No.1ベストアンサー
- 回答日時:
FETのドライバをプッシュプルにすると高速ドライブができる、という
話ですか? だとすると、高速信号にとってFETのゲートは決して高い
インピーダンスではないので、強力なドライブをするためには低い出力
インピーダンスでドライブしなくてはならないからです。
ご存じと思いますが、エミッタフォロワの出力インピーダンスは低いので
これを利用している訳です。そのほかに、エミッタフォロワはゲインが1
に近いのでバイアス電圧などの設計が楽、ということもあります。
(ちょっとのバイアスのずれが増幅されてしまう心配がない)
FETのゲートはインピーダンスが高いと言われていますが、高周波では
決して高くありません。この理由については過去に幾つかQ&Aがあったと
思います。
この回答への補足
お返事ありがとうございます。
>>FETのドライバを~
そうですなんですが、本でFETを高速動作させるには~という項目で読んでプッシュプルについて学んだのですが、ゲートドライブ電流を計算してみたところ240mA程度となってしまったので、これならエミッタ接地でも良いのでは…?でも高速動作するにはプッシュプル…?と思い質問してしまいました。
>>高速信号にとってFETのゲートは決して高いインピーダンスではないので、強力なドライブをするためには低い出力インピーダンスでドライブしなくてはならないからです。
20KHz程度(高速と言いつつ…)の信号ではどうなんでしょうか?ゲートのインピーダンスは高いということになるのでしょうかでしょうか?もしそうなら、そういったところにエミッタフォロワプッシュプルは邪魔になってしまうのでしょうか??
すみませんがお願いします。
No.7
- 回答日時:
tanceです。
回答No.3の最後にちょこっと書いた帰還容量の影響を補足します。
これは帰還容量なのでミラー効果によりほぼゲイン倍の大きさに
見えます。多くの場合ものすごく大きな値となります。
ミラー効果をよくご存じならこれ以上の説明は不要ですが、そうで
なければ、No.3にも書いたように帰還容量×出力振幅の電荷をゲート
から与える必要がある、と解釈してください。もし出力振幅が小さい
のならこの電荷も小さくなります。帰還容量も電圧によって値が大きく
変わりますので、精密な計算は大変です。
帰還容量に流れる電流はゲートからは湧いてこないので結局入力から
与えるしかない訳です。そして、FETが完全にONするとゲインが0に
近くなるのでミラー効果もなくなってきて、FETの入力容量と帰還容量
の和だけがドライバの負荷となります。
ここまでをまとめて表すのがQgです。FETの電流は大きいが電圧振幅が
小さい場合などは、そのような条件でのQgの値がデータシートに載って
いないことがあるので、その場合はいちいち「容量への充電」として
考えてください。
出力電流が小さい場合では、FETのドライブ電流の方が大きくなって
しまい、何のためのFETか解らなくなることもあります(笑)
もうひとつ注意が必要なのは、ドライブのエミッタフォロワの発振
です。これも良く知られた現象で、いろいろ解説が出ていますが、
ほとんどは負性抵抗が原因なのでプラスになるようなベース抵抗を
入れると良い、と書いてあると思います。
確かにベース抵抗は究極の対策ですが、せっかくのスピードと瞬時の
大電流能力を犠牲にするものです。できればベースに直列のインダク
タンスを極力減らして、無駄な能力ダウンをしないようにして
ください。
お返事ありがとうございます。
設計うんぬんより、ミラー効果など、もっと勉強するべきところが多いようでした。
もっと勉強します。ありがとうございました
No.6
- 回答日時:
ネットには,あてにならない情報が多いんですよ.
これなんか,せっかくトランジスタ・アレイのなかに保護ダイオードが内蔵されているのに,使ってません.
http://noppoland.com/blog/archives/2006/12/td620 …
こうゆう怖い使い方が,伝搬していくんですね.
http://d.hatena.ne.jp/fslasht/20080503
概算は下で紹介した式でやってみてください.
i(rush)=Qg/t
Cissで設計してもほとんどの場合実害が無いのは,アーリー効果を考慮してhFEが充分に大きく,ピーク電流i(rush)を充分に流せるトランジスタを選択することが多いからです.
ドライブ回路の設計は,トラ技に数年に1度パワー・デバイス特集で載ったりしますが,TI(Unitrode)とかIRとかの技術資料に載ってますから,読むことを勧めます.
これにも注意事項が載ってますね.
http://www.semicon.toshiba.co.jp/docget.jsp?dnum …
No.5
- 回答日時:
ドライブ回路の設計にCissを使うのは見たことありませんが,どんな本を見たんでしょうか?
Cissの測定条件はVGS = 0Vとなっていて,MOSFETがオフしたときのパラメータでオンさせるときには無関係です.
メーカーに問い合わせればわかりますが,Cissは同一プロセスではチップサイズだけがわかるとか言ってます.
雑誌でCiss使ってるのも見かけますが,アマチュアの投稿記事ですね.
専門家は,皆Qg使ってドライブ回路の設計をしています.
詳しくは,ここにあります.
http://focus.ti.com/lit/ml/slup169/slup169.pdf
http://focus.ti.com/lit/ml/slup170/slup170.pdf
手元にこれの日本語版(CDROM)がありますが,日本TIに言えばもらえるかも?
なお,VGSをQgの測定条件(下では10V)以上にするときは,特性グラフから求めます.
お返事ありがとうございます。
>>どんな本を見たんでしょうか?
プッシュプルについては本で読んだのですが、後に詳しく調べようとしてネット検索したところゲートドライブ電流というワードが出てきたのでこれを元に検索を進めて…といった感じでたどり着いたのがこの結果です。
ですので実は[どの本]というのは無いですね
http://machidapc.maizuru-ct.ac.jp/sken/siryou/se …
このサイトに辿りついて今現在の状態です。
>>専門家は,皆Qg使ってドライブ回路の設計をしています.
そうだったんですか…調べが足りなかったようです。
No.4
- 回答日時:
ドライブ回路のことだったんですか?
現在の電源制御ICはMOSFET対応なんで,ドライブ電流が足りないときは,最も簡単なエミッタフォロワを使うんですよ.
エミッタ接地の場合,蓄積時間てえのがあって,蓄積時間中に逆側のトランジスタをオンさせると上下の貫通電流が流れトランジスタが飛んでしまいます.
下で紹介したIRの資料では,コンプリメンタリMOSFETのソース接地でドライブしていますが,MOSFETには蓄積時間がないからです.
それを避けるための回路は複雑になります.
これは25年前の資料ですが,当時の電源制御ICはMOSFETに対応していなくて,MOSFETドライバも出ていませんでした.
専用IC以外でドライブするには参考になります.
http://www.onsemi.com/pub_link/Collateral/AN913- …
これのp.9からドライブ回路が載ってます.
p.12,13にドライブ回路の一覧表が載ってますが,Circuit7,8がエミッタ接地です.
問題は上下貫通電流を防止するためのベース・ドライブ回路で,p.14 FIGURE 22がその回路です.
こんな複雑な回路を作るんなら,エミッタフォロワでしょう.
ところで,240mA程度ってどんな計算しました?
概算はここのp.6に
i(rush)=Qg/t
となっていて,tはオンの立ち上がり時間,オフの立ち下がり時間で計算します.
http://www.fujielectric.co.jp/fdt/scd/pdf/SuperF …
Qgは,MOSFETのデータシートから求めます.
これだと,p.2に「ゲート入力電荷量 Qg」は 280nC です.
http://www.semicon.toshiba.co.jp/docs/datasheet/ …
例えば,オンの立ち上がり時間を100nsとすれば,
i(rush)=280nC/100ns=2.8Apk
です.
お返事ありがとうございます。
エミッタ接地面倒くさそうですね、てっきりエミッタフォロワのNPNとPNPの場所を入れ替えるだけかとばかり…
計算の方は
ゲートドライブ電流Iav = (1/tr) ×Ciss × Vg
trとcissはFETのデータシートから、Vgは任意で12Vにしました。計算過程は
Iav = (1/340ns )×6800pF × 12V
= 240[mA]
です。
No.3
- 回答日時:
tanceです。
プッシュプルという回路構成と、エミッタフォロワかエミッタ接地かと
いうことは独立の選択肢です。つまり、エミッタフォロワでもエミッタ
接地でも、プッシュプルにできるし、プッシュプルでない構成も
とれます。
スイッチング周波数が20kHzとのことですが、立ち上がり立ち下がりは
1usec程度でしょうか。繰り返し周波数が問題なのではなく、立ち上がり
下がり時間が問題になります。その時間内にFETのゲート電圧を所定の
値まで充放電しなくてはならないからです。
そして、プッシュプル回路は充電電流と放電電流のどちらも大きな電流
が流せる回路です。プッシュプルの反対語はシングルエンドと言い
ますが、シングルエンドだと充電か放電のどちらかだけが強力な
ドライブとなります。(どちらかは弱いドライブしかできない)
ゲートドライブに240mA必要とのことですが、正確には±240mAという
ことですね。つまりドライバは240mAを流し出すことも流し込むことも
できないとFETのゲート電圧を短時間で上げ下げできない、ということ
です。
これを実現するためにエミッタ接地のプッシュプルを使うことも
できるし、エミッタフォロワのプッシュプルを使うこともできます。
でもプッシュプルでないと充電か放電のどちらかは240mAもとれなくて
遅いスイッチングになってしまい発熱などのトラブルに見舞われる
ことになると思います。
エミッタフォロワならNPNとPNPのトランジスタがふたつだけあれば
まずトラブルなくドライブできますが、エミッタ接地のプッシュプル
回路は相当注意深く設計しないとうまく動かないことがあります。
FETの帰還容量もあるのでFETドレインの電圧振幅×帰還容量分の電荷も
ゲートから与えなくてはなりません。これも考慮に入れてください。
お返事ありがとうございます
立ち上がりは、下がりは1μs程度です。
>>エミッタ接地のプッシュプル回路は相当注意深く設計しないとうまく動かないことがあります。
難しいんですね…なるほどもっと勉強してみます。
No.2
- 回答日時:
どの分野の話かわかりませんが,超高速ロジックICの出力段は,ここの2ページを見るとわかるように,「ソース接地」のプッシュプルです.
http://focus.tij.co.jp/jp/lit/an/scaa035b/scaa03 …
パワー系で言えば,これは「ソース接地」のプッシュプルです.
http://focus.tij.co.jp/jp/lit/ds/symlink/ucc2808 …
http://www.irf.com/technical-info/designtp/dt94- …
「ソース接地」のプッシュプルは上記のようにプッシュとプルをトランスで合成するタイプ以外に,合成しないブリッジ・タイプもあります.
ブリッジ・ドライバをみるとわかるように,すべて「ソース接地」です.
http://www.irf-japan.com/technical-info/appnotes …
「ソース接地」は,ゲート・ドライブ信号がゲート・ソース間に加えられているかどうかでわかります.
「ソース・フォロワ=ドレイン接地」は,ゲート・ドライブ信号が等価的にゲート・ドレイン間に加えられています.
「ソース・フォロワ=ドレイン接地」の使用は,現在ではオーディオ用のリニア・アンプだけでしょう.
http://www.irf.com/technical-info/appnotes/an-94 …
「ソース・フォロワ=ドレイン接地」の使用が少ないわけは,電圧ゲインが1以下のため,ドライブ段に大きな電圧振幅が必要になり,設計が面倒だからです.
例えば,このアンプは出力振幅が±10kVですけど,こんなドライブ段と「ソース・フォロワ=ドレイン接地」のパワー段設計する人いるんでしょうか?
http://www.nfcorp.co.jp/pro/ps/p-amp/hv/hva4321/ …
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