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「摩擦のある斜面上に質量m[kg]の物体
を静かに置く。斜面の傾きθが小さい間は
物体は滑り出さずに静止していたが、
θがある角度θkになった瞬間に物体は動き出した。
この斜面と物体の間の静止摩擦係数μを
θkを用いて表せ。」
という問題の解法の中で、抗力をNとした時、
 m×g×sinθk=μN
という式が成り立つことがよく分かりません。

その解説とともに、問題の答えを教えていただけませんか。

A 回答 (4件)

問題としてはごく基本的なものですので、慌てずに一つ一つ確認しながら解いてみましょう。



      /|
  m  / |
   ◆/  | 
   /   |
  /    |
 /θ    |
  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

物体の運動を考える時は、その物体に働いている力をすべて書き出すのが第一歩です。
物体に働く力は
・直接触れている場合にのみ働く力(抗力、張力など)
・離れていても働く力(重力、静電気力)
の2種類があります。

この場合はまず、「離れていても働く力」として

  ◆
  |
  ↓
鉛直下向き 重力mg

があります。しかしこれだけですと(支える力が何もないわけですから)真下に自由落下することになります。自由落下しないのは斜面から抗力を受けているからです。抗力は「直接触れている場合にのみ働く力」です。
その力を書き出してみましょう。

┌ 斜面からの抗力N
 \
  ◆

抗力Nは斜面に垂直な方向に働きます。しかしその大きさはこの段階ではまだ分かりません。分からないものは分からないままにしておくのがコツです。
物体に働く力はこれで全部尽くしたことになります。物体は斜面としか触れていませんから「直接触れている場合にのみ働く力」は抗力だけです。「離れていても働く力」はここでは重力しかありません。

さて、ここまで書き出した上で物体の運動を考えてみましょう。この場合、力の成分(言い換えれば物体の速度の成分)を、斜面と垂直方向・斜面に沿った方向の二つに分解して考えると分かりやすくなります。

重力mgを、斜面と垂直方向(B)・斜面に沿った方向(A)の二つに分解してみましょう。

  ◆
 /|\
A ↓θB

三角比の関係を使うと、Bの方向には
mg cosθ  (1)
Aの方向には
mg sinθ  (2)
となることが分かります。角度θを小さくするとA方向の力は小さく、そしてB方向の力は大きくなって、物体は滑りにくくなる傾向があることが分かりますが、これは実際の物体の挙動と合致するものです。

さて物体は斜面にめり込みませんし、斜面から勝手に飛び上がったりもしません。すなわち斜面と垂直方向では力がつり合っていないといけません。下の図をご覧下さい。

┌ 斜面からの抗力N
 \
  ◆
   \ 重力の、斜面と垂直な成分mg cosθ
    ┘

これより
N = mg cosθ  (3)
であることが言えます。(この式は斜面の傾きに関わらず成立します)

さて今度は斜面に沿った方向の釣り合いを考えます。この場合は摩擦がありますから、それを考えなくてはなりません。まず摩擦力から考えます。

  ┐摩擦力 最大でμ×N
 /


摩擦力は垂直抗力に比例します。ただし静止摩擦の場合は「垂直抗力N×静止摩擦係数μ」を最大の摩擦力として、その物体を動かそうとする力にちょうどつり合うだけの力が働きます。(θk以下の緩い斜面で物体が静止している場合、働いている静止摩擦力はN×μより小さい、ということです)
今度は物体を斜面に沿って滑らそうとする力を考えます。これは上の重力の分解のところの結果、(2)式をそのまま使えばよくmg sinθがそれです。

  ◆
 / 重力の、斜面に沿った成分mg sinθ


さて斜面をだんだん傾けていって、mg sinθがμN(静止摩擦力の最大の限界)より大きくなると、摩擦力が物体を引き止めておくには足りなくなり物体は滑り始めます。ちょうど滑り始める時のθがθkですから、
mg sinθk = μN  (4)
の関係式が成り立ちます。(最初のご質問の答えになりますが、理解できましたか?)

垂直抗力Nの大きさは直接には分かりませんが、釣り合いの関係から(3)式が得られていますからこれを使います。(3)を(4)に代入して
mg sinθk = μmg cosθk  (5)
あとは単なる数学の問題で、
μ= (sinθk)/cosθk
ですから、
μ=tanθk  (6)
ということになりこれが答えです。
静止摩擦係数μが大きいほど角度θkも大きくなる(もっと傾けないと滑り始めない)わけで、実際の物理的挙動とも合致します。
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この回答へのお礼

詳しい解説ありがとうございます!
これからの勉強の参考になります ^^

お礼日時:2003/08/21 21:35

今まさに物体が斜面を動きだそうとする瞬間を考えます。


(1)摩擦力をfとしますと
このfの方向と大きさは
<方向>斜面に平行で右向き /
<大きさ>f=μN /
となります。 ●/
この摩擦力は物体を滑り落と /
さないように働く力ですね。 /
(2)斜面上の物体(●)には鉛 /
直方向に重力が働きますから、
この力の方向と大きさ(F)は
<方向>鉛直方向(斜面の垂直方向となす角はθk)。
<大きさ>F=mg
Fの斜面に平行な力の成分が物体を斜面から下方へ動かそうとする力になります。またFの斜面に垂直な成分が物体を斜面にめり込ませようとする力(Fm)となりますが、これは斜面の反作用力(抗力N)と向きが逆で大きさが一緒となりますから、物体は斜面にめり込むことなく斜面の上に位置することになります。このことは
N=Fm=mgcosθk (1)
となりますね。
さて、(2)の力Fの斜面と平行の成分をFhとしますとFh=Fsinθkとなりすね。これからFhはθkが傾くに従ってだんだん大きくなることが分かります。この力の方向は摩擦力の方向と丁度逆方向を向いていますね。物体が斜面を動かないということは摩擦力fの方がFhより大きいためですね。θkが傾けていくとFhがだんだん大きくなり、とうとうFh=fまできます。これより僅かでもFhが大きくなると物体は斜面上を動くことになります。この瞬間の力のバランスの方程式が
m×g×sinθk=μN (2)
となります。
(1)よりN=m×g×cosθkでしたから、これを(2)に代入して
μ=sinθk/cosθk=tanθk
となります。
絵を書いてよく考えて見て下さい。それではがんばって!
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この回答へのお礼

詳しい解説ありがとうございます。
これからの勉強の参考になりました。

お礼日時:2003/08/21 21:33

物理の問題に当たるときの原則は、


(0.着目する物体を決める)
1.物体の数だけ図を書く
2.力を全て書き込む
3.軸の方向を決める(プラスの方向を意識して)
4.運動方程式を立てる
5.算数のお時間

です。プラスの方向、とは質問の問題では物体が動き出す方向のことだと思ってください。

新しい分野やしばらくやらずに忘れてしまったときは、この原則に立ち返って解くと時間はかかりますが確実です。多分高校生なのだと思いますが、この原則を貫けば100点も夢じゃないですよ。
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この回答へのお礼

ご回答ありがとうございました。
これからの勉強の参考にさせていただきます!

お礼日時:2003/08/21 21:36

こういう問題を解くときは必ず図を書いてください。

図を書いて力を分解できれば半分以上解けてます。

摩擦力は斜面に平行に働くので、まずは物体に加わる重力mgを、斜面に平行な方向と垂直な方向に分解します。すると斜面に平行な力はmgsinθ、垂直な力はmgcosθになります。この時、垂直抗力はN=mgcosθで、摩擦力fは摩擦係数を用いるとf=μN=μmgcosθとなります。

物体が動き出す瞬間(角度θk)には、斜面方向の力はつりあっているので、
 mgsinθk=f=μN=μmgcosθk
が成り立ちます。これを解くと
μ=sinθk/cosθk=tanθk
です。
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この回答へのお礼

詳しい解説ありがとうございます。
これからの勉強の参考になりました^^

お礼日時:2003/08/21 21:34

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