準・究極の選択

「盛り返すタリバン アフガン97%の地域で活発」
イスラム原理主義勢力タリバンが、アフガニスタン全土のうち97%の地域で活発な活動を展開していることが分かった。
地元住民はタリバンを支援し、パキスタン側のタリバンの応援もアフガンのタリバンを支えたという。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090912-00000 …

米軍により一掃された思われていたタリバン勢力が盛り返してきてのはどうしてでしょうか?
また地元住民はどうしてタリバンを支持するのでしょうか?

A 回答 (3件)

もともとタリバンは完全には息の根を止められていませんでした。


アメリカ軍はタリバン政権を崩壊させ、だいたい壊滅させたと思われるところで、イラク戦争を開始し、そちらに兵力の主軸を移しました。
そのため2003年頃よりタリバンの残存勢力が息を吹き返していました。
アフガニスタンに残され配置されていた兵力では、このタリバンの勢力を全滅させる事はできませんでした。
兵力が少なかったからです。兵力を大々的に増強しようにもアメリカ軍はイラクでの戦争と、その後の治安維持活動に兵力をとられ、その余裕はありませんでした。他国も同様か小国なので、大軍を派遣する余裕も能力もありません。
この頃、タリバンの兵力は1万5千人程度と見られていました。
アフガニスタンに駐留する国際治安支援部隊は5万人程度でした。
ゲリラを完全に掃討するには約10倍の兵力が必要だと言われていますが、全く足りていませんでした。
また、他の派兵している国にしても色々とアフガニスタンでの活動に制限をつけたりしていたため、主要な戦区で必要な兵力がさらに不足しました。
ドイツ、フランス、イタリア、スペインなどは犠牲の出るのを恐れ、当初は派遣した部隊は治安維持、戦闘は防衛に限るとか、激しい戦闘地域には行かないという方針をとっており、積極的にタリバンを掃討しようという動きはしなかったのです。
また国際治安支援部隊への参加は40ヵ国を超えましたが、派遣兵力が数十人から数百人で装備が限られているという国も多く、結局、積極的にタリバン掃討を行ったのはアメリカ軍、イギリス軍、カナダ軍など一部の軍のみでした。
今年の7月にドイツ軍がやっと重い腰を上げ、タリバンの掃討作戦を行いましたが、これはアフガニスタンに駐留を始めてから3年も経って初めての事です。
アフガニスタン軍の編成と訓練の完了した部隊の参加により、兵力は増加していますが、それでもまだタリバンを完全に制圧できるだの兵力はありません。
あと数年かけてアフガニスタン軍を倍増させ13万人の軍隊を編成しようという計画が進行中です。
また国際治安支援部隊も少しづつ増強され現在は6万人を超えています。
しかし、軍事的にはタリバンを速やかに制圧するのは難しい状況です。
また、タリバンはイランの支援を受けているという話もあります。これは2007年にアメリカの上院軍事委員会でアメリカ軍のマレン大将がイランがタリバンへ武器援助などの支援を行っていると報告しています。

地元住民がタリバンを支持しているのは生活に困窮し政府に不満を持っているからです。
タリバン政権が倒れ、新しい政府ができて8年になります。しかし、生活は苦しいままです。
アフガニスタン全土での戦禍が酷い事と、資金が足りないために、政府は、なかなか経済を復興させる事ができず、失業率も高い状態です。
さらには旱魃などの自然災害もあり食料生産が上がらず、食料が不足する事もありました。2006年には250万人もの人が食料不足で苦しんだのです。
そのため、一向に生活がよくならない事に苛立った住民の中にはタリバン政権時代の方が良かったと思う人も少なくなく、タリバンの支持者が増えています。
またタリバンは失業した職のない青年を勧誘して兵士にし戦力の増強も行っています。
さらには、アメリカ軍への反発もあります。毎年1000人以上の住民がアメリカ軍の誤爆や、戦闘に巻き込まれ亡くなっています。これがアメリカ軍への反発となり、逆にタリバンへの支持に向かわせているという側面もあります。

つまり、住民は生活への困窮から政府への不満を募らせ、タリバンへの支持にまわり、国際治安支援部隊はタリバンを制圧できるほどの兵力が無く、タリバンは住民の支持を得て勢力を増し盛り返してきているという状況です。
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この回答へのお礼

詳細な解説ありがとうございます。
タリバンの兵士がそんなにたくさんいるとは知りませんでした。
イラクと同じで、まさにドロ沼状態ですね。
せめて農業だけでも進展させて、飢える人がいないようにしてほしいものです。
タリバンがテロをやめ、合法化してくれればよいのですが。
日本でGHQの統治がうまくいったのは奇跡のようにおもえてきました。

お礼日時:2009/09/14 21:18

タリバンの歴史から見ると分かりやすいのですが。


元々、現在の政府勢力になっている北部同盟が内戦を起こして国内が混乱した中で、パキスタンのイスラム神学校の生徒で組織されたのがタリバンで、アフガニスタンの内戦を収めた経緯があります。
その為に、アフガニスタン国内での支持が強く残っていますし、現政権への不信も残っています。

問題は、その後にオサマビンラディーンが関与するアルカイーダがアフガニスタンに入り込み、タリバン政権に影響力を持つようになり、テロ戦士の養成所として使用することになったのが、現在の混乱の元になっています。

ですので、パキスタンは表面上アメリカに協力をしていても、実際にはタリバンを支援しています。
アルカィーダ勢力を国外追放して、タリバン自身の政府が出来ることが、一番安定した政府になるでしょう。
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 アフガニスタン住民の現政権に対する不信感がタリバーン勢力を後押しし、彼らを勢いづけてしまっているからだと思います。



 アフガニスタンのカルザイ大統領は、先の大統領選でも、タリバン政権下で民衆を苦しめてきたはずの軍閥関係者に対して、閣僚ポストを約束するなどのニンジンをぶら下げて、彼らに大規模な集票活動を行わせました。
 そのせいで、大統領選は大荒れとなり、軍閥関係者らが有権者にカルザイ氏に投票するよう脅迫したり、ありもしない投票所をでっち上げて、架空のカルザイ票を計上したりして、選挙違反が横行してしまいました。

 こういうカルザイ氏の姿を見て、多くの住民が一向に良くならない生活への不満と、現政権による軍閥優遇への不公平感を募らせています。

 カルザイ大統領が再選されたことで、アフガニスタン政府と軍閥との癒着がさらに進むと懸念されています。タリバーン勢力はこれからも盛り返すに違いありません。

 オバマ大統領は米国軍のアフガニスタンへの増派を主張しています。政権が腐敗しているにもかかわらず、オバマ大統領が米国軍の増派を熱心に主張していることに、米国内ではわずかですが批判の声も上がりはじめています。

 もう一つ付け加えさせていただくと、タリバーン勢力の実質的な補給基地であるパキスタンの情勢が悪化しており、イスラム過激派が暗躍していることが挙げられます。
 特に、パキスタンとアフガニスタンの国境沿いにある「トライバルエリア」は、タリバーンの拠点として利用されています。

 国内外がタリバーンを後押ししてしまっている状況だと言えるかも知れません。

参考URL:http://www.afpbb.com/article/politics/2638514/45 …
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