
いつもお世話になっております。
今、円柱に温風が流れている系の円柱の温度変化、円柱通過後の温風の温度変化を勉強しております。
そこで、熱伝達率を求め、移動する熱量からそれぞれの温度変化を求めようと思いました。
参考書で調べると、熱伝達率の求め方として強制対流熱伝達のMcAdamsの実験式を見つけました。
Nu = αd/λ = c(ud/ν)^n*Pr^(1/3)
これによると、熱伝達率は両物体間の算術平均温度における温風の物性と流速、円柱のサイズによって与えられることがわかりました。
ここで、直感的に円柱の熱伝導率等の物性は必要ないのか?と疑問に思いました。
なぜ、円柱の物性は必要ないのか、御教授いただけませんでしょうか。
よろしくお願い申し上げます。

No.1ベストアンサー
- 回答日時:
専門家ではありませんが、一般的な物理的考察からは厳密には物体の熱伝導率に依存するでしょう。
ただし、McAdamsの実験式で、Nu はヌッセルト数であり無次元化されていて、熱伝導率などの物性には依存しない量です。例えば温度が均一な板の強制対流の熱伝達率 h (W/(m^2K))は、h = Nu k/L (k=流体の熱伝導率、L=物体の長さ) です。
しかし、熱移動の拡散型微分方程式の境界値問題を解いてみればわかりますが、平均の熱伝導率は、物体と気体それぞれの熱伝導率をa、bとすれば、 1/(1/a + 1/b)のような形になり、a、bの大きさに著しい違いがあると小さい方が支配的になります。つまり、熱伝達の物理過程を考えれば納得できると思いますが、熱伝導率の小さな方の過程が全体の過程を律速します。
例えばヘリウムや水素など極端に軽い気体を除けば、空気も水蒸気も熱伝導率(W/mK)は概ね 0.02~0.03 程度です(出典 理科年表、以下同じ)。一方金属では銅~400、鋼鉄~17~50、アルミ~240 、グラファイト~80~230、また、石英ガラス~1.4~1.9、磁器~1.5、コンクリート~1、アクリルやポリスチレンなど一般的なプラスチックは 0.1~0.3 程度、などで、10倍程度以上の違いがあると実験式程度の正確さでは物体の熱伝導率の影響は誤差の範囲で無視できます。実験式はおそらくもっとラフかもしれません。
これが断熱材のようなものだと様子が違ってきます。木材で0.14~0.18、グラスウールで 0.04、などですからこのような素材の場合は影響が現れてくるでしょう。
有難うございます。
大変、わかりやすかったです。
熱伝導率の違いから、どちらが支配的かということですね。
平均の熱伝導率の考え方あたり、さらに勉強してみます。
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