃないと、線をくぎれなくなる。
相手の気持ちと同化してしまうから。
残忍さが他人に感染するか?
殺人者と面会しているうちに、自分も殺したくなるとはならないと思えます。
何故なら、殺せと催眠をかけても、人は殺さないから。
自殺しろと催眠をかけても、自殺しないから。
自己防衛本能が催眠がかかっている状態でも働くので、強いブレーキがかかり、できない。
では、精神科医や精神分析家が自殺しやすいのは?
催眠じゃなく、精神の磨耗と迷走で、とても辛くなるからじゃないかと。
宮崎勤の家を家宅調査したところ、残忍なビデオがいっぱいあったそうです。
残忍なビデオの影響で彼は殺人をおかす人格になったと、規制が設けられたようですが、残忍なビデオの影響を受けて殺人をやったのではなく、彼の本質がそういうのを好んだため、そういうビデオをコレクションしていたのだと思えます。
<脳が殺す>という本を書いた人は、自分も殺人鬼の脳を持っていると言っています。
アクセルもブレーキもかけられるが、アクセルを踏み込むと、ブレーキをかけても前進してしまう。
それが殺人への欲望が高まると、どうにも自分を抑えられなくなる。
だが、自分の欲望が高まると、ブレーキがききずらい脳を作者は持っているが、殺人をおかさない。
どうして同じ脳を持っているのに、片方は殺人を犯し、自分は犯さないのだろう と20年近く殺人者を調べた結果が本にまとめられています。
20年も猟奇殺人をやった人たちと会っているわけです。
でも、同じ殺人鬼の脳を持っていて、多数の殺人者と面会して、話を聞いてきたのに、殺人をしない。
つまり、脳が同じでも影響を受けないってことですね。
返礼が遅れました。
成程、レクター博士の過去にそんな事情があって、それが下地となっていたんですね。
フランスの事件は覚えています。たしか犯人の名は佐田(佐川?)でしたっけ?
じゃあ、実際に殺人者になる可能性は限りなく低くて鬱、若しくは自殺というケースが多いんですね。
精神科医も命がけですね。有難う御座いました。
No.2
- 回答日時:
有名ですが、、
「勇者が魔物を退治しようとするときには、自分も魔物になってしまわないよう注意しなければいけない。我々が深淵を見下ろすとき、深淵もまた我々を見上げているのだ」
という一節があります。
臨床心理学では、カウンセリングを行う際にはカウンセラーは来談者に「共感」することが必須とされています。
文字通りのことなのですが、時に来談者が抑鬱的な感情をさらけ出した際に、カウンセラーまで心的なダメージを
被る場合があります(代理受傷といいます)。
カウンセラーは代理受傷を防ぐため、幾つかのセオリーを持っていますが、完璧ではありません。
映画「羊たちの沈黙」シリーズでは、レクター博士のカニバリズムは幼少期の強烈な体験に基づくものと記憶していますが、
実際に精神科医がうつはもとより、統合失調などに陥るケースはありますが、あくまで一個人として罹患するだけではないでしょうか。
日本では精神科医は診療が短時間(カウンセリングは普通行いません)のため、感化されてという話は耳にしません。
ただ、例えば統合失調の方の描いた絵などを見て貰えれば分かりますが(ウェインズ キャットなど)、私達にも
見入っている内にある種の恐怖を感じることはあります。
これは、統合失調という病気が決して「健常者と無関係の病」ではなく、連続性をもったものという性質であることにあると思います。
健常者が精神病者の発言や作品を気味が悪いと感じるのは、ある種の防衛機制が働いているとも言えそうです。
(真に受けてしまうと、自分もあらゆる疑惑・不安に対応できなくなるため)
どちらにしろ、精神病では正常と異常の境界線は極めて曖昧です。
来談者と接する実時間の多いカウンセラーや、長時間患者と話をする精神科医の場合は、相手の幻想や思考パタンに
飲み込まれる可能性は大きくなると思います。
そこから先は治療者の心構えとスキル、元々精神病的な素因の有無が大きなファクターになるのではないでしょうか。
ご回答有難う御座います。
>「勇者が魔物を退治しようとするときには、自分も魔物になってしまわないよう注意しなければいけない。我々が深淵を見下ろすとき、深淵もまた我々を見上げているのだ」
これは私も聞いた事があります。確かFBI心理分析官養成のテキストに記載されていると記憶してます。意味が深すぎてよく分かりませんが、ミイラ取りがミイラということでしょうか?(違うか?砕け過ぎ?)
専門用語で「代理受傷」と言うんですか・・・初めて知りました。やっぱり心のストッパーが鍵なんですね。(良心とか理性とか・・これも違う?)
ウェインズキャットは存じ上げませんが、先日コンビニで気味の悪い絵画やネット画像・映像その他を特集した雑誌が売られていました。
何気にパラパラと立ち読みしましたが、生理的な嫌悪感を感じると共にどことなく見入ってしまうものがありました。買いませんでしたけど。(今だに脳裏に焼き付いてる物が何点かあります)
これが私の疑問に対するヒントなのかもしれません。(単に怖いもの見たさ・好奇心か?)
>精神病では正常と異常の境界線は極めて曖昧です。
何かで読んだんですが、人を殺すのを何とも思ってない奴が電車待ちの列の順番を守っていたり(割り込まない)、詐欺の常習犯がゴミ出しの曜日を守っていたり・・人間やっぱりどこかで心のバランスを取っているんですね。
ビートたけしが著作の中で「人間誰しも一つや二つ狂った部分を持っている」と言っていました。
No.1
- 回答日時:
映画「羊たちの沈黙」のモデルとなった本が、ロバート・K・レスラー&トム・シャットマン著の「FBI心理分析官」という本です。
この本の中には、分析官が刑務所の囚人にインタビューしていくうちにおかしくなったというくだりがあります。また、あるカウンセラーが鬱病のクライアントと結婚したならば、そのカウンセラーも鬱病になって締まったという話を聞いたことがあります。元々人間が持っている原型が、環境によってその原型が芽生え花咲いて締まったかもしれません。これは、質問者が言う「感化」かもしれません。その他にも、1人の人格の中にいろいろな人格が存在する多重人格というのがあります。ジギルとハイドが有名ですが、そこまで行かなくても一人の中にいろいろな人格が存在します。虐待などで暴力を振るわれているときに、防衛反応として「今折檻を自分ではない。」と考えることによって自己を保全し防衛するのではないかと考えられています。
ご回答有難う御座います。
>元々人間が持っている原型が、環境によってその原型が芽生え花咲いてしまったかもしれません。
これは人間誰しも心に火種の様な物があって、きっかけとなる人物と接触する事で増幅されてしまったという事でしょうか?
多重人格の件は聞いた事があります。多重人格障害者の多くは幼少の頃に虐待を受けてたとか、自活能力の無い子供が身を守る為に別の人格を作り出し、その人格に身代わりにさせるとか。
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