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インフルエンザウイルスの種と型との関係が分かりません。

(1)
A型、B型などの「型」は、属名でしょうか。

(2)
H1N1などの「亜型」は、種名でしょうか。

(3)
「株」は、亜種名でしょうか。 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%A0%AA を見ると亜種名ではないようにも思えます。

(4)
N1、N2などはNAと言われNAはノイラミニダーゼ(neuraminidase)の略号だとお聞きしましたが、neurとaminidaseはそれぞれ何のこと(どんな意味)でしょうか。

(5)
インフルエンザの場合は、例えば「A属H1N1種○○亜種」などと言わないで「A型H1N1亜型○○株」と言うのはなぜでしょうか。

A 回答 (3件)

知っている範囲でお答えします。



(1)A型、B型などの「型」は、属名でしょうか。
はい、属名です。

(2)H1N1などの「亜型」は、種名でしょうか。
分かりません。

(3)「株」は、亜種名でしょうか。
基本的に株は、分離されたウイルスごとに名前をつけられますから亜種とは違うように思われます。

(4)neurとaminidaseはそれぞれ何のこと?
切るところが違います。neuraminiとdaseです。
ノイラミン酸(シアル酸)をきる酵素という意味です。

(5)インフルエンザの場合は、例えば「A属H1N1種○○亜種」などと言わないで「A型H1N1亜型○○株」と言うのはなぜでしょうか。
分かりません。

この回答への補足

早速の御回答ありがとうございます。

「切るところが違います。neuraminiとdaseです。」とのことですが、そうするとNAという名前の起源はneurとaminiの頭文字でしょうか。NAという略号の理由を知りたいと思っています。

よろしくお願いします。

補足日時:2009/10/04 14:53
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 獣医師でウイルスに専門知識を有します。



 生物の分類は「科」-「属」-「種」です。例えばA型インフルエンザウイルスの分類は、「オルソミクソ科インフルエンザウイルスA属のインフルエンザウイルスA」です。

 普通、「型」という分類は、種や亜種の下の便宜的な分類に用います。なので正式な分類学用語ではありません。

(1) インフルエンザウイルスの場合、「インフルエンザウイルス」という種の下のA型B型・・として分類されていた時期があったのですが(比較的最近まで)、遺伝子構造などが詳細に解明されると互いにかなり異なったウイルスであることが判ったため、これらA~C型をオルソミクソ科の中の「属」として細分類されることになりました。
 ですが、従来からの慣習もあって「A型インフルエンザウイルス」などと相変わらず呼ばれています。ちなみに正式な学名は、「インフルエンザウイルスA(Influenzavirus A)」です。ここに「型」という言葉(type)は入りません。

(2) 言葉通り「亜型」です。
 先に説明したとおり、「インフルエンザウイルス」という「種」の下でウイルス学者が便宜的にA~Cまでの「型」に分類していたわけですが、この中でA型はHAとNAという2つの構造蛋白に多くの血清型があることが判ってきました。
 そこで、これらの血清型を「亜型」として分類していたわけです。

 なので、A~Cが属に細分類された現在では、これらのHAとNAの亜型は、それこそ「型」として分類すべきでしょうが、れも従来の慣習どおり「亜型」と呼ばれている、というわけです。

(3) 株というのはそもそも分類の用語ですらありません。
 ある患者や動物などから分離されたウイルスを「株」と呼んでいるだけです。
 ですから、今年の4月にアメリカの患者から分離された新型インフルエンザウイルスと7月に日本の患者から分離されたウイルスの遺伝子の塩基配列がほとんど同じであった場合、「アメリカ株と日本株は同じウイルスである」というような言い方をします。

(4)についてはNo.1さんの回答のとおりです。
 "酵素"を意味する接尾語は本来"ase"です。直前のタームによってdaseになったりnaseになったり変化するので、ここは"NA"という略称で何の違和感も感じないのですが。

(5)については、上の説明で十分説明になっていると思います。
 ちなみにオルソミクソ科のA~C型の属には、それぞれ1つの種しかありません。

 余談ですが、「型」は正式な分類学用語ではないと書きましたが、分類学上ではなくウイルス学的な都合によって分けられるので、わりと"適当"です。

 鳥インフルエンザとヒトインフルエンザ、さらに豚インフルエンザは少なくともHA遺伝子の構造はそれぞれ異なっていて、亜種あたりで分類しても良さそうなものですが、これらは特に分類されず「A型インフルエンザウイルス」に全て含まれます。
 これは「感染する宿主動物が異なる」ので、敢えて言えば「型」として分類していることになるでしょう。生物型での分類ですね。
 HAやNAの亜型は、これごれの蛋白の"形"によって分類しています。つまり抗体反応の違いで分類しているので、典型的な「血清型」です。病原微生物の型分類は、この血清型が一番多いですね。サルモネラ菌などは(これも正確にはサルモネラ属)2000以上も血清型があります。

 また、「遺伝子型」という型分類もあります。HAやNAももちろん蛋白の形が違うということは遺伝子も違うわけですが、これらは抗体反応で分けた方が利便性が高いので血清型として分類しています。
 が、例えば非翻訳領域のようなウイルスの生物学的な性質は何も左右しない領域の遺伝子で分類することもよくあります。十分解析が進んでいないウイルスが、とにかくある特定の領域の遺伝子構造が複数種類あることが判った時点で、これを遺伝子型として分類してしまう、ということもよくあります。
 これは主に疫学的な調査を整理しやすくするためです。ある地域にはgenotype1が多く、別の地域にはgenotype3が多い、というような知見が得られるわけです。
 また、とりあえず分類した遺伝子型が、後で血清学的にも生物学的にも違いがあることが判ったりすることも多いです。
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 No.2のJagar39です。



 No.2の回答の中で"細分類"とあるのは"再分類"の間違いでした。
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この回答へのお礼

ご回答ありがとうございます。

内容が高度かつ多岐にわたり理解するのに時間がかかり、御返事が遅くなってしまいました。申し訳ありません。

インフルエンザウイルスについて必須知識、現在の最新の研究成果、勉強の方向性などについて基本的かつ包括的御教示を頂いたように思います。このような体系立ったお教えを頂き、本当に感謝しております。このお教えがなければ未だ深い闇の中にいたことは間違いありません。

まだ分からないことが若干あり別質問させていただきましたので、もしよろしければ御回答いただけるとありがたいです。

今後ともよろしくお願いいたします。
ありがとうございました。

お礼日時:2009/10/12 14:59

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