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標準沸点300Kにおける融解エンタルピーが6.00kJ/mol及び標準沸点400Kにおける蒸発エンタルピー40.0kJ/molの化合物Aが1mol存在します。気体定数R=8.31J/Kmol、化合物Aの液体の定圧モル熱容量Cpm=50.0J/Kmol、1atm=1.01X10^5Paとします。
1.00atm、300Kにある化合物Aの個体を0.500atm、400Kの気体にしたときのエントロピー変化とギブス自由エネルギー変化を求めなさい。
という問題です。エントロピー変化はわかるのですが、ギブスエネルギーの答えに確証が持てません。どなたかご解説よろしくお願い申しあげます。
No.3ベストアンサー
- 回答日時:
エントロピーはO.K.なわけですね。
300Kで融解、400Kの沸騰の時ΔG=0ですね。(ΔS=ΔH/T)
最後に1 mol, 1 atm, 400Kの気体を0.5 atmにするところで等温可逆膨張をさせます。そこ結果熱をR*400*ln(V2/V1)吸収しますのでこれを400Kでわればエントロピー変化が出ます。自由エネルギー変化はΔG=∫vdp=∫(RT/p)dpで出せるはずです。
次の昇温の所はNo2さんの御指摘の通り問題です。モル当りの値で
μ=h-Ts
は一般に成り立ちます。hは∫(300→400)CpdT,dsは(dh-vdp)/Tを積分すればよいですが、第一項だけの∫が残って∫(Cp/T)dTです。
μ(300)=h(300)-300*s(300)
μ(400)=h(300)+∫(300→400)CpdT-400*(s(300)+∫(300→400)(Cp/T)dT)
ですから
Δμ=∫CpdT-400*∫(Cp/T)dT-100*s(300)
となります。これは結局No2さんと同じ結果なのは計算で確かめられます。結局s(300)が判らないと判らないということになります。
No2さん、No3さん
丁寧なご解説ありがとうございます!
ご指摘の通り、温度変化の際の導出に四苦八苦してました。
そのエントロピーの値を使わずにできるのか考えていたのですが、問題自体に不備があったのですね。
院試の過去問ですので、実際にこの問題を解いた方々には同情します(涙)。
No.2
- 回答日時:
エントロピーの絶対値が分からないので、ギブス自由エネルギー変化は求められません。
過程1:1.00atm、300Kで化合物Aの固体を液体にする。
過程2:1.00atmで化合物Aの液体の温度を300Kから400Kにする。
過程3:1.00atm、400Kで化合物Aの液体を気体にする。
過程4:400Kで化合物Aの気体の圧力を1.00atmから0.500atmにする。
過程1,3,4については簡単にギブス自由エネルギー変化を求めることができます。ギブス自由エネルギー変化が求められないのは過程2なので、以下これについて考えます。
定圧下でT1=300Kにある化合物Aの液体をT2=400Kの液体にしたときのエントロピー変化ΔSは
ΔS =∫(Cp/T)dT
=Cp∫(1/T)dT
=Cp ln(T2/T1)
のように簡単に求めることができます。また、T=T1のときの化合物Aの液体のエントロピーS(T1)を基準とすれば、300K≦T≦400Kの化合物Aの液体のエントロピーS(T)は、
S(T)=Cp ln(T/T1)+S(T1)
のように表すことができます。
定圧下でT1=300Kにある化合物Aの液体をT2=400Kの液体にしたときのギブス自由エネルギー変化ΔGは、S(T)を使えば以下のように求めることができます。
ΔG =∫(∂G/∂T)dT
=-∫S(T)dT
=-∫{Cp ln(T/T1) + S(T1)}dT
=-Cp∫ln(T/T1)dT - S(T1)∫dT
=-Cp∫ln(T/T1)dT - S(T1)ΔT ……(1)
ただしΔT=T2-T1=100K, 積分範囲は300K≦T≦400Kです。
式(1)の右辺第1項はS(T1)の値には依らないので、右辺第2項より、ΔGがS(T1)の値に依存することが分かります。問題文からはS(T1)が求められませんので、ΔGを求めることもできません。
気体のギブスエネルギーの圧力変化なら簡単に求めることができるのに、ギブスエネルギーの温度変化が求められないのは、少し不思議な気がするかもしれません。気体のギブスエネルギーの圧力変化を求めることができるのは、気体の体積が状態方程式 PV=nRTから求まるからです。状態方程式がなければ たとえ圧縮率が分かっていても体積の絶対値が分からないのと同じように、熱容量だけからはエントロピーの絶対値を求めることはできません。
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