
カントは判断表・カテゴリー表で12種類の判断と12種類のカテゴリーを対応させて、それで過不足なく尽くされていると、かなりの自信を持っていたように見受けられます。そしてヘーゲルも判断の種類をカントの掲げた12種類(無限判断の項に同一判断の記述があってそれを入れると13種類?)そのままに踏襲している。この4×3=12という判断の種類というのは、堅固に固まった分類なのでしょうか? あるいはカントによる単なる断定なのでしょうか? 判断の分類には他の説もあるのでしょうか? ご教示願えればさいわいです。
No.2ベストアンサー
- 回答日時:
アリストテレスのカテゴリーは、言語学的な修辞形態分類に近いものです。
カントの場合、プラトン的2元論に基づいた受容されたもの(Das Syntetische)を前提としており、
数学的世界と物理的世界の境界線がはっきりしていません。カントの思考自体ニュートン的「場」の概念の中で展開されています。
(フレーゲのdie Gruntaetze der Arithmetik 参照)
とはいえ、カテゴリー論としての正論は、やはりカントでしょう。場の概念に造詣が深い日本人である私たちにとっての出発点です。世界的な常識といってもよいのかもしれません。
ヘーゲルは、まだまだ我流的(ドクサ)であると評価されることがあります。
哲学者の中にもヘーゲルのドイツ語が、読みとれない人が、おおいというのがその原因です。
ヘーゲルのカテゴリー体系は、トマス・アクィナスを前提としており、概念の選定・修正・発展ということが中心の理論です。解釈の仕方で、最低12x3(コンスタントを伴わない機能としての概念・プロセスWerden・永遠=絶対das teleologische Absolut)が可能となります。
僕の理解力を超越していて、おそらくご回答の真意を把握することはできておりませんが、雰囲気的なものは何となくつかめました。
Kant のまとめが正論とのこと、ここはひとつ初心に帰って Kritik der reinen Vernunft を研究してみることにします。
どうもありがとうございました。
No.1
- 回答日時:
カントのカテゴリーは、アリストテレスをもとにしています。
アリストテレス「カテゴリー」の「数」自体は、はっきりしていません。
トピックでは10。形而上学では7。
ストア派では、アリストテレス後論に習って7とします。
スコラ派は、アリストテレスの文章を依教とし独自の理論で10。
AorB
but (Aversion)
qua (理由付けのための疑問論理学=テーゼの様式)
というのを論理に数えることが出来るかもしれません。
スコラ論理学の再構築は、あまり進んでいません。
といったところです。
この回答への補足
ありがとうございました。アリストテレスからカントを経てヘーゲルに到るまで、判断の分類に関しては微調整程度で経過してきているという理解で良いのでしょうか? ちなみに、ヘーゲル以降の展開としても、判断の分類に関しては同様の事情なのでしょうか? 記号論理学では、¬、∨、∧、∀、∃、◇、□、( p→q ≡ ¬(p∧¬q) ) といったものでカントの12種類の判断はすべて表現可能で、更に色々と「判断の形式」を生成できそうですが、結局、「〇〇判断」と名付けて区別して意味のあるような判断形式は、せいぜい12種類というところに落ち着くと理解して良いのでしょうかね?
なお、判断ではなくてカテゴリーに関しては、アリストテレスの10個とカントの12個ではかなりラインナップが異なり、ヘーゲルでは(ちゃんと数えてませんが)カテゴリーの数はずいぶんと増えて充実しているようです。
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