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放熱の原理
金属(アルミ)がセラミックス(金属酸化物)や樹脂と比較して放熱性(放射率)
が劣るのはなぜですか?
放熱の原理と併せてご教授願います。

A 回答 (7件)

#4、#5です。


「放熱の原理」と「放熱装置の原理」とでは意味が少し異なります。
放熱、放射、発熱も意味が異なります。
放熱は現象の名前です。
装置の名前の中にある言葉にはその装置の使用目的が含まれてきます。
「放熱の原理」についてという質問と「放射性について」の質問が混ざっています。それにさらに「放熱器」の話が入ってきました。
私は「放射性」についてしか書いていません。
「色が白くて放射性のいい物質はありますか」ということだったからです。

「放熱の原理」と言えば、周囲よりも高い温度にある物体が熱を放出する仕組みのことです。伝導によるものと放射によるものがあります。だから「放射性について」という質問があっても不思議ではないのです。
「放熱性(放射率)」「黒体の放射率」という言葉が使われていますので放射率は放射性、輻射能のことだと解釈しました。放射、輻射はradiationの意味で使っています。(英和辞典にはradiationに放熱という言葉も当てはまるように書いてありますが物理の用語としてradiationに伝導を含めることはありません。伝導はconductionです。)

「放熱装置」は周囲よりも高い温度にある物体(機器A)に取り付けてその機器の放熱を促進するもの(機器B)です。機器Aは発熱体です。放熱装置Bは発熱体ではありません。
エネルギーを消費する機器は必ず発熱します。発熱量が少なければ周囲にただ熱を伝えるだけで済みます。発熱量が大きければ温度が上がりすぎるのを防ぐための放熱促進装置を取り付ける必要があります。
エンジンの温度が上がりすぎるの防ぐための冷却装置はここでいう放熱装置の一つです。「冷却」という言葉は温度を下げるという意味で使われています。
ファンも放熱装置の一つです。いくらファンを回しても周囲の温度以下にはなりません。
機器Aの熱は空気に伝わっています。ファンはその空気の入れ替えをやっています。空気の熱伝導の悪さをそれでカバーしているのです。

熱伝導性のいい物質を接触させて機器Aからの放熱を促進することもできます。水冷式のエンジンはその例です。液体を使うことができなければ固体を使います。
金属は熱伝導性のよい固体の代表です。

放熱器は熱を伝えることができればいいのではありません。
機器Aから受け取った熱を機器Aから離れた所に捨てなければいけません。ここで伝える能力だけでない能力が求められます。
捨てるところでは他の物質(別の伝導体、または空気)に伝えるか、赤外線で放出するかのどちらかです。

ダイヤモンドは熱伝導性に優れています。
フィルムにすれば接触性をよくすることができます。
でも最後の捨てるところを考えると別の物質が必要になってくるような気がします。離れたところまで伝えるのをダイヤモンドだけでやればコストがかかります。ダイヤモンドには赤外線の放射能力がありません。伝導しか使うことができません。

熱伝導であればセラミックスよりも金属の方が優れているでしょう。
放射であればセラミックスの方が優れているでしょう。

普通の樹脂の熱伝導性は低いはずです。
冷蔵庫で冷やした金属、セラミックス、プラスティックスを取り出して触ってみればいいです。冷たく感じる順番が熱伝導度の順番です。
赤外線放射能力が高いとか、熱伝導性の高いプラスティックスもあるでしょう。でもそれはかなり特殊な例になるでしょう。「セラミックスや樹脂と比較して・・・」と一般的に言うことができるようなものではないでしょう。
プラスティックスには電気伝導性はないと言うと「電気伝導性をもつ高分子がある」という反論がすぐに戻ってきます。でもそれは開発した人がノーベル賞をもらうぐらい特殊な例なのです。

この回答への補足

度々の回答ありがとうございます。つまり放熱装置の理想は熱伝導性が高く放射性も高いものですが、そのようなものはまだ発明されていないということですね。では例えば熱伝導性が優れているもの(金属)と放熱性の優れているもの(セラミックス)の二層構造にするとこれは放熱装置にならないですか?

補足日時:2010/09/16 23:22
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>回答ありがとうございます。

つまりセラミックスは可視光は反射するが赤外線は吸収するということでしょうか?あと樹脂は自分の中では高分子というイメージが強いので上記で述べられている理論からすると分子の振動が大きく放射率が高いような気がするのですが・・・

あらら、話がずっこけてると思います。水やセラミックが赤外線の放射率が高いのは知っていますが、発熱ではなくて放熱の話ですよね。光ファイバーの融着装置の設計とかしていましたが、石英ガラスを溶かす赤外線ヒーターは真っ白です。ただし放熱となると、熱伝導率の問題があるのでセラミックとかは使えないのでNGです。

最も理想的な素材はダイヤモンドですが、ダイヤモンドの放熱器はさすがにコストが高くて使えない。
物性の話ではなくて放熱器と話とすると、コスト的に使用可能なのは金属一択になります。銅の方がアルミより優れているのですが、銅は価格が高いのでおいそれとは使いません。
黒色アルマイトよりも放射率が優れた白色アルマイトが存在するかというと、私は聞いたことがないので、あればむしろ教えて欲しいです。放熱器として使えない素材にたいして色と無関係かどうか論じても無意味です。過去にいろいろなものが提案されてきましたが結局ロクな物ができなくて現在でもアルミ系合金が主流です。

また有機物の樹脂でも優れた放射率を有する樹脂はありますが、やはり熱伝導の問題で放熱器にはなりません。個人的には、アルミ並の熱伝導率を持ち、かつより軽量なプラスチックが完成すれば携帯電話とかに革命が起こると思うのですが、いまだそうゆう話題もないですね。だれか発明してくれないのかしら?

この回答への補足

度々の回答ありがとうございます。
>また有機物の樹脂でも優れた放射率を有する樹脂はありますが
具体的に上記のものを教えては頂けないでしょうか?

補足日時:2010/09/16 23:27
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#4です。


>樹脂は自分の中では高分子というイメージが強いので上記で述べられている理論からすると分子の振動が大きく放射率が高いような気がするのですが・・・

どの物質でも温度に応じた振動が起こっています。
でも振動があるということと赤外活性であるということは別のことです。
有機物はCとHの構造がほとんどです。極性がありません。
電荷を持った粒子が振動することが必要です。
その振動も電気双極子の分極が変化するようなものでないとだめです。
高分子でも極性を持っているものがあります。でもそれは構造の一部です。
ポリエチレンには極性構造は含まれていません。成分元素がCとHだけだからです。
ポリエステルにはエステル構造のところに極性があります。
・ポリエチレン -C2H4-C2H4-C2H4-C2H4-
・PET    -C2H4-O-CO-C6H4-CO-O-C2H4-O-CO-C6H4-

#4にあげた二酸化炭素CO2であれば
3種類ある基準振動の中で偏角振動、反対称伸縮振動が赤外活性です。
対称伸縮振動は赤外不活性です。
分子の熱振動がすべて赤外線を放出したり、吸収したりするのではありません。
O2,N2は赤外不活性ですが、大気汚染物質であるNO,NO2は赤外活性です。 
NOは無色ですがNO2は黄褐色です。
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この回答へのお礼

返答ありがとうございます。大変参考になります。

お礼日時:2010/09/16 22:41

>黒体が放射率が高いということはわかりました。

ということは白い物質は放射率は低いということになるでしょうか?

色としての黒を「黒体」の黒とを同じものと考えると誤解が生じます。
色としての白、黒はあくまでも可視光線についてのものです。
「黒体」の黒は可視光線の黒のイメージをすべての波長の電磁波に当てはめたものです。

赤外線をよく吸収するという物質が黒く見えるとは限りません。
赤外線は目に見えないのですから基本的には色と無関係です。

可視光線の吸収能力と赤外線の吸収能力とは仕組みが異なります。
温暖化の話題の中で出てきますが二酸化炭素は赤外線を吸収します。
でも大気の成分の酸素、窒素はほとんど赤外線を吸収しません。
二酸化炭素も、酸素も窒素も可視光線の吸収はありません。どれも無色です。
セラミックスが赤外線の吸収、放出能力が高いというのはイオン結合性物質だからです。
正負の電荷を持ったイオンが互いの位置関係を変えるような熱振動をしていれば赤外線を放出します。
セラミックスは焼き物ですから白いものもあります。
可視光線の波長領域は電子遷移に対応します。
赤外線の振動数は物質を構成している原子の振動領域です。

酸素や窒素は分子内の原子が結合距離を変えるような振動が高温でないと起こりません。起こったとしても電荷の分布の変化が対称ですから赤外不活性です。
二酸化炭素の場合はO=C=Oが折れ曲がるような振動(偏角振動)が一番振動数が低くて励起されやすいです。陰性の大きい酸素原子が動きますから分極の変化が起こります。赤外線を吸収します。
水もH-O-Hが折れ曲がるような振動が赤外線を吸収します。でもHの質量が小さいので振動数が大きいです。
二酸化炭素に比べて吸収は弱いです。でも大気中に存在する量が多いので影響は強く出てきます。

金属は熱伝導性は高いですが赤外線吸収能力はそれほど高くありません。
同じ電荷を持った陽イオンが動いてもイオン結合性物質で起こるような大きな分極の変化は期待できません。
金属のアルミと合酸化アルミニウムを比べれば酸化アルミニウムの方が赤外線の放出・吸収能力は格段に大きいと思います。

>白くて放射率の高い物質はないのでしょうか?
セラミックスがあてはまるでしょう。

樹脂というのはプラスティックスの系統の物質です。
有機物の赤外線吸収能力は一般にそれほど高くないと思いますが。

この回答への補足

回答ありがとうございます。つまりセラミックスは可視光は反射するが赤外線は吸収するということでしょうか?あと樹脂は自分の中では高分子というイメージが強いので上記で述べられている理論からすると分子の振動が大きく放射率が高いような気がするのですが・・・

補足日時:2010/09/15 22:15
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>白っぽくて放射率が高い物質を知っていれば教えて頂きたいです。



それは、白いけど赤外線を吸収する物質ですよね?思いつかないですね。
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この回答へのお礼

返答ありがとうございます。

お礼日時:2010/09/15 22:17

詳しい回答は、下記の過去の質問に掲載されています。


http://okwave.jp/qa/q1897427.html

放熱について勉強中のようなので、上記回答を更に補足します。

ではなぜアルマイト処理をした黒い放熱板の方が放熱性能が優れているのに、アルマイト処理をしない放熱板も使用されているのか?

それは、放射率が高い放熱板を使用すると放射される赤外線で無用なところが加熱されてしまうことを防ぐためです。黒いアルマイト(セラミック)は赤外線を大量に放出するため、ケースの内部に納めると装置全体が猛烈に熱くなります。それを防ぐためには、できる限り放射率が小さな放熱板を使用して局部的な対流で冷却することが必要なのです。状況によって放熱板やヒートパイプに金メッキをすることがあるほどです。
また振動を嫌う装置で冷却ファンが設置できないばあい、部分的に放射率を高くした放熱板を用いて、放射する赤外線を全てケース天板に集中させ、ケースの天板から放熱させる優れた設計の米国製の計測器もみたことがあります。

したがって、放熱の設計をする場合には放射率を大きくするのか、または小さくするのか?という事が大切で放射率が大きいと優れているというわけでもないのです。

この回答への補足

詳しい回答ありがとうございます。あと質問ばかりなのですが、黒体が放射率が高いということはわかりました。ということは白い物質は放射率は低いということになるでしょうか?白くて放射率の高い物質はないのでしょうか?具体的に知っていれば教えて頂きたいです。

補足日時:2010/09/14 23:33
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金属は金属光沢があるからです。

光を反射する物ほど放射率は低くなります。逆に言えば、放射率が最も高い物が「黒体(仮想的な物質ですが・・・)」です。黒体の反射率は零です。放射率を個々の物質について理論的、一般的に導くのは困難です。それは表面の状態や物質の構造等、考慮しなければならない条件が複雑なためです。
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この回答へのお礼

回答ありがとうございます。放射率を個々の物質について理論的、一般的に導くのは困難ですか・・・
黒体が放射率が高い理由はわかりましたが、白っぽくて放射率が高い物質を知っていれば教えて頂きたいです。

お礼日時:2010/09/14 23:23

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