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A 回答 (8件)
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No.8
- 回答日時:
以前にも述べたことなのですが、短歌・和歌は、それだけで意味が独立し、自立した作品となっているので、文学史研究とかの目的でなければ、作品を読んで、どう読めるかが問題です。「唐辛子」については、どうもおかしいとは思ったのですが、他の方の回答を見ますと、「唐茄子」の書き間違いだとの指摘があり、その方が、うたとして意味が分かりやすいので、「唐茄子」として読みます。
>「神鳴のわづかに鳴れば唐茄子の
> 臍とられじと葉隠れて居り」
この句を読んで最初に感じるのは、何か「滑稽感」です。ユーモラスな描写というか表現を感じます。下の句「臍取られじと葉隠れて居り」とは、面白い読み方です。しかも、それが「唐茄子」なのですから、いっそうユーモラスです。
「唐茄子」は、西洋南京とは別に、日本古来からの種類があり、瓢箪型のものがあったとGOOの国語辞書にあります。多分、地面に転がっているのではなく、枝からなっているのでしょう。
雷がなるということは、雨が近いということですが、雨が降らない場合もあります。ただ、雷が鳴る場合は、普通、空気が異常で、風が吹き始めることが多いです。そのことからすれば、雷が鳴り、風が吹いて、唐茄子の葉が揺れ動いたのでしょう。それによって、唐茄子の姿が見え隠れしたように見え、このことを、唐茄子が、臍をとられるのを恐れて、葉の後ろに隠れた、と表現したのだと言えます。
情景描写ですが、非常にユーモラスに唐茄子を擬人的に表しています。
>かみなりが、遠くでかすかにゴロゴロとなると、風が出てきて、庭(またはどこか畑)の唐茄子の葉が揺れ動き、唐茄子の実を、雷から隠すように動く。唐茄子も、かみなりに臍を取られるのが怖くて、隠れようとしているらしい。かみなりが怖いのは、人間だけではないようだ。
ごく自然な情景をうたっただけかも知れませんが、唐茄子を擬人的に捉え、ユーモラスな感じがします。その捉え方が非常に面白いとも言えます。唐茄子を、「人に見立て」、面白いことだ、といううたかも知れません。
しかし、別の読み方もできます。「葉隠れて居り」というのは、何か「隠居の身」を思い起こさせます。世のなかから「隠れている」というような、ニュアンスが読みとれないこともありません。無論、素朴に、滑稽な見立てで、自然をうたっているだけかも知れません。
しかし、小心な人が、人の目を避けて、どこかに潜んで隠れている様子だとも読めます。「わずかな雷の音」で、身を隠す……小心だが、人とは、こういうものではないのか。雷は「鳴神」とも言い、神であり、人間を越えている。そういうものの前では、身を潜めて隠れる以外、人は方法がない……。
唐茄子を「人に見立てて」いるのですが、人だと思うと、人は、逆らえないものには、どうしようもなく「弱い」存在だという作者のメッセージか心境のようなものが、滑稽味のあるうたのなかから、かすかに響いて来るような感じもするのです。
なにげない情景描写、自然描写を写実的にしながら、同時に、その情景のなかに、人=作者の心の状態が詠み込まれている、そういう感じです。
また、別の方が述べておられるように、「夏が来たなあ」という作者の感慨も感じられます。夏が来て、どうなのか、何か「懐かしい」という感じがよむと響いてきます。
>GOO国語辞書「唐茄子」
>http://dictionary.goo.ne.jp/cgi-bin/dict_search. …
参考URL:http://dictionary.goo.ne.jp/cgi-bin/dict_search. …
No.7
- 回答日時:
jakyyです。
何度もお邪魔いたします。
「神鳴のわづかに鳴れば
唐茄子の臍をとられじと葉隠れて居り」
この歌は【竹の里歌】の歌集にありますが、すぐ後に
「神鳴の鳴らす八鼓ことごとく
敲きやぶりて雨晴れにけり」
注:八鼓(やつづみ)、敲き(たたき)
ともに明治31年の歌ですが、病気で体が弱っていても
夏の訪れを子規自身、肌で感じたのでしょうね。
唐茄子の歌、八鼓の歌は、カミナリが鳴る音を聞いて、
子規が子供の時に聞かされたカミナリのことを思い出したのだと思います。
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No.6
- 回答日時:
「雷が遠くでかすかに鳴ったら、カボチャが臍を取られまいと必死に葉に隠れているよ」
と皆さん同様にとらえましたが、短歌に疎いので自信ありません。
これはそれまでは庭にあるただのカボチャでしかなかったのが
雷が鳴ったことによって、あたかも子供のように雷を恐れる様に
見えたのがおもしろいということなのではないでしょうか。
雷がなった瞬間に、カボチャが歌になったのでは。
“わずかに”という言葉が特にポイントになっていると思います。
自分の子供が、あるいは自分が子供のころ雷が鳴ると
恐くてたまらなかった、という経験が下敷きになっていて
大人になって雷を何とも思わないのだけど、
そのことが寂しくもありまた懐かしくもあって
今は感じることのできない感情をカボチャによって
追体験しているところがあるのではないでしょうか。
雷が遠くでかすかに鳴っただけなんだけど、その瞬間に自らの原体験が
呼び起こされ、それがカボチャに投じられいるのではないでしょうか?
なので雷ががんがん鳴っていてそれを恐れている、という状態でなく
雷がなった瞬間が大事なのではないでしょうか。
ragnさんはどのようにお考えですか?
また、文学全集などではどのように解釈されているのでしょうか。
No.5
- 回答日時:
私の調査によりますと、子規の歌は【唐茄子】が正解ですね。
それですと、解釈は
カミナリが鳴ったので、唐茄子(かぼちゃ)は臍がとられないように
葉に隠れているという風の解釈に出来ますね。
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No.4
- 回答日時:
ragnさん、これは唐辛子ではなく唐茄子(かぼちゃ)ですね。
確認してください。いずれにしても私の解釈はかわりません。
人間がヘソを隠して身を伏せ雷を逃れるように、地面に生っているカボチャが、わずかに葉を被って雷を避けようとしているように見える様を歌ったに違いありません。『葉隠れて居り』の主語は唐茄子となります。No.2の回答で、突然大きな雷が・・・は誤訳でした。『わずかに』はちょっとした雷の音に・・ぐらいの意味でしょう。
No.3
- 回答日時:
私は次のように解釈しております。
カミナリが鳴ったので、庭にいる子供が、慌てて唐辛子の葉の後に
隠れたという歌だと思います。
唐辛子の木はそんなに大きくはありませんが、2歳ぐらいの子供が
隠れるにはちょうどいいぐらいの丈ですね。
子供の様子がおかしかったので、歌にしたと解釈しています。
この歌は、擬人法でなく、そのまま、理解されるのがわかりやすいと思います。
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No.2
- 回答日時:
裏の意味が隠されているかも知れませんが素直に解釈すれば、子供の代わりに(唐辛子を子供に見立てて)雷を恐れて隠れているという情景をユーモアを込めて歌ったものだと思います。
雷を恐れた昔の人は、神鳴りという字をあて雷神を創造し敬っていました。雷は怖いが、その後に来る雨はありがたいという考えがあったのかもしれません。雷は子供のヘソを狙うと言う迷信もあり、親はそれを利用して子供に寝冷え防止用の腹あてを着せていたことも想像出来ます。雷にヘソを取られるという話は私も子供の頃聞いた記憶があります。
唐辛子畑で収穫には未だ早い小さな唐辛子が、雨の前の風に揺られて葉の後に隠れたり現れたりしている。そこへ突然大きな雷の音が・・・子規はその様子から雷が鳴ると母親が子供を追っかけて腹あてを着せようとする様を思い出して詠ったのではないかと思います。
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