最近JANTZENの無誘導巻線抵抗(緑色の)をスピーカーネットワーク用の抵抗として多くのショップが販売するようになっています。
もちろん売れるから取扱店が増えているのだと推測できます。
しかし、ネットで検索してみると、ほぼショップの販売のもの(販売者側)しかヒットしません。
この抵抗についての評価のような記述(ユーザー側)はわずかに1件しか見つけることができませんでした。
以前はDALEの無誘導巻線抵抗(NS-10)が良いだの、MILLSが良いだの、試聴記が結構あったのですが。
これは、もはやJANTZENの1人勝ちで、DALEなど他のメーカーのものは使われなくなってきていて、論ずるまでもなくなってきているから、ネット上の論評も無いということなのでしょうか?
私の駄耳では、JANTZENのは確かに鮮度が良いように思いますが若干どこか歪んでいるように聞こえるし、DALEのNS-10は、比較すると鮮度が落ちるように聞こえます。エージングが足りないだけかもしれませんが、50時間ほど使用した段階では、DAYTONのオーディオグレードのセメント抵抗と大差は無いと感じてしまいます。DAYTONのセメント抵抗は逆にそれなりに他のセメント抵抗に比べれば優秀だとは思いますが。DALEは価格ほどの良さを今のところ感じられません。
もっとエージングが進めば、鮮度が上がったように、もしくは、1枚曇りが取れたように聞こえるようになるのでしょうか?それとも、このままなのでしょうか?
要するに、世間では既にJANTZENの無誘導巻線抵抗で結論が出ているのでしょうか?
皆さんの評価はどうでしょうか?
No.4ベストアンサー
- 回答日時:
>> あくまでも、フルレンジスピーカーを使用して聞き比べてみると違いが判るということであって //
先にも書いた通りですが、マルチウェイだとコンデンサやコイルの方が影響が大きいので、抵抗器による違いはほとんど目立たないと思います。
また、フィルター特性の違いはコンデンサやコイル以上なので、極端なことを言うと「下手くそな設計で1個1000円のパーツ」よりは「上手い設計で1個100円のパーツ」の方がまともな音になります。抵抗器は、アッテネーターとインピーダンス補正に使う訳ですが、100円のセメント抵抗から1000円の無誘導巻線抵抗に変えるより、能率を0.1dB変える(ために抵抗値を変える)とか、Zobelのコンデンサの容量を0.1uF変えるとかの方がハッキリ変化します。
ですので、フルレンジ1発の場合に抵抗器のブランドやグレードの違いが分かるとしても、マルチウェイではもっと優先順位の高い部分がある訳です。精神衛生的な面は多分にあるので、「知らない方が良かった」類いの話かも知れませんね。
まあ、その手の話はたくさんあって、いわゆる周波数特性よりも高次歪みの特性の方が聞こえ方に影響しやすいようだとか、バッフルステップ補正とか、回折の影響とか、日本ではほとんど聞かれないけど海の向こうでは設計段階から当たり前のように考慮している、という事柄は少なくなさそうです。
ネットワークに関しても、日本ではコイルの直流抵抗値さえ無視する勢いですし...
ともあれ、あまり抵抗器に関しては頓着しないで、珍しいものを見つけたら取り替えて試してみる、程度で良いのではないでしょうか。どうしても気になるなら、いっそうのことチャンネルディバイダとマルチアンプという話もあります。
>> 言語の違いがコンデンサー等の評価にも違いを与えると思う //
言われてみれば、それは確かにあるかも知れませんね。音楽的・文化的な背景の違いも無視できないでしょう。
ただ、具体的にどのように影響するかは議論の余地がありそうです。日本語は、母音のバリエーションは少なく、子音がハッキリした言語だと聞くので、むしろ子音が明瞭な音が好まれるかも知れません。この辺りは、言語学の話になると思うので何1つ分かりませんが、いろいろなスピーカー(コンデンサなどのパーツ単位でも)を同一条件で測定して、スペクトログラムを比較すると何か特徴が分かるかも知れませんね。
再度のご回答ありがとうございます。
本当、知らない方が良かった、テストなんかしない方が良かったかも、と思います。
ネットワークの組み方については、私はあまり複雑なことができないので、どうしても1次、せいぜい稀に2次までのものになっています。1次でなかなかうまく行かないというときに限ってのみ、2次まで試してみるということをやっています。それも、いくつも銘柄やグレードを変更してから、しぶしぶです。
1次のものがほとんどなので、この場合は、1つの抵抗、コンデンサ、コイルに重点が置かれ、その質とか値段に執着し過ぎていたのでしょうね。
でも、本当はその組んだネットワークから出てくる音が気に入らない原因が、コンデンサや抵抗の銘柄の特徴にあったのではなく、ネットワークの設計に問題があった、ということの方がたぶん多かったのでしょうね。
0.1dB、0.1μFを変化させるために部品を再度通販で取り寄せる、もしくは、あらかじめ多くの定数のものを準備しておく、というのが貧乏性の私にはなかなかできなくて、極端な話をすると1.0dBや1.0μF刻みで部品を変更して見て、だめなら、メーカーやグレードのせいにしていた、ということなのかもしれません。
基本理念として、できるだけ少ない部品しか通過させずにシステムを組むことによって、より鮮度の高い音を目指すということが私のなかにあったのも、それに越したことはないのかもしれないけれども、ちょっと無理があったのかもしれないのでしょうね。
ですから、マルチウェイの場合には、一つの部品よりも、もっと優先順位が高いものがあるというお話はとても勉強になりました。
チャンネルディバイダとマルチアンプについては話として聞いてはいるのですが、私の理解は、スピーカーのネットワークの役割をチャンネルディバイダが行っているのみで、結局、その内部では多数のコンデンサ、コイル、抵抗器を通過した鮮度の低い音が出ているはず。という程度でしかありませんでした。
そのため、できるだけ少ない部品で音を出して、より鮮度が高い音を。という理念から外れるシステムだと思っていたのです。
それから、やはり貧乏性で、一つのパワーアンプに特定の帯域しか音を出させないと、他の帯域の部分が損をしている、もったいない。とか、他の使用しない帯域の部分は、使用しなくなることに起因するアンプの劣化を招くとも思っていました(実際はどうなんでしょうねえ。)。
でも、何台もアンプを所有しているのに、聞くときは現状では1組のプリとパワー、もしくは、1つのプリメインのみにどうしてもなる訳で、よくよく考えてみれば、その瞬間に使用していないアンプの方が確かにもったいないね、とたった今気が付きました。
確かに、このアンプは高音の伸びが好き、とか、このアンプから出る低音が好きとか、それぞれのアンプには確かに個性があります。その個性をチャンネルディバイダというのは活かせるのかも知れないですね。
もっとも、そのチャンネルディバイダをどのように設定するのかが、また新たな問題になってくるのでしょうが。
Yorkminsterさんは、チャンネルディバイダを使用したシステムと、マルチウェイのシステムとでは、どっちが、お好きなのでしょうか?
世の中には戦争が起こっている地域や、震災にあっている地域さえあるというのに、こんなことで悩むなんて、本当に我々は幸せですね。
本当にどうもありがとうございました。
No.6
- 回答日時:
>> どうしても1次、せいぜい稀に2次まで //
なるほど。
ご存知かと思いますが、ネットワークの遮断特性はドライバのインピーダンスに左右されるので、特にウーファーのようにインピーダンスが大きく変わる(そしてその大きく変わった部分がカットオフ周波数に当たる)場合は、計算通りの遮断特性になりません。下手をすると、ほとんど遮断していないケースもあり得ます。そのため、ウーファー側のフィルタは、1次でも2次以上でも、インピーダンス補正回路を一緒に組み込む方がベターでしょう。
また、多くのウーファーは高域に(分割共振などの影響で)ピークを持っていたり、(周波数特性図には表れない)高次歪みが多く出ていたりするので、1次フィルタだとこれらを十分に切りきれないことが少なくありません。凝り始めるとゴチャゴチャしてきますが、2次フィルタにインピーダンス補正回路とノッチフィルタだけでもかなり落ち着いた特性になります。
>> きるだけ少ない部品しか通過させずにシステムを組むことによって、より鮮度の高い音を目指す //
それも一理あります。部品点数が増えると鮮度が落ちたように聞こえる場合や、鮮度が落ちるというより個性がなくなるような場合もあります。反対に、複雑怪奇なフィルタできっちりコントロールした方がスッキリする場合もあって、一概にどちらが良いとは断言できません。
好みの問題もあって、多少歪みっぽい音の方がクリアだと感じる人もいるので、そういう意味で「押さえつけられていない音」が良いという場合もあるでしょう。
>> スピーカーのネットワークの役割をチャンネルディバイダが行っているのみで、結局、その内部では多数のコンデンサ、コイル、抵抗器を通過した鮮度の低い音が出ているはず //
アナログ式の場合は、ふつうはCR共振を使っていると思います。デジタル式だと、こういう意味での「色づけ」はない反面、サンプリングの質の良し悪しといった別の問題も出てきます。また、いわゆるパッシブプリのように、能動素子を嫌う向きもあります。
他方、パッシブのネットワークだとスピーカーに応じた特性、たとえばノッチフィルタであったり、いわゆる2次フィルタでもバターワースかベッセルかリンクウィッツ・ライリーかといった細かな変更が可能です。この辺りは、チャンネルディバイダでは真似しにくい部分です。
だんだん本筋から離れてきた気がするのでそろそろ止めますが、けっきょく何をやっても一長一短で「これぞ」という決定打はないでしょう。そもそも「色づけのない音」自体、個々人の主観的な基準でしかない訳で、どうするのがベストかは人によって異なるとも言えます。
スピーカーの自作は、あーでもないこーでもないと試行錯誤する過程が楽しいという側面も大きいので、いっそうのこと割り切って「悩むのを楽しむ」と考えるのが良いかも知れませんね。
実はインピーダンスの補正回路すら入れたことがありません。
お話を伺っていると、まだまだ、ずいぶんと奥が深そうなネットワークの世界ですね。
尻込みして最初からネットワークが簡単になりそうなユニットばかりを選択しそうです。
でも、そんなことを言っているからスキルが上がらないのでしょうね。
おっしゃられているとおり、悩むことが趣味の醍醐味ですよね。まったくです。悩んでいるうちが楽しくて、解決してしまうと、すぐ次を求めてしまう。そんなことを繰り返して物が増えていく。
時々、今回のような質問をさせていただくので、また懲りずにご回答をいただけると本当にうれしいです。
また、どうかよろしくお願いいたします。本当に楽しかったです。
No.5
- 回答日時:
無誘導といいつつ若干のインダクタンスを持っているとこが多いです。
ローカットしたツイーター単体に入れて聴けばわかりますが、無誘導コイルを入れるだけで音圧が下がるだけで無く、ハイ落ちもしますよ。
ミッドの音圧を調整するなら同時にツイーターのローカットも調整しないとね。
ご回答ありがとうございます。
どこのホームページだったかは覚えていないのですが、無誘導巻線抵抗の巻き方は実は3種類あると記載されていました。
そのうちの一つは、ただの巻線抵抗とどこが違うのだろうというものもありました。
そして、そのページでは、いくつもの銘柄の抵抗をスケルトンにしてあり、実際は無誘導巻きではないものがあることを暴露していました。
私はインダクタンスを計測する機械は所有していないので、メーカーの記載を信用するしかないのですが、
ハイ落ちするものまであるのですね。
アンプの部品として使用する抵抗器について、無誘導巻線抵抗がスピーカーネットワークでは喜ばれているのだが、アンプに使用する場合はどうなのだろうか?と言って論評していたホームページもまた別にありました。結論は、ダメだ。ということでした。
といっても、アンプの内部部品ですから、100kHzとかの辺りが問題とされていたのですけどね。
まさか、そんな、可聴帯域でハイ落ちするなんて、ツイーター側には使用できないですね(自分が試した中でそういえばと思うのは、ひょっとして、買収されてからのMILLSのホーローのですか?)。
本当にどうもありがとうございました。
No.3
- 回答日時:
はじめまして♪
DALEの無誘導巻線抵抗器はアンプ測定用のダミー抵抗としてだけを所有しています。
JANTZENはコンデンサーしか所有経験は無いですねぇ。
自称、スピーカー工作ファンです(笑)
スピーカーネットワークに抵抗が必要な際は、結果的に安価な汎用セメント抵抗を利用しています。
おもにインピーダンス補正回路部ですけれどね。
私個人ではスピーカーユニットに対して直列利用の抵抗器はかなり昔から使わないようにしています。
音と言うより、精神衛生上の感覚なんでしょうけれど、高域ユニットのレベル差をアッテネーターで押さえるのはPA用の自作スピーカーでは大前提ですけれど、個人で楽しむオーディオではコンデンサーの容量で対処しています。
極端な例が20センチフルレンジに追加したツイーターに0.47μFの組み合わせ。そういうのも在るのですね。
ご回答ありがとうございます。
実はスコーカーのネットワークに使用しているのです。
もう少し考えてみたら、ひょっとしたら、3ウェイ全体でのバランスにも配慮が必要なのかも?と思うようになりまして、こればっかりは、とっかえ、ひっかえ、やらなければならないようです。
要するに、抵抗器単体のテスト結果が、そのスピーカーシステムでのベストな選択とは必ずしもならないのかもということです。
結果セメント抵抗が一番良かったということもあるかもです。
ツイーターのレベル調整ですが、私は固定抵抗派です。コンデンサでの調整は私がヘタなのか、耳に障るような音にどうしてもなってしまって、うまくできたことが実はないのです。
こういうときは、コンデンサーの銘柄をとっかえひっかえ、容量をとっかえひっかえ、結局うまくいかず、抵抗を使用する。こんなことを繰り返しております。
ベテランの方は、この辺りの調整の塩梅がうまいのでしょうね。
また、よろしくお願いいたします。
No.2
- 回答日時:
>> JANTZENのは確かに鮮度が良いように思いますが若干どこか歪んでいるように聞こえるし、DALEのNS-10は、比較すると鮮度が落ちるように聞こえます。
//ほぼ同感です。DALEは高い割に期待はずれという感じでした。Jantzenは安い割に実用的という印象です。抵抗器に限らず、コンデンサやコイルも値段を考えれば優秀だと思います。Mundorfなどの安物よりは、Jantzenの方が良いでしょう(高いのは手が出せません)。
>> DAYTONのセメント抵抗は逆にそれなりに他のセメント抵抗に比べれば優秀だとは思いますが。 //
DAYTONは、抵抗器に限らず、値段の割にまともだと思います。Parts Expressのプライベートブランドですが、バイヤーがしっかりしているのでしょう。ネットワークパーツだけでなく、ドライバーなどもお買い得感があります。SEASやScan Speak、Morelなどと比べるのは、さすがに酷ですが。
>> もっとエージングが進めば、鮮度が上がったように、もしくは、1枚曇りが取れたように聞こえるようになるのでしょうか?それとも、このままなのでしょうか? //
あまり変わらないと思います。
ただ、抵抗器による音の変化はコンデンサやコイルの違いよりも小さく、これらパーツのブランドやグレードよりはネットワークの設計(定数など)の方が影響が大きく、エンクロージャーの設計やドライバの選択はさらに支配的なので、あまりに曇って聞こえるようなら、設計自体を変更した方が適切かと思います。
ネットワークは泥沼化しやすく、あーでもないこーでもないと高価なパーツを取っ替え引っ替えしていると、けっきょくメーカー製の高級スピーカーを買った方が安上がりだった、という笑えない話になりかねません。
>> 世間では既にJANTZENの無誘導巻線抵抗で結論が出ているのでしょうか? //
私自身も最近は時間がなくて離れていますが、そもそも日本ではスピーカー工作自体がメジャーではなく、せいぜいフルレンジにツイーターを足すくらいの人が多いように見えます。なので、コンデンサの話題しか見当たりませんが、それでさえ客観性の低いケースが少なくありません(まあ、評論家と称して主観的評価しか書かない国ですから、そもそもオーディオ全体にレベルが低いという説もありますが)。抵抗器の話題など望むべくもない、という気がします。
欧米ではスピーカー工作の雑誌が複数出版されるくらいなので、日本語で情報収集するよりは、欧米の著名な製作者やそっち系の掲示板を漁る方が有益かも知れません。
ご回答本当にありがとうございます。
私の抵抗器に対する評価に一定の共感が得られて、やっぱりそうだよなーと、一安心しました。
が、DALEが使い続けてもこのまま、となると高かった分がっかりです。
まあ、でも、あくまでも、フルレンジスピーカーを使用して聞き比べてみると違いが判るということであって、3ウェイスピーカーの一部分として、朝一からDALEのままにしておけば、特に音が曇っているという不満が持ち上がってくるということはないので、このままでものいいかな、とも思います。
ただ、自分自身がテストして抵抗器単品での聞こえ方が判ってしまっているので、精神衛生上、DALEがこの先バケてくれるのか?良いウワサと値段どおりのヤツなのか?ということをお聞きしたかったのです。
いかに3ウェイのネットワークといえども、自分が不満を持っている部品が混入していることは精神衛生上悪いですからね。
それから、海外の文献についてですが、言語の違いがコンデンサー等の評価にも違いを与えると思うのです。
というのは、例えばフルレンジにコンデンサー1発という場合でも、コンデンサーの銘柄によって、子音が聞き取りやすいものが恐らく高い評価が得られるのではないかと思うのです。
日本人からすれば、サ行がきついのは評価が低いですからね。でもこの方が英語は聞き取りやすい気もします。
ですから、同じ日本人同士の意見がやはりとてもうれしかったです。
本当にありがとうございました。
No.1
- 回答日時:
私も音には拘って、いろいろ試していますが、そこまでは。
今まで、スピーカーケーブル、コンデンサー、AC電源・・・・・誰が仕掛けるのか中には根拠のないヘンテコリンな視聴レポートが出回りました。恐らく、目隠しテストで分かるような音の差異があるとは思えませんが?薬の効果を試験する際、半分の人には小麦粉を与え、本当の薬の有効性を確認するそうです、それも、数百人規模で。
それぐらいの科学的な裏付けがあれば信用しますが。抵抗器のエージングって何なんでしょうか?スピーカーとか真空管とか電解コンデンサーは分かりますが、抵抗は使うほどに何が変化するのでしょうか?
この回答への補足
ご回答ありがとうございます。
私も以前は同じ考えでした。
まったく同じ電気信号が流れているだけなのだから、音が変化するのは、科学的ではない、と。
でも実際に試してみると、かなり違いがあります。
今回の抵抗器に関しては、フルレンジスピーカーのターミナルとアンプの間に直列に抵抗器を入れてブラインドテストしています。
実際に同じようにやっていただければ、実感ができるかと思いますが、購入してすぐの、JANTZENとDALEの無誘導巻線抵抗で比較してみると、片方は抵抗器を挿入する前後で音の変化があまりありませんが、もう一方は、かなり曇った音がします。何重にもベールがかかったようです。
この当時は断然DALEとされていたころですから、音の変化がない、すなわち、音の劣化が少ない方がDALEだと思ったら、逆の結果でした。
エージングについては、このDALEを50時間挿入したままにしておいて、再度、同様の比較をしてみます。すると、何重ものベールと感じたものが、せいぜい2枚ぐらいにまで改善しています。
アンプの部品としてのワット数の小さい抵抗器ではあまり感じることができないのですが、スピーカーのネットワークに使用する10W程度のものですと、このDALEやMILLSは使用時間に伴って、音が変化するようです。
アンプやスピーカーを自作される方は解ると思うのですが、抵抗器でもある特定の特にオーディオ用と銘打っているものは、すべてその抵抗器のみ使用すると、音がやたらきらびやかになっていたりすることがあります。
電解コンデンサーでも、同じことがありますよね。
スピーカーネットワークに使用する400Vなどの耐圧のフィルムコンデンサーとなると、電解コンデンサーとは違って、かなり巨大になります。
このフィルムコンデンサーでも、銘柄によって、サ行がきつく感じるもの、曇った電解コンデンサーのような音になるもの、やたらきらびやかな音になるもの、などなど、違いは大きいです。一番苦になるのは、長時間聴いていられないような音になってしまう場合です。
それと、使用している機材にもよるのですが、例えば、市販のCDとコピーしたCD-Rでは再生音が微妙に異なっており、やはり、判別できます。
正直なところ、入門クラスの機材や、解像度が低い機材ではなかなか違いはわかりません。
機材をプレーヤーなり、アンプなりをグレードアップすればするほど、何を変えても、音が変化していることが判ります。
科学的な根拠ですが、抵抗器については、無誘導巻抵抗とただの巻線抵抗では音が違います。理由はインダクタンスです。
スピーカーケーブルについても、静電容量や抵抗値など、違いがあります。
私もよく理解していませんが、ケーブルや抵抗器に、なぜか、コイルやコンデンサーが潜んでいるのです(メーカーの製品表示をご参照ください)。
こうなれば、電気信号に影響を与えることはご理解いただけると思うのですが。
この性質を利用して、ハイパスやローパスのフィルターが作られているのですよね。
ケーブル、コンデンサ、AC電源、スピーカーターミナル、どれでも、ブラインドテストで音が変化することは、判ります。
ただし、音が良くなったかどうかは、聴く人の好みの問題でしょうね。
むやみに、何でもかんでも、オーディオ用の高額部品を使用すれば音が良くなる、とは私も思いません。
結論としては、ケーブル、抵抗器、コンデンサなどなど、その部品の中に、静電容量やインダクタンスが発生してしまう以上は、理論上、電気信号に影響を与える。
でも、それを実感するには、それなりの機材は必要。
抵抗器のエージングについては、経験上、耐圧の大きな抵抗器ほど実感することができるが、何が変化するのか、私も解りません。
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