最近フリージャーナリストが一人殺されましたが、この事件に関する報道量がすごいと思います。
想像するに、フリーお笑いタレントが殺されてもものすごい報道量になると思います。
一方、フリー哲学者とか、フリー物理学者あるいは、フリー大工などの職種の人が殺されたときにはどの程度の報道量になるのでしょうか?シリアでは2万人もの人々が殺されているそうで、各種の職種の方が犠牲になっているのですが、ジャーナリスト以外はまったく顔が見えず、ただの数に思えます。
ニューズバリューが職種によって異なるということは、職種によって命の価値が異なることを意味するのでしょうか。
命の価値を構成する各種要素のばらつきにすぎないのでしょうか?
すなわち、ニュースバリューという価値が少ない分、他の価値が多くて、合計した命の価値が同じという理解が正しいのでしょうか?
社会的な生物としての人の命の価値は同一なのか大きく差があるのか、お考えをご教示ください
No.2
- 回答日時:
職業ではなくどのように殺されたかで報道の仕方が変わるでしょ。
フリージャーナリストが痴話喧嘩の末にナイフで刺されたのなら新聞に一行出れば終わり
フリーの大工でもシリアの避難民のために家を建ててる時に流れ弾に当たったなどの状況なら大きく報道されるでしょう。
でも、普通は大きく報道される可能性がある紛争の渦中にある地域に哲学者や物理学者、経済学者、大工、は行かないでしょ。
ありがとうございます。
でも、そのシリアの地で、すでに2万人もの各種の職業の方々が殺されていると聞きました。
今回、日本人のフリージャーナリストの死に関して、情報が世界をかけめぐりました。
No.3
- 回答日時:
質問者様の質問の中ですでに
言葉の使い分けが行われて
いますが、
「ニュースバリュー」はそのことば
通り「報道情報としての価値」の大きさ
しかありません。その価値が「一般人の死」
「有名人の死」で後者の方が高いことは明白です。
しかし「報道回数が多い=命の価値が高い」は飛躍
しすぎです。そもそも「報道されると価値が高い」という
理屈が成り立っていません。
命の価値とは「人権」を意味するのではないでしょうか。
人は生まれながらに人権を有しています。それを有している、
ということが「命の価値」であり、「人権」は平等です。
評価や注目度で上下するものではないと思います。
ありがとうございます。
>「有名人の死」で後者の方が高いことは明白です。
同意します。
しかし、今回、無名のフリージャーナリストに関してものすごい情報量なので疑問に思った次第です。
訃報を電話で聞くご尊父様の映像まで撮影してあるので、ヤラセもあるのかなどと訝っていました。
No.4
- 回答日時:
ニュースバリューによって、命にも軽重があります。
ニュースは、ミ~ハ~が話題にしないのはニュース価値のないニュースとランクされます。隣のおばさんの死亡は、ご近所の方にも浸透するかは未知数ですが、総理大臣の死去については、全国民は、その日のうちに知らされます。
ニュースとはそんなものです。中には、もうたくさんだというのに、しつこく報道するものも含まれます。そんな時は、ミ~ハ~が、話題にするようなニュースが少ないかないからです。
命は、地球より重いとどこかのお偉いさんが言いましたが、軽いから、殺し合いが無くならないのです。地球より重かったら、そのうち自転しなくなるのかしら・・・・・
ありがとうございます。
今回のニュースはミ~ハ~が話題にしているのでしょうか。
人間の命なんて軽いのに、なぜフリー・ジャーナリストが取材中に死ぬと重たくなるのでしょうか。
フリー・ジャーナリストもメディア・ビジネスの内側の人だから特別に扱うのかと思ったりします。
警官にとって、警察官の命は、一般人の命よりも重要なのですが、同じようなインサイダーとしての特別扱いがあるのかと思いました。
No.5
- 回答日時:
フリージャーナリストの命が高価値だというのは、あると思います。
なぜなら格好いいので。戦争報道のために命を捧げているという側面もあるし、何よりそれをフリーでやっている所に、庶民受けしやすい格好よさを含んでいます。
対してフリー哲学者やフリー物理学者の命の価値は、それと比べると低い。なぜなら単に格好わるいので。 というのは彼らがフリーなのはポリシーによるものでなく、単にアカデミックな職を見つけられなかったからにすぎず、かりに東京やロスに職があるなら喜んでそちらへ行ったに決まってるからです。
「フリー大工」は、ボランティアという意味ならやや格好いいかもしれない。いずれにせよ殉職という要素を認められるか否かと思います。
ありがとうございます。
話が噛み合っているようで嬉しいです。
命の価値は「格好良さ」と正の相関関係があると考えるのですね。
格好良さの順位=命の価値が大きい順位は以下のようになるのでしょうか。
1.フリー・ジャーナリスト
2.営利企業に雇用されているジャーナリスト
3.フリー大工(採算度外視して、住民のために骨を折るオヤジ)
4.雇用されている哲学者や物理学者
5.フリー哲学者、フリー物理学者
たしかに、雇用されていない哲学者や雇用されていない物理学者は、別名失業者ともみなされるわけで、格好良くないですね。
しかし、格好悪い=命の価値が低い、と断言するのは躊躇しますね。
あと、フリー・ジャーナリストの命の価値は、生きているときに小さく、死んだ時点で価値が極大化するという現象もあるでしょうか。
もし、生前と死後で命の価値が変動するかどうかに関して、論考がありましたらよろしくお願いします。
No.6
- 回答日時:
この御題ですが、要件から「フリー」を外したらどうなるかとの問も同時に成り立つと考えますので、少しお付き合いをお願い致します。
「フリージャーナリスト」と「ジャーナリスト」では「どこが異なりどこが同じか」との問題に際して寄せられる答にも幾つかのカテゴリーがありえるでしょう。これは「ジャーナリスト」をどの様な「職業に従事する人と認識するか」との問に派生する問題です。
(1)クオリティ・ペーパーとしての報道活動に従事する者。
(2)興味本位の雑誌などイエロー・ジャーナリズムに記事や写真を売ることを生業とする者。
極論すればこの二つに区別されることは従来から指摘もされています。そして一部には「○○新聞(元々は○業○済新聞の略称)」などの「私見を報道の一部と見なして社説を論ずる」向きもあるなど、かなりの幅があることも確かです。
もしこの両者の間に何処で線引きをするかといえば、「事実を伝える」と「事実を評価する」の違いでしかないと僕は考えます。こうした意見には必ず反論が寄せられることも確かで、それでも敢えて「ジャーナリズム本来の姿形のありかた」に視線を向けるなら、僕は「事実を伝える」以外にジャーナリズムの仕事はないのではないかとある種の青臭い書生論に与せざるをえません。
戦前の桐生悠々政次や菊竹六鼓、そして戦後のむのたけじ、西山太吉、児玉隆也、筑紫哲也といった先人達、更にはエドワード・マローやディヴィット・ハルバースタムそしてボブ・ウッドワードピーター・アーネットは何よりも「事実」に拘泥し、その事実を包み隠さず白日の下に曝す手法を選び、その「解釈」はメディアの向こう側にいる読者や視聴者に委ねたことだけは共通しています。そのためにこれらの人物が唯一手にしたのは「言葉」という武器だけでしかなかった。確かに「武器としての言葉」の響きからは「煽る」とのイメージが浮かぶことも確かです。けれど「武器としての言葉」がその真価を発揮するのは「事実を告発し得た時」のみに限られもします。ですからジャーナリストにとってはそれが「唯一絶対の切り札」でありまさしく「伝家の宝刀」であるといっても過言ではないでしょう。
「お笑いタレント」にもジャーナリストに共通する「これだけは譲ることができない部分」は絶対にあると思う。仕事としては馬鹿げたことを「演じてはいる」けれど、彼らも「プロの芸人」であるならば、素人と一線を画するだけの「何か」があって、それは「プロの芸人であろうとする意地」ではないのか?と僕は勝手に考えてもいます。
例え身内に不幸があっても、舞台や高座があったなら迷わずそちらを選ばざるを得ない。本当ならば病院に駆けつけて親族の側にいてやりたいけれど、自分がプロの芸人ならば自分を待っているお客様のために舞台に穴を空けることは決して「許されるべき」行為ではない、との誇りにもちかい自負の念が無意識の間に働いているとも思われます。
話は横道に逸れてしまいましたが、土煙や白煙が上がっている下には幾つもの生命があり、それぞれの数だけの物語もある。その「言葉」を伝えることがプロとしての自分達の仕事ならば、それを果たす以外に仕事はない。もしこの一枚の写真が生命や物語を紡ぐことになっても、それは仕事に対する「評価がもたらした結果」であり、自分という存在とは無関係である、と考えていると僕は考えます。
こうしたことからフリーランスであるか組織に所属しているかの分別よりも、僕は「その人物が仕事に携わる者としてプロであるかどうか」が判断の分かれ目であるとの結論を持ってもいます。
以前は「大学名の枠に囚われ」学問領域としての活性化に停滞の観られた時期もありましたが、少なくとも一部(東大本郷の五味グループ)を除いて、歴史学の分野では「その分野の研究動向に関心がある者」だけを唯一の参画要件として、研究のアクティブ化に往年の勢いが戻りつつもあります。プロの人達が何時しか忘れていた「初心」をアマチュアは忘れずに持っていたり、プロでは気の付かない「発想」が時として突破口を開いたりなどの事例に出会ったことも数知れません。
新聞の訃報欄に名前が載るかどうかよりも、一人のかけがえのない人物を喪ったことの意味が大切であると僕は感じます。有名な会社の経営者が他界した時には新聞で告知が為されます。葬儀の場に脚を運ぶ人も「故人と個人的な関係のある人」と「会社として付き合いのあった人」に分かれます。会社ならば「次の経営者を選ぶ必要」があって、その人が選ばれた後では「この前までそこに居た人」は次第に人の記憶から遠離ってもいきます。
一方「プロの仕事人」としての仕事を遺した人は何時までも人の記憶の中に生き続ける。組織が大きくなればなるほど生身の人としての形からは離れていく時間も早い、皮肉な現象ともいえるでしょう。
フリーで腕良い大工さんに建ててもらった家が住み心地の良い空間だったら、そこに住み暮らす人にとってその建物は生涯忘れられない贈り物であり、大工さんは忘れることの出来ない人ともなる。
一つの歴史事象をめぐり、数や規模によって「あれは捏造だ」や「事実だ」との評価が分かれる問題もあります。こうした大人げない遣り取りを見聞するにつけ、「それによって生命が失われたり負傷した」との事実が捨象化されてしまうことが僕は空恐ろしいと思う。一人の生命も百人の生命も、それだけで世の中に存在していたわけではなく、その背後にはその人が関わってきた人の数だけの哀しみもあるはずです。こんなことを考えながら、中島みゆきの『永久欠番』を聴いています。取り留めのない話になってしまい申し訳ありません。
長文のご回答ありがとうございます。
そのフリー・ジャーナリストが立派な仕事をしたのなら、同業者として、彼女の仕事(映像)を再放映するなどしてもよかろうに、そんなことをする同業者はおらずに、ただ事件性が高いとばかりの報道に終始しているように見受けられました。ですから「プロの仕事として高く評価」しているようには思えませんでした。
No.7
- 回答日時:
英語のウェブサイトで恐縮なのですが、
http://www.un.org/News/Press/docs/2006/sc8929.do …
2006年に、紛争地域で取材するジャーナリストに対する攻撃を批難する旨、国連セキュリティ・カウンセルで全会一致で決議されました。ユネスコでも、同じような採択がありました。
これは、報道の自由を尊重すると共に、紛争地域に入り込んで、その実態を知らなければ、その地域に住んでいる人々を無益な暴力から守ることができない、との考えから派生したものです。
紛争地でのジャーナリストの死が大きく扱われるのは、UNやユネスコの警告に反する、あるいは報道の自由を踏みにじる事件だからですが、報道関係者の内輪のことだからかも、と感じることもあります。
日本人女性ジャーナリストの日本での報道がどのようなものなのか、無知な私ですが、紛争地域を取材するには、現地の人たちとの繫がりと支援が必要で、そうでなくては、生きて帰ってくるのは、ほぼ絶望的です。
ニュースを聞いて、お亡くなりになったジャーナリストの方に、それだけの下準備があったかどうか、疑問に感じました。その辺り、教えていただけると、大変嬉しいと思います。
拙い日本語で、失礼しました。判らないところがあったら補足なさってください。
(追加)大工さんや、お笑いタレントが紛争地にいる、ということは、外務省の警告を無視してそこにいるということなので、危険は承知のうえ、ということになります。お仕事でいる場合にも、ジャーナリストとは、少し趣が違うと思います。
No.8
- 回答日時:
深夜に再びの回答です。
♯7の方が国連やユニセフといった政治組織による声明を根拠としてジャーナリスト個人に対する肉体的および生命の危機の問題と話されていましたが、僕は別の側面から考えて再回答いたします。「国境なき記者団」(フランス語名のRSF、英語名でのRWB)とのNGOがあります。文字どおり言論の自由(または報道の自由)の擁護を目的として「ジャーナリスト」によって設立された非政府組織です。彼らは拘禁されたジャーナリストの救出、死亡した場合は家族の支援、各国のメディア規制の動きへの監視・警告活動を行うとの趣旨に即して「第四の権力」として政治を監視する。だから時として当局側からは目障りな輩との扱いを受けることも数少なくありません。けれども近代社会で最も大切であるべき「言葉の自由」に箍がはめられたならば、それは同時に「言葉の死」をも意味するに等しい。画家が絵画を、音楽家が音楽作品を媒介としてメッセージを発するように、ジャーナリストにとっての唯一の武器はやはり「言葉」でしかないと思われます。
実際に国連やその他の国際機関が介入する形で紛争解決に至ったケースがどのくらいあるかと考えるならば、ベトナム戦争でも国連は機能せず、また湾岸戦争でも多国籍軍を送ったものの火種は残り、それが新たな形で再燃したのがアフガン・イラク戦争だったことも明らかで、膨大な犠牲を伴って一先ずの終結を迎えたのはつい先日のことでした、それも「タイム・スケジュールどおりの計画」とやらによるアメリカの一方的な撤退で、後に残されたバクダッドの市街地は今でも自爆テロ行為が絶えないとの現実に直面し続ける日々が続いている。
そうした光景を見るにつけ感じることは、統制された擬似報道とジャーナリズムの間にある温度差ではなかろうかとの煩悶です。
シリアの銃撃に斃れた女性ジャーナリストはこれまでもアフガンをはじめイラクなどの文字どおり最前線での取材活動に従事してきた人物でもある。2004年にイラクで人道支援活動に従事していた三人の日本人がゲリラに拘束されたことに対して、浴びせられた当時の言葉は「自己責任」として非難する向きが多かったことも記憶に新しいが、こうした情報発信はアメリカ在住の日本人やらネット右翼に特徴的に観られる現象でもある。
彼らがイラクに行った理由も知らず、彼らがイラクで活動していた背景も知らず、自らを安全な高見に置いて観察し評論するだけで、しかも一人では発言することもできないほどの臆病者でもある。だから一人で多くのIDを使い分け、さも同調者が数多くいるように振る舞うことでの自己満足を得ることしかできなかった。
「あの場所に私を待ってくれている人がいる限り、私は何度でもあの場所へ行く」、こうした人道支援活動に従事する人達を陰から支えるのもジャーナリストとしての使命の一つであることも確かです。そこには名誉や野心もありません。あるとすれば「真実を知りたい人に真実を伝える仕事に従事する者が当たり前の仕事をした結果」だけなのですから。
No.9
- 回答日時:
”社会的な生物としての人の命の価値は同一なのか大きく差があるのか”
↑
これは人によって異なると思われます。
木造さんだって、家族の命と他人の命とでは価値が異なると
感じるでしょう。
それと同じだと思います。
報道機関にとっては、報道関係に従事する人間の命の価値は
他の価値よりも重いのです。
問題は、公平な報道をすることを建前としている報道機関が
それで良いのか、ということです。
回答ありがとうございます。
>報道機関にとっては、報道関係に従事する人間の命の価値は他の価値よりも重いのです。
同意します。報道関係者は、人命の価値に差をつけいていると思います。
警察が警察官の命を一般人の命よりも重視するのと同じですね。
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