
文系でスピーカーの自作を趣味にしているものです。
フィルターの原理について、以下の点に回答をおねがいします。
[1]なぜ1次のLPFにCを並列接続すると、減衰率が急峻になるのですか?
[2]またそれはなぜ6dBきざみなのですか?(なぜ最少減衰率が-6DB/Octなのですか?)
私のフィルターに対する理解は以下のとおりです。
・Lは直流電流を通し、交流電流を通しにくい性質をもち、この性質を利用しLPFが作られている
・CはLと逆の性質をもち、HPFはこれを利用している
・L1つを直列接続したものが、1次のLPFで、減衰率は-6dB/Oct
・L1つを直列、Cを並列接続したものは、2次で、-12dB/Oct
・次数が増えるにつれ、減衰率は6dBごとに急峻になる
趣味の範囲でしか電気回路の知識がなく、自力ではうまく答えを探せませんでした。
数式による回答も歓迎ですが、その感覚的な解釈を添えていただけるとありがたいです。
回答をよろしくおねがいします。
No.5ベストアンサー
- 回答日時:
まず、フィルターの種類は、1次、2次、3次といいます。
1次フィルターは、電圧比が周波数比に比例(反比例)します。
2次フィルターは、電圧比が周波数比の2乗に比例(反比例)します。
3次フィルターは、電圧比が周波数比の3乗に比例(反比例)します。
つまりフィルターの次数は周波数比の乗数を言います。
それで、なんで6dBきざみかというと、oct. (オクターブ)は周波数比で2倍だからです。
20*log 2 = 6.0206・・・・・・ [dB]
20*log 2^2 = 12.0411・・・・・・ [dB]
20*log 2^3 = 18.0617・・・・・・ [dB]
ということです。
ちなみに、dec. (ディケード)という周波数比10倍で表すこともあります。
20*log 10 = 20 [dB]
20*log 10^2 = 40 [dB]
20*log 10^3 = 60 [dB]
ディケード単位だと20dB刻みになります。
つまり、1次フィルターは、-6dB/oct. と -20dB/dec. で、単位が違っても同じ特性を表します。
オーディオ屋は音の高さをオクターブ単位で考えたほうが分かりやすいので、[dB/oct.] を使いますが、科学屋は、常用対数の底は10だから、10倍単位のほうが正確なので、[dB/dec.] を使います。
>なぜ1次のLPFにCを並列接続すると、減衰率が急峻になるのですか?
これはリアクタンスを抵抗と考えて直流的に分圧比を考えれば感覚的にも分かるはず。
文系の方でも並列抵抗の計算くらいは知っているはずですよね?
例えば、2次のLPFなら
コイルのリアクタンス : Xi = 2πfL
コンデンサのリアクタンス : Xc = 1/(2πfC)
スピーカーの抵抗 : R
とすれば、Xi >> R 且つ Xc << R となる周波数帯域で -12dB/oct. の減衰特性を示します。(逆なら 0dB/oct. でフラットな通過帯域となります。)
だからカットオフ周波数から遠く離れればリアクタンスを抵抗と考えてもいいんですね。
(カットオフ周波数とは、1次なら X = R となる周波数です)
まあこんなところでしょうか。
といっても。文系がオーディオを楽しむのに電気回路を理解する必要は無いと思います。
便利なツールが幾らでもありますからね。
楽譜が読めなくても音楽は楽しめるし、歌を歌う事ができるのと同じです。
特にスピーカー工作を楽しんでる方は意外と文系が多いんじゃないでしょうか。
この回答への補足
>つまりフィルターの次数は周波数比の乗数を言います。
なるほど。つまり、周波数比の乗数に対応させて次数をネーミングし(2乗に比例するから2次と言おう)、
2次の特性をもつHPFを作るためには質問に書いた回路が必要、というわけなのですね。
私は今まで逆に考えていました(RにLを直列、Cを並列接続したものを2次と言う)。
>ちなみに、dec. (ディケード)という周波数比10倍で表すこともあります。
なんか、こっちのほうがすっきりしてていいですね。わかりやすいです(笑)
>これはリアクタンスを抵抗と考えて直流的に分圧比を考えれば感覚的にも分かるはず。
文系の方でも並列抵抗の計算くらいは知っているはずですよね?
がんばって計算したのですが、どうも苦手分野で、何度も間違えながら悪戦苦闘しています。
回答いただいたリアクタンスの式をもとに、時間をかけて確認していきます。
くりかえしになりますが、丁寧な回答を本当にありがとうございました。
また質問することがあるかとおもいますが、そのときもよろしくおねがいします。
非常に詳細で丁寧な回答をありがとうございます。
書いていただいた内容を理解するのに少し時間がかかりそうなので、
とりいそぎお礼だけ書かせていただきます。
>といっても。文系がオーディオを楽しむのに電気回路を理解する必要は無いと思います。
便利なツールが幾らでもありますからね。
楽譜が読めなくても音楽は楽しめるし、歌を歌う事ができるのと同じです。
特にスピーカー工作を楽しんでる方は意外と文系が多いんじゃないでしょうか。
下手の横好きの典型で、理論的な話が大好きなもので、
どうでもいいと思われていしまうようなことがらがに考えがとらわれていしまう性格なんです(笑)
そして、それが趣味になっています。
回答を熟読後、もしかしたらわからない点が出てくるかもしれないので、
回答の締め切りはもう少しあとにします。
ありがとうございました。
No.4
- 回答日時:
はじめまして♪
コイルやコンデンサーの特性として、インピーダンスと容量に応じたフィルター特性が得られます。
周波数が2倍、あるいは半分、音楽用語のオクターブ(低いドの音と高いド音、周波数的に倍の係数になります。)を使い、その地点でどれだけ減衰しているか、これが単に6dBという数値で表記される通り。
減衰なので、-6dBですね。
具体的には1KHzに対してハイカット(コイルL)の場合は、2KHzで-6dBとなる。
同じ1KHzを基準とした場合、ローカット(コンデンサーC)ですと500Hzで-6dBとなる。
と言う事です。
では、L/Cを組み合わせた2次フィルターは、、、
ハイカットの場合、Lを直列に入れた後にCを並列にします。
コレにより、Lで高域を通しにくくして減衰させ、その先に高域側信号をユニットへ行く前にCでバイパスさせて、さらに高域信号をユニットへ届かなくする、という動作に成ります。
ローカットの場合は最初に直列のCで低域を減衰、さらにコイルで低域信号をバイパスしてユニットへ低域信号がより入りにくくする。
と言う事ですね。
必ず、アンプ側に近い方に直列素子、その後に並列素子と言う形にします。
これを先に並列素子を付けてしまうと、アンプの負荷として過大になってしまうので、注意しておきましょう。
なお、1次と2次ネットワークはわりと計算等も出来易く、実用的に有効ですが、3次以上の高次フィルターは素子同士、ユニットの特性なども含めると机上の計算だけではかなり難しく成りますので、自作ファンはそこまで手を出さない方向でサウンドチューニングを行なうのが一般的です。
私も単なる趣味からのスピーカー工作。
綿密な計算等は関数電卓やコンピューター等にオマカセします、実質的には容量の違う素子を幾つか準備して、付け替えながら聴いた印象で気に入った状態にしていますよ。
変わった使い方ですが、高域ユニットにコンデンサーを1個だけ。0.47μFを直列接続。
フルレンジユニットに追加ツイーターなのですが、ツイーターの仕様は8オーム、クロスは5KHz以上、12dB/Octが指定されているユニットでした。
計算等ではあり得ない使い方ですよね(爆笑)
でも、基本と成る計算とか、その大元に成る安全性等も考えた上での自己責任。
この例は、オクターブあたり-6dBと言う特性を利用して、アッテネーター無しでレベル合わせも兼ねた使い方だったりします。
他に、ウーファー側のハイカット(ローパス)に、コイルは計算上で500Hzとし、コンデンサーを1.5KHzとしてユニットの特性コントロールと高域ユニットのレベル合わせをもくろんだ、2段ハイカットも利用しています。実際の音としてのクロスは3KHz前後(この前後は1オクターブ、1.5KHzなのか6KHzなのか、かなり曖昧に高低両ユニットから音が混ざって出ています。)なんて言うのも造りましたよ。
電気的な部分は、あくまで一定のインピーダンスと言う前提で計算しますが、特にウーファーのハイカット(ローパス)では、ユニット自体の高域へ向けてインピーダンスが上昇して行く、と言う傾向が有るので、コイルを入れても実際の音圧特性は-3dB/Octよりも少ない、なんて言うケースが少なくありません。
本来、-6dB/Octの特性なら、2オクターブ先は-12dB、3オクターブなら-18dBのハズ。
ユニットのくせにより、2オクターブ先が-6dBで、3オクターブや4オクターブ先が強い共振により-2dB程度、なんて言う実測特性の場面も有るのです。
理論計算と同じ特性が得られるのは、スピーカーユニットを接続しないで、抵抗を接続した時だけ、と言えば極端かもしれませんが、けっこう、それに近い状況が現実だったりします。
>はじめまして♪
実は以前にも何度か回答していただいてまして、いつもありがとうざいます。
私は1次のネットワークしか使ったことがないので、iBook-2001さんの試みを興味深く拝見しました。
これから私もフィルターの世界に足をふみいれたいと思います。
No.3
- 回答日時:
LCフィルターの周波数特性は、L、Cの値に比例(L)または反比例(C)して減衰します。
たとえば同じCならば値が倍になれば同じ減衰度で減衰する周波数は半分になります。これ物理的な事実です。
[1]なぜ1次のLPFにCを並列接続すると、減衰率が急峻になるのですか?
これは掛け算で考えればわかるでしょう。
つまりLのフィルターでたとえば電圧が半分になった入力電圧に、再度Cのフィルターで半減させるので、減衰率は倍になります。
但しこれはカットオフ周波数よりも十分離れた周波数ではそうなるということです。それよりも近い周波数では肩特性が緩やかな変化になります。
[2]またそれはなぜ6dBきざみなのですか?(なぜ最少減衰率が-6DB/Octなのですか?)
最少減衰率が-6DB/Octであるのは、減衰素子のL,C一個の特性が-6DB/Octだからです。
それ以上個数を少なくすることはできないので当然そうなります。
逆に素子を増やせば12、18,24Db/Octと変化します。
回答ありがとうございます。
>これ物理的な事実です。
その事実を感覚的にも納得したい、みたいな気持ちで質問させていただきました。
なんか変な質問ですみません…

No.2
- 回答日時:
L(インダクタンス)とC(キャパシタンス)について。
御存知の事とはおもいますが、直流回路での負荷は電気抵抗・R(レジスタンス)
のみですが、交流回路での負荷・Z(インピーダンス)はR(レジスタンス)にL(インダクタンス)
とC(キャパシタンス)が加わります。
インダクタンスのインピーダンスはZl=2πfL・・fは周波数
キャパシタンスのインピーダンスはZc=1/2πfC・・です。
インダクタンスは周波数が高くなると増えます(電流が流れにくくなる)
キャパシタンスは逆になります。
ローパスフイルタ(ハイカット)にはコイル(インダクター)を用い
ハイパスフイルタ(ローカット)にはコンデンサー(キャパシター)を用います。
減衰率は他の識者様の回答で・・・
スピーカーのネットワークは位相の問題が有り、計算の通りには行かないですね、
更に音波(空気の振動)が相手なので、一筋縄では行かず、気がついたら、コイルと
コンデンサーが部屋中にゴロゴロ、家族からの奇異な目線が集中・・・
でも、スピーカーの自作の世界は楽しきかな、なのです。
>インダクタンスのインピーダンスはZl=2πfL・・fは周波数
キャパシタンスのインピーダンスはZc=1/2πfC・・です。
この式、知りませんでした…。
>気がついたら、コイルとコンデンサーが部屋中にゴロゴロ、家族からの奇異な目線が集中・・・
でも、スピーカーの自作の世界は楽しきかな、なのです。
ネットワークって奥が深そうで怖い、と同時に奥へ行きたくなる魅力がありますね(笑)
回答をありがとうございました。
No.1
- 回答日時:
難しく考えない事です。
感覚的な解釈に必要なことだけ述べます。Octとはオクターブ、主に音楽に使われている用語で、つまり周波数が倍(あるいは半分)という関係です。
6dBというのは、比率を一定尺度にする対数なのですが、6dBも電圧では、倍(あるいは半分)という関係です。
LもCも6dB/Octの減衰特性を持っている、周波数が倍(あるいは半分)になれば半分の電圧になる特性です。これを組み合わせれば、6dB単位で減衰率が増加する。
人の、倍とか半分という感覚と6dBというのは良く合います。距離が半分になったら倍の音量に聞こえるなどです。音量は実際にdBで測られ表記されます。
個数など自然な数値を真数と言いますが、真数では掛け算になるところが、対数(dB)では足し算になる、という特徴があります。
一般的には、これくらい覚えておけば充分ではないでしょうか。
>一般的には、これくらい覚えておけば充分ではないでしょうか。
理由はわからないんですけど、必要のないことを知りたくなっちゃうんです(笑)
回答ありがとうございました。
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