No.1
- 回答日時:
たとえば、殺人や自殺はいけないこと。
なぜいけないか?という議論は要らない。ならぬことはならぬものです。
(ご質問のような)屁理屈を言うな!という潔い教えだと思います。
この「ならぬことはならぬものです」は聖書の「十戒」のように、
人間社会を成り立たせるための最低限のルールであり、
この地点で議論は終わり、ここから先は神が定める領域だというふうに
思っていたんですが、No4さんが教えてくださった「什の掟」には、
殺人と自殺の禁止は入ってないんですよね。
武士だから、敵が攻めてきたら当然殺人もしなければならないし、
(ドラマ中でも綾瀬はるか演じる八重が鉄砲で人を撃ってました)
なにか失態があったら責任を取って切腹=自殺をしなければいけない。
ということで、No1さんの思う「ならぬこと」の内実とは
ズレがけっこうあるのではないかと思いました。
No.2
- 回答日時:
おっしゃる通りだと思います。
このような筋の通った考え方は、太平の江戸時代では有効であり、
会津藩はその封土を全うしました。
しかし、幕末の激動期では周囲の流れについていけず、
国土は荒れ、若い命がたくさん無駄になりました。
長州藩に高杉晋作などの若い英才が現れたのと対比できるでしょう。
きっと、会津藩にも英才は出現していたのだと思います。
ただ、政治のシステムが彼らを浮かび上がらせなかったのです。
たしかに江戸の封建時代には有効ですね。
しかも会津は盆地の山国で交通の要衝でもなく、
いくら品川お台場警護をやっていても、世の流れからは
隔絶してたように思います。
その点、長州、薩摩は海に面していて、世界情勢を捉えるのも
速かった。そうせい候、斉彬公も偉かったと思います。
No.4
- 回答日時:
会津武士(上士)は、6歳になると「什」と言う組織に強制加入させられます。
その「什」では「什の掟」と言うのがあって、什長の家に集まって、以下のように唱えます。
---什の掟、ここから---
一、年長者の言ふことには背いてはなりませぬ。
一、年長者にはお辞儀をしなければなりませぬ。
一、虚言(ウソ)を言ふ事はなりませぬ。
一、卑怯な振る舞いをしてはなりませぬ。
一、弱いものをいぢめてはなりませぬ。
一、戸外でモノを食べてはなりませぬ。
一、戸外で婦人と言葉を交へてはなりませぬ。
ならぬ事はならぬものです。
---什の掟、ここまで---
このように、7つの掟があって、その7つの掟の「念押し」として、最後に「ならぬ事はならぬものです。」と唱えます。
NHKのアホなプロデューサー(か、脚本家)は、最後の「念押し」の部分だけ取り上げて、ドラマ内で、さも「これが会津の教え」みたいな表現をしているので、質問者さんのように「何も言ってないに等しいのでは?」と言う誤解が生まれるのです。
一度、NHKのアホなプロデューサー(か、脚本家)を、小一時間ほど問い詰めた方が良いと思います。
「ならぬことはならぬものです」の由来がよくわかりました。
これは7つの掟の最後に付加される、強調の文だったのですね。
たしかにここだけ抜き出したら、わけわからないですよね。
ただ、会津には「ならぬことはならぬものです」という
気風がわりかし濃いようにも思うので、この1文はやはり
象徴的なものとして意味があるように感じました。
No.6
- 回答日時:
大将はごく少数、もしくは1人でいいので、皆が兵隊的思考のほうがむしろ都合がいいのでは?
あとは階級の差はあれど兵士だけ。
船頭多くして船沈む、よりはましではないかと思います。
柔軟な思考は戦闘の指示を出す大将や少数の指揮官だけが持っていればいいわけで、他は命令に忠実なほうが統率のとれた働きができるでしょう。
現代でも会津は住民のモラルが高く、交通違反なんかも少ないしマナーも優れている、という話を聞いたことがあります。
屁理屈で、目の前の相手を口で言い負かしていけば世の中を渡っていける、と思っているような人間が多い現代では、こういう考え方は素晴らしいと思いますが。
> 屁理屈で、目の前の相手を口で言い負かしていけば世の中を渡っていける、
> と思っているような人間が多い現代では、こういう考え方は素晴らしいと思いますが。
こういう人は最近多いですよね。枝野、仙谷、橋下など幾人かの政治家の顔が思い浮かびました。
実は兵隊的な思考の人が多い時のほうが、質実剛健で国として上向きなのは、
秦の昔からプロイセンドイツやソ連アメリカまで、古今東西当てはまるような気もします。
No.7
- 回答日時:
少なくとも「言論文化」の成熟しているとはいえない国や集団にあっては有効な手法であるかと考えられますが、それは別な言い方をすれば「思考停止状態」にあるとも言えるでしょう。
この点は現在の日本でも変わりないともいえます。それは古くさい儒教道徳が戦後も形を変えて生き残っているともいえます。日本の企業社会で嫌われるのは「意見を言う者」ですが、逆に欧米では「君はどう考えるの?」と問われて、自らの意見を言えない人物は評価もされません。
目的に対して、そこに至る過程をクリアするために戦略や目標があるのであって、日本ではその「目標」をクリアすることが目的になってしまっている結果ともいえます。思考および行動からみれば、逆立ちと揶揄されても文句もいえないことすら、まともに理解できないのでしょうね。
日本の社会では「考える、疑問を持つことを極端に毛嫌いする」「上意下達が絶対的な支配原理であり、これに少しでも疑問を持つならばそれは反逆に値する」との貧しい発想です。だから日本は「靡く文化」とも呼ばれる。一つの方向を一糸乱れぬ形で目指すことが美徳とされるのでは、つい最近「大国」をカネの力で強引にもぎ取ったどこぞの国と変わりありません。
アメリカでもアメフト体育会的なノリはあるように思いますが
戦略的な雰囲気が違うように思います。
日本だと考えたあとに、上手く空気を形成するところが
重要なんですよね。
No.8
- 回答日時:
かって土井たか子氏が『だめなものはだめ』と発言したのを思いだしました。
それは正しいのかもしれないけど、それを言ったら議会制度そのものを否定することになると思いました。
そのときのもやもや感と同じように感じます。
また、かって『原理原則』と言って社員を思考停止状態にする組織から4ヶ月で逃げ出したことも思い出しました。
『原理原則』が不変なものであるわけがない。
自分にとっては非常な苦痛だったのですが、自分で考えないで済むということは安楽なのでしょう。
ワンフレーズや、決め付けで思考を止めてしまうこと。
それに乗っかっちゃえば、自分で考えなくて済むものね。
というか、自分も考えたように思い込んじゃうのかもしれません。
実現性に無理があることは、やろうとしてもうまくいかない。
こういえば、大多数にとっては名言といえるかもしれません。
でも、そんなことにこだわらない人もいますし、偶然にはみ出したことをしてしまうこともあります。
白川先生のポリアセチレンは触媒の量を間違えたからできました。
できないと思っていたら、青色ダイオードは開発されなかったでしょう。
戦国の世なら、外れてしまう人にチャンスがあるでしょうが、徳川幕府の治世では変わらないことが大事だったのでしょう。
戊辰戦争は変わりたくない人々と変えたい人々の戦いだったと捉えることもできるのではないでしょうか。
ところで、『ないものはない』って、結局あるんですかね、ないんですかね?
わかんないっすよね。
ドーナツの孔って…
いや、もう寝よう。
ワンフレーズも現実と合致しているときは
仕事の能率も上がって効果的ですが、
現実から遊離してしまっては、悲惨な結果を招くだけですからね。
やっぱり現実からのフィードバックを欠かすのは
不味い考え方だと思います。
No.10
- 回答日時:
八重の桜、bougainvilleaさんとはちがった意味でもやもやしながら見ていました。
あの使い方は、「什の掟」の一部分のみを取り出してしまったために、「ならぬことはならぬ」という言葉の本来の意味とはかけ離れており、ほとんど誤用と言って差し支えないと考えます。
会津に対する誤解が広まってしまいそうです。
什の掟は「会津藩の教え」というよりは「子供たちが自主自治のために自ら作るルール・マナー」という感じのもののようです。
「什の掟」については以下のサイトがわかりやすいと思います。
http://www.nisshinkan.jp/about/juu
什の掟における「ならぬことはならぬ」の意味は、当時の大人たちが書いた掟の書き方と比較してみるとわかりやすいと思います。
【什の掟】
一、年長者の言うことにそむいてはいけない
一、目上の人にはお辞儀をしなければならない
…
ならぬことはならぬものです
【当時の掟の書き方】
一、○○をしてはいけない
一、□□をしてはいけない
…
右の条文は堅く守るべきものである
「ならぬことはならぬ」は「右の条文は堅く守るべきものである」に当たると考えられます。
什は6~9歳の子供の集まりですから、小さい子でもわかるようにこのような表現をしたのでしょう。
意味は「決まりは守るべき」といったところでしょうか。
「ダメなものはダメ!」というような使い方をする言葉ではありません。
また、これは子供たちの決まりごとなので、戦で部隊を率いるような大人が「ならぬことはならぬ」の考えを堅持するなどということは、どちらの意味であってもまずないことと考えます。
番組の予告を見ると、今後もドラマのなかでも大人が「ならぬことはならぬ」を
連発するようです。
No4さんの回答でも書きましたが、この文だけ取り出すと「什の掟」本文からは意味は離れますが
やっぱり会津の気風を象徴している一文なのではないでしょうか。
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