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No.5
- 回答日時:
イデアとは、概念である。
馬や犬、富士山の様な美しい山等、物的なイデアもあれば、国家や善と言った観念的なイデアもある。一々対象を調べて、その正しい操作方法を確認した上で行動するのは無駄である。犬は近づくと攻撃して来るか、それとも尻尾を振って来るか。餌をやると懐くか。一人で寂しいとき、一緒にいて慰めてくれるか。それらを、一々実験し確認してから、犬を飼うのでは時間が掛る。犬は人に懐き、主人に忠誠であると言うイメージに、犬を飼い友として暮らすと言う行動様式が結合すると、犬と言う概念となる。
概念が成立すると、一々、犬とはどういう存在で、それに対してどう行動したら良いのかを確かめなくても、正しい行動が取れるようになる。
プラトンが追求した、国家のイデアも同様である。人の集団は、どの様な形態を取るのが正しいのかを実験し、確かめてから国家を形成するのでは、何時までたっても作ることは出来ない。正しい集団の形態のイメージに、そこでの決定に従うと言う行動様式が結合し、国家と言うイデアが成立する。これで人は、一々考えなくてもイデア=概念により、国家を形成することが出来る。
人は、イデアを生まれながらに漠然とした形で持っている。経験により、それらは具体的なイデアとなる。例えば、自分を襲う鬼や怪物と言う恐ろしい生き物のイメージや、自分の友となる忠実な生き物と言ったやさしい愛らしい生き物のイメージを、人は生まれながらに漠然とした形で持っている。これらが経験により、トラ・ライオン・オオカミと言った具体的な猛獣の概念となり、また犬や馬と言った家畜等の概念となる。
ただ、イデアは典型的な形で成立するので、個々の場合には、その性質を確認する必要がある。犬にも、獰猛は犬もいれば、知らない人にも尻尾を振る犬も居る。この犬がどう言う性質を持つ犬かは、ある程度確認する作業が必要となる。
国家も、細部については、どの様な形態が良いか思考錯誤が必要となる。この様に、ある程度性質を確認した後に、人は行動する。これなくして、典型的なイデアに固執し、それと結合した行動様式を取り続けると、イデアは固定観念となる。
この様に、イデアは概念であり、大筋で人間を正しい行動に導く心のソフトウェアです。しかし、イデアは典型例をモデルに作られています。個々のケースでは当てはまらない場合も出てきます。その時、悟性により場面をシミュレーションして結果を見ながら正しい行動を判定します。この悟性が知性です。
No.4
- 回答日時:
馬という生物がいます。
馬という生物は地上に何匹もいます。それなら『馬の形の手本』が存在するはず。そのお手本を参考にして地球の馬が作られたはずだ。そうプラトンは考えました。
馬という形を1匹1匹0から考えるのはあまりにも骨が折れます。かといって前に作った馬を参考にしたら、馬を作っているうちにいつの間にかに形が変化してしまいます。地球の馬はほとんどが似た形の馬です。それならその形作りのお手本があるはず。そのお手本が住むのがイデア界です。
彼の『馬、牛などの全ての生物のお手本(原型)が住んでいるイデア界が存在する』
というのがイデア論です。
中継出版のセンター試験がよくわかるシリーズ、黄色い表紙に女性の絵が書いてあるもの。
倫理の参考書ではあれが一番分りやすく書かれていると思います。買って読んでみてください。表紙は子供っぽい印象ですが、中身は骨太です。
なお倫理用語集も安くて情報量が多いので買って損はしません。
私も勉強になりました。有難うございました。
No.3
- 回答日時:
プラトンのイデアとは
我々はリンゴ・ボール・太陽は丸いと思っているけど
「丸い」というものそのものは、この世界には存在しません。
それでは、我々は「丸い」と考えることが不自然になってしまいます。
「丸い」はイデアの世界に存在するということです。
良い・悪いもイデアの世界に存在しています。
表現が良くありませんが、イデアの世界は、理想・あるべき姿
が存在しているという事です。
これは何を意味するかと言うと、この現実世界をイデアの世界が
背後で支えてくれたいるという思想です。
となれば、人間も元々はイデアの世界に存在し、そこからこの世
に派生したということになります。
イデアとは物の本質ということを定義した思想です。
No.2
- 回答日時:
ソクラテス「長さを2倍にした正方形は何倍の広さになるかね」
青年「2倍です」
ソクラテス「ほんとうにそうだろうか。図を描いて考えてごらん」
青年「あっ4倍でした」
『メノン』において,たしか奴隷青年とこんな対話があって,想起が何であるかをメノンに実証して見せた。無知であるとされている青年は,始め誤った思いなしを持つのだが,ソクラテスに導かれて正しいことを想起することができた。ソクラテスが教えた訳ではない。人間は正しさのものさしのようなものを潜在的に持っているのだ。このように想起される知はいったいどこから来るのかは分からない。また徳そのものの探求は,今は未完であるが,この正しさの想起があれば「徳はなんであるか」を知ることが可能であると期待することができる。
『パイドン』において,霊魂の不滅を主題として,いくつかの観点から言論される。オルフェウス教(だったと思うが)の輪廻転生説も語られた。
何にせよ,何かの多様な属性は経験知から相違点として得られるが,何かの(多様の中の共通の一を帰納して得られる)本質を探究する場合,本質(それそのものの知)が何もないところから現れると言うのは不思議なことであって,本質(それそのものの知)は潜在的に存在していることが要請される。輪廻転生説はうってつけの寓話であるが,理論化のために怪しいところを省いてイデア界を構想したのだと思う。
想起説を本質的認識(知識獲得)の根拠として理論化したのがイデア論であり,イデア界は本質空間であると思う。その理論がなければ相対主義者や懐疑主義者に「本当のことを知ることはできないのでは」と知ることの意義を問われかねない。あなたの解釈では,ミュートスとして語られる前半の寓話の部分は時を選んで使うのがよいと思う。
No.1
- 回答日時:
「人間は万物の尺度である」の言葉ぐらいしかしりませんが。
プラトンと同じ時代の。デモクリトスというのが、哲人=知恵者、
だったようで。
プラトンはデモクリトスの知恵を怖れ、彼の書を買い占め、出回らないようにした。
という話があります。神をもまごう知恵、プランンを超える哲学者は現在にいたるまで、
登場していない。という西洋哲学の評価は、キリスト教思想=復活したユダヤ思想。
からの評価であり。プラトンは、自分より優れた知恵を否定、抹殺、しようとした。
思惑愛好家を脱していない。との見方も出来ます。
デモクリトスには、インドに渡り、インドの修行者達と交わり学んだ、という経歴があり。
デモクリトスの思想は、インド哲学、あるいは、仏教、の思想であった筈です。
古代インドの修行者とは、釈迦以前は、バラモン階級の子弟であり。指導者となるべく
、生まれ、育てられる。学問を修めた後、40歳までは結婚をしてはならない、
女人と交わってはならない。という戒律の基、一人修行の旅、悟り=知恵、
を求めての修行、をすることが、義務づけられていた。
「孤独なさすらいのみが人間の精神を高める」(ニーチェ)という思想です。
プラトンの、哲人政治。幼い頃から、素養のある子供を集め、特別教育をし。
哲人に成長に成長した者に、罰として、交代で君主になってもらう。
という思想は、バラモン階級の創設、模倣、と見れる。
西洋の歴史の中で、異常に知恵が突出している。と言われる、ギリシャ哲学
の時代は、多分を付けずとも、インド哲学の流入によって起こっている。
古代ギリシャの宗教、神々の神話、を信仰の対象とする多神教。まで
ヒンズー教の形態と同じなのです。
そう考えると。ご質問のイデア論、イデア界、という考え方は。
かの世、悟りの世界、涅槃、静けさの世界、知恵=真理、の世界。
という考え方の模倣?ではないでしょうか。
もう一方の見方は。
イデアと同義とされる。エイドス(実相)という言葉、概念がありますが。
同義とは、イデア=エイドス イデア×エイドス=真理 という考え方。
イデアとは、実相と一致する知恵、考え方、である。
これが、イデアがアイデアの語源となっている、由縁。ではないでしょうか。
ギリシャ哲学は、アリストテレスの形而上学によって、完成=終焉、となったようですが。
同じ時代に、アリストテレス大先生の努力をあざけるかのように。
仏教修行者そのもの、と言える。樽の中の哲人、
デイオゲネスが登場しています。
人間は、執着を捨て、今、を(正しく)生きるしかない。というデイオゲネスの考え方
は、後の西洋思想には、理解出来ない。デイオゲネスコンプレックスなどとの評価しか
出来ない思想になります。
ギリシャ哲学の頂点は、デイオゲネス、ではないでしょうか。
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