

先日、仕事の関係でプラスチックのスナップフィット
(プラスチック部品の一方と他方がパチンとはまる
爪形状です。プラモデルにもよくあると思います。)
の荷重計算をしようとしました。
その爪形状には大きなテーパがついており、
根元が太く先細だったので、
単純な梁の公式では計算できずに
excelマクロによる数値積分で
梁の曲げ微分方程式(d^2y/dx^2=-M/EI)を
解こうとしました。
-------------------------------------
一応できたので、早速荷重を計算して実測値と
照らし合わせてみようとしたのですが、
材料のヤング率(縦弾性係数)を知らないことに
気づきました。
同僚に聞いてみたところ、「曲げ弾性率」というのは
材料の仕様書に載っていると教えてくれました。
職場にある材料便覧を見ても「曲げ弾性率」は
載っていました。
この「曲げ弾性率」はヤング率(縦弾性係数)と
同じなのでしょうか。それとも違うのでしょうか。
もし違う場合、ヤング率(縦弾性係数)は
どのようにして調べるべきなのでしょうか。
似たような経験がある方がいましたら
お手数ですがご教示願います。
No.2ベストアンサー
- 回答日時:
結果から言うと,Eに曲げ弾性率を代入しても問題ないと思います.
引張弾性率と曲げ弾性率は測定方法が異なりますので,物性のもつ意味は違います.引張りの場合(丸棒を引っ張るようなケースです),材料内部はすべて引張応力になりますよね.
しかし,曲げの場合(板を曲げるようなケース)では,ふくらんでる面には引張応力,へこんでる面には圧縮応力がかかります.このため,例えば引張弾性率と圧縮弾性率が異なるような材料では,引張弾性率と曲げ弾性率は違ってきます.
また,少し専門的になりますが,曲げのかかる部材には,引張・圧縮応力の他に,せん断応力もかかっています.これらの効果が総合的に寄与してくるため,引張弾性率と曲げ弾性率は,「意味合いとしては」異なる物性値です.
しかし,ごく一般的なプラスチックであれば,引張弾性率と曲げ弾性率はほぼ同じ値になります.
下記などにデータが出ていますが,恐らくほぼ同等か,曲げ弾性率の方が10%程度低い値になっていると思います.
http://www.m-ep.co.jp/mep-j/tech/index.htm
http://www.mrc.co.jp/acrypet/04tech_01.html
カタログデータに曲げ試験が多い理由は,試験が簡単だからです.薄い平板の試験片が使えますからね(チューイングガムのような形状です).それに対し,引張試験では,試験片を「つかむ部分」の加工が難しく,やや複雑な形状になってしまいます.
というわけで,プラスチックの分野では,曲げ弾性率を測定して,これをEとして代用するケースが多いと思います.
ただし,圧縮やせん断弾性率が引張と極端に違う材料・・・たとえば,ガラス繊維で一方向強化したような異方性材料では,曲げ弾性率とヤング率は大きく異なります.
あと,蛇足になりますが・・・
曲げ弾性率=曲げ応力/曲げひずみ
とありますけど,前述の通り,曲げ応力や曲げひずみは一定値ではありませんので注意が必要ですね.材料内部で分布をもっています(ここが引張と違うところ).
通常は,曲げスパンL,破断荷重P,試験片幅b,厚さh,たわみxなどを用いて,
E=(P・L^3)/(4・b・h^3・x)
のような式で求めます.試験方法によっても式が違ってきますので,材料力学の教科書をお読み下さい.
丁寧なご回答どうもありがとうございます。
大変参考になりました。
今回の材料はポリカーボネートの一種で
特に繊維強化したものではないので
曲げ弾性率をヤング率として計算してみます。
どうもありがとうございました。
No.1
- 回答日時:
ヤング率と曲げ弾性率は違うものです。
どちらも「応力―ひずみ線図」の弾性域(応力とひずみが比例関係を示す領域)での比例定数なのですが、ヤング率は引張(または圧縮)、曲げ弾性率は曲げ試験によって得られるものでなので、値も違うものになるはずです。
推測で申し訳ありませんが、曲げ弾性率しか表記されていないのはプラスチックの強度評価が主に曲げ試験によって行われているからではないでしょうか。
材料のヤング率を測定するには適当な試験片を作製して引張試験を行います。
しかし強度評価が曲げによって行われているなら、プラスチックには引張試験では評価しにくい因子(特性)があるのかもしれません。
主に弾性域での曲げ加重のみがかかる状況なのであれば
曲げ弾性率=曲げ応力/曲げひずみ
の式からアプローチしてみてはいかがでしょう?
専門ではないので間違いがあるかもしれません。
どなたかフォローお願いします。
ご回答いただきどうもありがとうございました。
”曲げ応力”、”曲げひずみ”の定義が
まだ理解できてませんが、
(”せん断応力”、”せん断ひずみ”とは違いますよね)
これから調べて
曲げ弾性率=曲げ応力/曲げひずみ
による解析ができればやってみたいと思います。
ただ、ある文献には、スナップフィット荷重は
片持ち梁のモデルでヤング率を使って求めるようなことが
書いてあったので
プラスチックのヤング率を調べたことのある方が
いましたら引き続き回答を募集しますので
よろしくお願いします。
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