「平成」を感じるもの

10年以上前の、液晶テレビがまだ世に出ていないころ、液晶は日本の電気メーカー数社が競って開発し、世界で始めて製品化に成功したとの報道を、テレビその他のメディアで見聞きした記憶があります。
どうせ液晶の基本的概念や特許はアメリカかどこかにあり、日本が世界で最初にその製品化に成功したということでしょうが、いまや日本は中国や韓国の安い液晶に足元を脅かされ、あるいは市場から駆逐されつつあるような印象さえあります。
そこで私の永年の疑問ですが、中国や韓国の製造している液晶は、日本の特許をクリアした、まったく別のものなんでしょうか?
あるいは日本がそれらの国に特許を売り渡し、その技術で彼らは低コストで液晶を製造しているのでしょうか。
だったら、多額の特許料が入ってきて、日本のメーカーも潤うはずですよね。
日本のテレビメーカーが、韓国のサムソンの後塵を拝している現実を見るにつけ、疑問が募ります。
あるいは液晶は日本のメーカーが最初に開発したという当時の報道は、実はオーバーで、中国や韓国を含む世界各国のメーカーが同時期に開発に成功し、特許もなにもあったものではないというのが真実なんでしょうか?
教えてください。

A 回答 (5件)

こんばんは。


一応、その関係の元プロです。

>>>どうせ液晶の基本的概念や特許はアメリカかどこかにあり、日本が世界で最初にその製品化に成功したということでしょうが、

液晶が発見されたのは19世紀ですので、液晶という概念についての特許は現存していません。
液晶ディスプレイのメーカーは、液晶メーカーから液晶を買って液晶ディスプレイを製造しますが、
液晶自体の特許は、液晶メーカーが持っていて、
ある1つの基本特許があるというよりは、非常にたくさんの種類の液晶の特許があります。


>>>
いまや日本は中国や韓国の安い液晶に足元を脅かされ、あるいは市場から駆逐されつつあるような印象さえあります。

10年ぐらい前に、14型の液晶モニターが10万円で買えるようになった頃から、
すでに淘汰が始まっていました。
撤退するところが出始めていました。
国内メーカー同士の競争でです。


>>>
そこで私の永年の疑問ですが、中国や韓国の製造している液晶は、日本の特許をクリアした、まったく別のものなんでしょうか?

大まかに言いますと、
広視野角方式のどう、こう、というのでは違いがありますが、
基本的には同じ技術です。


>>>
あるいは日本がそれらの国に特許を売り渡し、その技術で彼らは低コストで液晶を製造しているのでしょうか。

特許の戦術は、相手に製品をたくさん商売をさせておいてから、交渉談判あるいは訴訟を起こすのが常套手段です。
最初からライセンスを取得させるケースは、珍しいぐらいだと思います。


>>>だったら、多額の特許料が入ってきて、日本のメーカーも潤うはずですよね。

有効な特許を持っている企業の場合は、そういう場合があります。
ただし、1つの重要技術の特許に付き、売上高の1%も取れれば大成功、ぐらいの感じだと思います。


>>>
日本のテレビメーカーが、韓国のサムソンの後塵を拝している現実を見るにつけ、疑問が募ります。

展示会で韓国の技術者と喋ったことがあるんですが、
彼らは非常に優秀で、かつ、機敏です。
今になって思えば、追い越されて不思議はないです。
サムスンはDRAMの技術においても、16MDRAMの時代辺りから世界トップと言って過言ではなかったです。


>>>
あるいは液晶は日本のメーカーが最初に開発したという当時の報道は、実はオーバーで、中国や韓国を含む世界各国のメーカーが同時期に開発に成功し、特許もなにもあったものではないというのが真実なんでしょうか?

カラー液晶を(ノートPCとして)世界で初めて発売したのは、たしかNECだったと思います。
カラー液晶テレビを世界で初めて発売したのは、たしか、シャープだったと思います。
そして、ちょっと横道ですが、セグメント方式の液晶を使った電卓を最初に発売したのもシャープだったと思います。
ですから、報道はオーバーではないと思います。
そして、
実際にメーカーに入って仕事をしてみるとわかることですが、
1件1件の特許というのは、技術として非常に細かいです。
そういう特許を数多く出すというのが、現実なのです。
1件の特許だけでノックアウトを奪うということはないと考えて差し支えないです。


以上、ご参考になりましたら幸いです。
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この回答へのお礼

早速の回答ありがとうございます。
液晶の特許というのは存在しなくて、液晶のディスプレーの特許が存在するということですね。
しかし日本側の技術と中国、韓国の技術が基本的には同じというのに、たいした特許料ももらえないというのには少し引っかかります。
当時は、日本のメーカーが競いながら、大変な努力をして、世界に先駆けて液晶ディスプレーを作り上げたといった報道内容だったように記憶していますので。
いずれにしても、永年の疑問が氷解したような気分です。
ありがとうございました。

お礼日時:2009/02/08 23:25

液晶ディスプレイの歴史については,Tech-On!に詳しいです.


http://techon.nikkeibp.co.jp/article/COLUMN/2008 …
http://techon.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/200809 …
この連載は,誕生から扱っています.
http://techon.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/200808 …

見られないときは,ログイン(無料)してください.
電子産業関係の調査は,取りあえずTech-On!で検索するのが簡単です.
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この回答へのお礼

7セグで表示される、非常に見づらい画面の昔の電卓を思い出しましたが、あれも初期の液晶だったんですね。
私は比較的最近のパソコンやテレビのモニターのことばかり考えていました。
そのころに、液晶ディスプレイは日本のメーカーが開発したと盛んに喧伝されていたものですから。
ありがとうございました。

お礼日時:2009/02/09 20:59

基本的には、大会社同士は、クロスライセンスといってお互いに持ってる特許を使えるようにしましょう、ていう契約になってることが多いので、なかなか難しいです。


クロスライセンスを破棄して向こうを訴えると、普通は、こちらも逆に訴えられることになるでしょう。(こちらも向こうの技術を使っているため)
もちろん、企業の知財部もクロスライセンスでは損してるという思いをもっているところも多いので、特許ごとに個別にライセンスするようにしようという動きというか掛け声はあがるんですが、実際のところどうなんですかね。
サムソンなんかは、実際、液晶やフラッシュなんかでもそれなりに大きな特許も持ってるので、正面から喧嘩するのであれば、よほど戦略を練ってからはじめないといけないでしょうね。
よく言われる話なんですが、本当の基本原理の特許を別にすれば、大発明(産業化なんかにものすごく貢献した発明)と儲かる(強い)特許は違うんです。特に、実用化の過程でできた特許っていうのは、よほどうまいこととっておかないと、原理はそのままでも実施方法がちょっとだけ違うとかいってすぐに逃げられてしまったりするので。
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この回答へのお礼

情報としては知っていますが、サムソンって凄い会社なんですね。
「でも日本のメーカーに比べればまだまだなんでしょう?」と、つい偏見と優越感が出てしまう私です。
クロスライセンスで思い当たりましたが、ハイブリッドカーや、電気自動車なんかも、日米入り乱れて開発しているようですが、現在はトヨタが先行しているとはいえ、結局は各メーカーが同じようなものを出してくるんでしょうね。
ご意見ありがとうございました。

お礼日時:2009/02/09 20:48

液晶が市販製品として大量に生産されるようになったのは35年以上前の電卓です。


初期の液晶は白黒でジワッとにじみ出るような表示(初めて見た人はこれを面白がっていました)で反応が遅い物でした。
これをカラーにしたり高速化するために莫大な研究が行われて来ました。

ですから、液晶そのものに関する特許は切れていますし、問題は製法に関するもので、この部分は特許を取ることよりも企業秘密となっている分野が多いようです。
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この回答へのお礼

特許を申請すれば、製法が公になる。
だから特許を取らずに秘密にする。
そういうこともあるんですね。
ありがとうございました。

お礼日時:2009/02/09 20:31

特許には有効期間というのが存在します。

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この回答へのお礼

ネットで調べてみたら、特許の有効期間は20年ということです。
しかし液晶ディスプレイは、日本が先鞭をつけて間もなくから、世界中のメーカーから発売されていると思うのですが。

お礼日時:2009/02/09 08:03

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