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安倍総理の靖国参拝は、戦犯顕彰ということに問題があると言われていますが、
>『サンフランシスコ条約では、裁判参加11ヶ国の過半数が同意すれば、彼等の赦免・減刑ができることになっていて、その後の1958年、その11ヶ国から、戦犯者の刑の残りを免除する通知が出ている。』
のだからもう戦犯は存在しない、という論があることを知りました。
この11カ国の承認の内容について、お尋ねします。
この承認は、「刑務所にいる罪人を刑期途中で釈放しても良い」という限定的内容の承認であって、「東京裁判での有罪判決は、間違いだった」と言う内容ではない、と私は思っていたのですが、それは違うと思っている人がいたら、承認文章などで具体的に教えて頂けないでしょうか?
因みに私としては、東京裁判で戦犯とされた人は、今でも世界から戦犯と非難されるのは、やむをえない、と考えての質問です。
なお私は、東京裁判は不法・無法な裁判であった、という考えですので、この質問の答えは国際条約等の現状の客観的説明だけに絞ってお願いいたします。

A 回答 (6件)

新年を迎え、柄にもなく自省の念がよぎる。

私は結局学問が身に付かなかった者だが、ネトウヨサイトのコピペをコレクションして得意がるような人間にだけは、なりたくないと思っている。そこで、回答文はちょっと長くなるけど、いくつか資料にあたって考察してみます。
まず、ご質問の「この11カ国の承認の内容」について。正確には9カ国である(後述)。ご質問者は「承認文章などで具体的に」とお求めだが、そのものの全文は入手できなくても、次の日本政府答弁書で内容の見当は付くと思われる。

日本政府による答弁書(1991年10月29日)
http://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/kousei/s …
〔引用開始〕
A級戦争犯罪人として有罪判決を受けた者のうち減刑された者は十名(いずれも終身禁錮の判決を受けた者である。)であり、いずれも昭和三十三年四月七日付けで、同日までにそれぞれ服役した期間を刑期とする刑に減刑された。なお、赦免された者はいない。
〔中略〕
十名に対する減刑は、いずれも、我が国の勧告並びに米国、英国、フランス、オランダ、オーストラリア、カナダ、フィリピン、パキスタン及びニュー・ジーランドの政府の決定に基づいて行われた。なお、その減刑の処分決定には理由が付されていないが、我が国の勧告は、本人の善行及び高齢を理由とするものであった。
〔引用終り〕

つまり、ご質問者が大筋正しい。外国政府の決定は、「東京裁判での有罪判決は間違いだったから、減刑する」などと理由を詳(つまび)らかにした決定ではなかったのである。単に減刑の決定を告げただけだろう。
そもそも、「再審などによって確定判決が取り消され無罪になること」と、「恩赦などによって刑の全部または一部が消滅もしくは軽減されること」とは、別物である。後者は確定判決を取り消すものではなく、有罪のままである。また、一般に受刑者は刑期途中で仮釈放されることも多く、刑期満了までお務めするのは服役態度が悪い者などである。
ところで、裁判参加11カ国とは米、英、仏、中、カナダ、豪州、オランダ、ニュージーランド、ソ連、インド、フィリピンである。引用した答弁書と突合せれば分かる通り、中、ソ連、インドは、この減刑を決定していない。平和条約第11条により、11カ国の過半数の決定で足りることになっていた。パキスタンはインドの代わりで加えられたのかもしれない(両国は分離独立した)。
また、答弁書にあるように、十名はそれぞれ服役済みの期間を刑期とする刑に減刑された。すなわち、刑期を短縮されて、その短縮された刑期を終えて釈放された。このことからも、有罪判決は取り消されていない(無罪へ変わっていない)のが分かる。もしも取り消しになったのなら、刑期も取り消され、その時点までの服役は不当な拘禁とされることになる。しかし、減刑の場合は、その時点までの服役は正当な拘禁である。

衆院 平和条約及び日米安全保障条約特別委員会(1951年10月17日)
http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/syugiin/012/1216 …
[引用開始]
西村熊雄(外務省条約局長)
第十一條は戦犯に関する規定であります。戦犯に関しましては、平和條約に特別の規定を置かない限り、平和條約の効力発生と同時に、戦犯に対する判決は将来に向つて効力を失い、裁判がまだ終つていない者は釈放しなければならないというのが国際法の原則であります。従つて十一條はそういう当然の結果にならないために置かれたものでございまして、第一段におきまして、日本は極東軍事裁判所の判決その他各連合国の軍事裁判所によつてなした裁判を承諾いたすということになつております。
[引用終り]

これは、「特別法は一般法に優先する」の法理により、第11条が国際法の原則に優先するということである。国際法においても国内法においても基本的な法理であり、法学の入門書を一冊でも読んだかたならご存知だろう。
この法理には例外もあって、それは「強行規範」と呼ばれる(ウィーン条約第53条)。しかし、上記の答弁中の「国際法の原則」はそれではない。
さて、外務省よりも英語が出来るつもりのかたには、恐れ入るしかないが、平和条約第11条の「裁判」は誤訳ではない。まず、「極東国際軍事裁判所条例」の英文と和訳を見よう。ご存知のように、極東国際軍事裁判とは東京裁判のことである。

[引用開始]
Article 17
Judgment and review
The judgment will be announced in open court and will give the reasons on which it is based. The record of the trial will be transmitted directly to the Supreme Commander for the Allied Powers for his action thereon. A sentence will be carried out in accordance with the order of the Supreme Commander for the Allied Powers, who may at any time reduce or otherwise alter the sentence except to increase its severity.

第十七条 判定及ビ審査
判決ハ公開ノ法廷ニ於テ宣告セラルベク、且ツ之ニ判決理由ヲ附スベシ。裁判ノ記録ハ連合国最高司令官ノ処置ヲ仰グ為メ直ニ同司令官ニ送付セラルベシ。刑ハ連合国最高司令官ノ命令ニ従ヒ執行セラルベシ。連合国最高司令官ハ何時ニテモ刑ニ付之ヲ軽減シ又ハ其ノ他ノ変更ヲ加フルコトヲ得。但シ刑ヲ加重スルコトヲ得ズ。
[引用終り]

このように、東京裁判のjudgmentは「判決」である。一方、平和条約第11条のjudgmentsは、東京裁判の判決と「日本国内及び国外の他の連合国戦争犯罪法廷」(BC級)の判決等を併せたものである。
ここで「判決等」と書いたのは、「判決」とは口頭弁論などを含む厳重な手続きを経て裁判所から下(くだ)されるものであり、もっと簡略な手続きで下されたものは、「決定」あるいは「命令」と呼ぶからである。BC級戦犯裁判ではそれに相当するものがあったようだ。
そして、日本の法律用語では、判決・決定・命令を総称して「裁判」という。日常用語の「裁判」とは異なるのである。そのことは、例えば刑事訴訟法を見ただけでも分かる。刑事訴訟法はいわゆる六法の一つであり、六法全書には必ず載っている。

刑事訴訟法(法令データ提供システム)
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S23/S23HO131.html
[引用開始]
第五章 裁判
第四十三条  判決は、この法律に特別の定のある場合を除いては、口頭弁論に基いてこれをしなければならない。
○2  決定又は命令は、口頭弁論に基いてこれをすることを要しない。
[中略]
第四十四条  裁判には、理由を附しなければならない。
○2  上訴を許さない決定又は命令には、理由を附することを要しない。
[引用終り]

この第四十四条は前述のArticle 17に似ている。くどいようだが第四十四条を解説すると、判決、(上訴を許す)決定、(上訴を許す)命令には、理由を附しなければならないということである。

[続く]

この回答への補足

「お礼」の欄を使ってしまったので、ここでもう一度お礼を述べます。

>本人の善行及び高齢を理由とするものであった。

という文章が、私の質問に対する最良の答えでした。
つまり中途釈放を旧連合国が承認したのは、戦犯であったことを否定するものだったわけではないことがここから解るからです。

補足日時:2014/01/04 12:44
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この回答へのお礼

ありがとうございます。

お礼日時:2014/01/02 16:17

No3です。


私の回答の補足をさせていただきます。

確かに回答の根拠を示す為に「必要な」資料を貼るのは、必要なことだとは思います。
同時に、正確な読解力や洞察力も重要だと思います。

衆院 平和条約及び日米安全保障条約特別委員会(1951年10月17日)
http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/syugiin/012/1216 …
《西村熊雄(外務省条約局長)
第十一條は戦犯に関する規定であります。戦犯に関しましては、平和條約に特別の規定を置かない限り、平和條約の効力発生と同時に、戦犯に対する判決は将来に向つて効力を失い、裁判がまだ終つていない者は釈放しなければならないというのが国際法の原則であります。従つて十一條はそういう当然の結果にならないために置かれたものでございまして、第一段におきまして、日本は極東軍事裁判所の判決その他各連合国の軍事裁判所によつてなした裁判を承諾いたすということになつております。》

↑から、11条は「特別法は一般法に優先する」の法理により、アムネスティ条項による戦犯の釈放を阻止する為であり、日本政府もそのように認識していたと思います。

私はNo3で戦犯は減刑されたとは答えましたが、連合国が裁判の不当性を認めて赦免したとは言っていませんし、それはありえないとも思っています。
理由は「東京裁判での有罪判決は間違いだったから、減刑する」とした場合、

【条約前に絞首刑になった者は何の為に死んだのだ】

という非難が出るのは明らかだと思うからです。
11条は、【受諾】は、このような意味からも、裁判やその結果に文句を言わせない為のものでもあると思っています。


【judgments】の意味ですが、
とりあえず、No3より【judgments】という「法律用語」は日本語以外では、「緒判決」であると、
質問者様にはご理解いただけたと思います、
条約11条で「緒」判決となっているのは、東京裁判では被告が複数の個人が起訴されている為に、判決も複数になるからです。

だとすると、問題は日本の関係者がその【judgments】や【受諾】、【承諾】についてどう考えていたかということになります。

3:【軍事裁判・本邦戦争犯罪人】(1953年(昭和28年)2月24日、条約局第3課作成文書)
http://www.geocities.jp/windows_user2013/san_fra …
(平和条約第十一条は、『日本国は、極東国際軍事裁判所並びに日本国内及び国外の他の連合国戦争犯罪法廷の“裁判を受諾”し…』と規定している。この「受諾」とは、日本国が(イ)戦争状態の継続中連合国のなした右裁判(連合国戦争犯罪法廷の裁判)の国際法上の適法性及び(ロ)戦争状態終了後連合国がその刑を続いて執行する場合に、その執行の合法性について、争わないことを意味する。即ち、同(サンフランシスコ講和条約)第十一条によって、日本国は、右裁判によって判決を受けた事件に関する限り、国際法上の犯罪であることについて反対しない義務を負ったのである。)

↑は英語以前に日本語が残念な人は誤解しやすいのですが、
これは、文章をその表現だけで読解した場合、
【(裁判の正当性とは関係なく)判決に文句を言えなくなった】というだけの意味しかなく、
裁判の合法性や正当性を認めたというのは拡大解釈であると思います。

このことから、条約の【受諾】や、↓の答弁の【承諾】についても「決定事項について争わない」だけのことであって、「正当性を認めた」ことではないと考えられます。
だとすると、条約の【judgments】が裁判と判決のどちらの意味でも、「その正当性」を認めたとはいえない事になります。

1:参院 外交防衛委員会(2005年6月2日)
http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/sangiin/162/0059 …
(そのジャッジメントの内容となる文書、これは、従来から申し上げておりますとおり、裁判所の設立、あるいは審理、あるいはその根拠、管轄権の問題、あるいはその様々なこの訴因のもとになります事実認識、それから起訴状の訴因についての認定、それから判定、いわゆるバーディクトと英語で言いますけれども、あるいはその刑の宣告でありますセンテンス、そのすべてが含まれているというふうに考えております。
したがって、私どもといたしましては、我が国は、この受諾ということによりまして、その個々の事実認識等につきまして積極的にこれを肯定、あるいは積極的に評価するという立場に立つかどうかということは別にいたしまして、少なくともこの裁判について不法、不当なものとして異議を述べる立場にはないというのが従来から一貫して申し上げていることでございます。)


2:参院 総務委員会(1998年4月7日)
http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/sangiin/142/1030 …
(御説明申し上げます。この極東国際軍事裁判に係る平和条約第十一条におきましては、英語正文でジャッジメントという言葉が当てられておりますが、このジャッジメントにつきましては、極東軍事裁判所の裁判を例にとりますと、この裁判の内容すなわちジャッジメントは三部から構成されております。
この中に裁判所の設立及び審理、法、侵略、太平洋戦争、起訴状の訴因についての認定、それから判定、これはバーディクトという言葉が当てられておりますが、及び刑の宣言、これはセンテンスという言葉が当てられておりますが、このすべてを包含しておりまして、平和条約第十一条の受諾が単に刑の宣言、センテンスだけであるとの主張は根拠を有さないものと解しております。)


↑の1と2ですが、林景一氏(外務省国際法局長)、長嶺安政氏(外務省条約局法規課長)はニュルンベルグ裁判を引用してはいませんし、東京裁判と比較してもいないと思います。
(私には発見できませんでした)


また、仮に「【裁判】を受諾した」場合でも、東京裁判が(法による)裁判であったか?という問題も出てきます。
東京裁判はマッカーサーの「裁判所条例」に基づいて行われていますが、以下の問題が指摘されています。

東京裁判の条例は、ニュルンベルグ裁判の条例を基にしています。
当時の「国際法」や「条約」では日本とドイツの指導者を裁く事は出来ませんでした。
その為に英米仏ソは、戦犯の意義を拡張する為の会議をして、1985年8月、ニュルンベルク裁判の条例を作りました。
ポツダム宣言を発したのは7月25日で、その時には東京裁判はおろか、ニュルンベルグの条例すら出来ていません。
以上から、日本はこの裁判所条例で裁かれることを承知で降伏していません。
(裁判の不当性については、質問者様もご存知だと思います)


更に、東京裁判では、↓が遵守されておらず、判事国の都合で恣意的に運用されていました。(動画も参照)

【第九条 公正なる審理の為めの手続】
被告人に対する公正なる審理を確保する為め、左記の手続を遵守すべきものとす。
(ロ)用語 審理並に之に関連せる手続は英語及び被告人の国語を以て行はるべきものとす。
文書其の他の書類の翻訳文は必要なる場合請求に応じ提供せらるべきものとす。

動画の部分の日本語の記録がないのは、【条例】で定めてあるはずの、法廷における日本語への同時通訳が停止してしまった為です。
(日本人の傍聴者に知られて都合の悪いことがあったのでしょうか)
ブレイクニー弁護人の発言は英文の速記録には載せられています。

この回答への補足

回答NO,4,5によれば、刑期途中で減刑されて、出獄した人達は、「高齢だから・・」などの理由で、連合国側の承認を得たもののようで、とすると、戦犯で有ったことには違いが無いと思われます。
またそれによって「処刑されて仕舞った人達の名誉が回復された、ということにはならない」と思います。
釈放された人達が、国内的には名誉は回復されたとしても、戦犯として処刑された人達は国際的には戦犯のままの状態ではないでしょうか?
質問でも書きましたが、東京裁判を私は無法・不法なものと考えていますので、ここではその論は使わずに、戦犯の方の現在の扱い方だけを教えてください。
まとめますと「戦犯が合祀されている靖国・・、という言い方は間違いである」という論拠をすみませんがもう一度、簡潔にお願い出来ないでしょうか?

補足日時:2014/01/02 17:32
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[前回からの続き]



東京裁判の判決の中身を概観しよう。

極東国際軍事裁判所 判決(国立国会図書館 近代デジタルライブラリー)
http://kindai.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1276125

参院 外交防衛委員会(2005年6月2日)
http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/sangiin/162/0059 …
[引用開始]
林景一(外務省国際法局長) 
お答えいたします。先生も今御指摘のとおり、サンフランシスコ平和条約第十一条によりまして、我が国は極東国際軍事裁判所その他各国で行われました軍事裁判につきまして、そのジャッジメントを受諾しておるわけでございます。
このジャッジメントの訳語につきまして、裁判というのが適当ではないんではないかというような御指摘かとも思いますけれども、これは裁判という訳語が正文に準ずるものとして締約国の間で承認されておりますので、これはそういうものとして受け止めるしかないかと思います。
ただ、重要なことはそのジャッジメントというものの中身でございまして、これは実際、裁判の結論におきまして、ウェッブ裁判長の方からこのジャッジメントを読み上げる、このジャッジ、正にそのジャッジメントを受け入れたということでございますけれども、そのジャッジメントの内容となる文書、これは、従来から申し上げておりますとおり、裁判所の設立、あるいは審理、あるいはその根拠、管轄権の問題、あるいはその様々なこの訴因のもとになります事実認識、それから起訴状の訴因についての認定、それから判定、いわゆるバーディクトと英語で言いますけれども、あるいはその刑の宣告でありますセンテンス、そのすべてが含まれているというふうに考えております。
したがって、私どもといたしましては、我が国は、この受諾ということによりまして、その個々の事実認識等につきまして積極的にこれを肯定、あるいは積極的に評価するという立場に立つかどうかということは別にいたしまして、少なくともこの裁判について不法、不当なものとして異議を述べる立場にはないというのが従来から一貫して申し上げていることでございます。
[引用終り]

参院 総務委員会(1998年4月7日)
http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/sangiin/142/1030 …
[引用開始]
長嶺安政(外務省条約局法規課長)
御説明申し上げます。この極東国際軍事裁判に係る平和条約第十一条におきましては、英語正文でジャッジメントという言葉が当てられておりますが、このジャッジメントにつきましては、極東軍事裁判所の裁判を例にとりますと、この裁判の内容すなわちジャッジメントは三部から構成されております。
この中に裁判所の設立及び審理、法、侵略、太平洋戦争、起訴状の訴因についての認定、それから判定、これはバーディクトという言葉が当てられておりますが、及び刑の宣言、これはセンテンスという言葉が当てられておりますが、このすべてを包含しておりまして、平和条約第十一条の受諾が単に刑の宣言、センテンスだけであるとの主張は根拠を有さないものと解しております。
[引用終り]

これらの政府答弁でも概観されているが、東京裁判判決は、「A部 第二章 法」で裁判所条例の効力とそれに基く裁判所の管轄権とを決定している。その決定の理由を示すにあたって、ニュルンベルク裁判判決を引用している。
すなわち、「裁判所条例は、戦勝国の側で権力を恣意的に行使したものではなく、その制定の当時に存在していた国際法を表示したものである」。「侵略戦争は、ポツダム宣言の当時よりずっと前から、国際法上の犯罪であったのであって」、「本裁判所の管轄権を争うことは、まったく成立しない」。
そして日本国は、第11条に則(のっと)って判決を受諾したことにより、この決定も受諾したわけである。すなわち、この裁判の国際法上の適法性を認めたのである。ゆえに日本国は、有罪判決を受けた戦犯が国際法上の犯罪人であることについて、反対しない義務を負った。
この第11条条文中の「受諾」について、1953年2月24日に外務省条約局第三課は次のような文書を作成している。

http://www.geocities.jp/windows_user2013/san_fra …
[引用開始]
この「受諾」とは、日本国が(イ)戦争状態の継続中連合国のなした右裁判の国際法上の適法性及び(ロ)戦争状態終了後連合国がその刑を続いて執行する場合に、その執行の合法性について、争わないことを意味する。即ち、同第十一条によって、日本国は、右裁判によって判決を受けた事件に関する限り、国際法上の犯罪であることについて反対しない義務を負ったのである。
[引用終り]
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この回答へのお礼

>国際法上の犯罪であることについて反対しない義務を負ったのである。

というのは正しいと思います。

最近、戦犯はその後名誉を回復されたから、戦犯はもういない、ということを言う人が増加して驚いています。
それを言い出したのは野田元総理が野党だった時と聞いて、もっと驚きました。

有り難うございました。

お礼日時:2014/01/04 12:37

汚名を回復しちゃイカンだろ。



↓は条約第十一条の外務省訳の日本語と英語(正文)です。
しかし、この日本語訳には誤りがあります(詳細は後述)

「第十一条」
 日本国は、極東国際軍事裁判所並びに日本国内及び国外の他の連合国戦争犯罪法廷の裁判を受諾し、且つ、日本国で拘禁されている日本国民にこれらの法廷が課した刑を執行するものとする。これらの拘禁されている者を赦免し、減刑し、及び仮出獄させる権限は、各事件について刑を課した一又は二以上の政府の決定及び日本国の勧告に基くの外、行使することができない。極東国際軍事裁判所が刑を宣告した者については、この権限は、裁判所に代表者を出した政府の過半数の決定及び日本国の勧告に基くの外、行使することができない。

『Article 11』
Japan accepts the judgments of the International Military Tribunal for the Far East and of other Allied War Crimes Courts both within and outside Japan, and will carry out the sentences imposed thereby upon Japanese nationals imprisoned in Japan. The power to grant clemency, to reduce sentences and to parole with respect to such prisoners may not be exercised except on the decision of the Government or Governments which imposed the sentence in each instance, and on the recommendation of Japan. In the case of persons sentenced by the International Military Tribunal for the Far East, such power may not be exercised except on the decision of a majority of the Governments represented on the Tribunal, and on the recommendation of Japan.


質問の主旨は↓でしょうか

1:>戦犯はもういないのか?
2:>東京裁判で戦犯とされた人は、今でも世界から戦犯と非難されるのは、やむをえないか?

回答1:いません。
回答2:回答1と後述の理由から、「戦犯でなくなった元戦犯」を戦犯として非難するのは間違いです。

↑ですが、元戦犯は「刑期途中」ではなく、「減刑(それまでの刑期に短縮)」による釈放です。
減刑であっても、刑期を終えて釈放されている以上、彼らをその時点で「戦犯だった人」であり、「戦犯」と呼ぶことは不適当であり無礼であり、差別ですらあると言えます。
既に処刑されていた者に対しても、後述のアムネスティ条項が適用されるべきです。
それを認めた「裁判参加11ヶ国」(と世界)も、彼らをそのように扱うべきです。


以上に加えて、条約そのものが国際法違反である可能性があります。

大東亜戦争の終戦は、1945年の降伏ではなく、1952年のサンフランシスコ平和条約によるものです。

そして、当時は交戦諸国は講和の為の条約の中にアムネスティ条項(交戦法規違反者の責任を免除する規定)を設けるのが通例でした。(アムネスティ:国際法上の大赦)

(大赦: 政令で定めた罪について、有罪の判決を受けた者に対しては判決の効力を失わせ、まだ有罪の判決を受けていない者に対しては公訴権を消滅させるもの。)

東京裁判は、条約以前に連合国が軍事行動(戦争行為)として行ったものあり、通常ならこの条項が適用されるべきです。

【国際法】《C・G・フェンウィック博士著(アメリカの国際法学者)》によれば、
この条項は、講和条約中に明示的規定として設けられていない場合でも、講和に伴う法的効果の一つであり、国際慣習法上の規則となっているとしています。

これらの理由により、アムネスティ条項から11条を見た場合、
その目的は、講和成立後の日本が、刑の執行の停止や赦免の実行を阻止することを狙ったものです。
これは国際法上の慣例を無視したものであり、その為に11条については、連合国の中からも反対論が噴出していました。


以上の理由から、私は現在は戦犯は存在しないと思っています。
しかし、それでも【東京裁判での有罪判決は、間違いだったか】という問題は、それらとは別に存在します。
(減刑=罪自体の消滅 ではありません)

この問題については、
前述のアムネスティ条項によれば、自動的に赦免されて当たり前の筈なのですが
「赦免し、減刑し、及び仮出獄させる権限」が連合国側にあると書いているだけであり、
文中に【その場合東京裁判での有罪判決は、間違いだったと認める】と言う記述がない以上、
11条では、それについて規定していないという判断しかできません。
(質問の範囲は11条のみについてと判断しました)


国内的には、そもそも日本政府と国民は彼らを犯罪者と認識していなかったと思います。

日本が(仕方なく)調印した「サンフランシスコ条約第11条について、「裁判を受諾」という解釈がなされていますが、この条約の該当部分について、前述の英語の原文では、
「judegments(複数形)」であるので「諸判決」と訳すべきです。

英米の法辞典(「Black's Law Dictionary」等)でも、【judgments】は法律用語として使われる場合、日本語の「判決」の意味に用いられるのが普通であり、「裁判」を通常意味する【trial, proceedings】とは区別されています。

つまり、日本は判決を受け入れただけであり、裁判で審議された、「日本は侵略をした犯罪国家」という内容を認めたわけではありません。

同じ部分について、フランス語では、「accepte les jugements prononcés par……」(言渡された判決を受諾する、)スペイン語では「las sentencias」(判決)と訳されており、それらには「裁判」という意味はありません。

「受諾」についてですが、↓の資料があります。

「1953年2月24日、条約局第3課作成文書」
《この「受諾」とは、日本国が(イ)戦争状態の継続中連合国のなした右裁判(連合国戦争犯罪法廷の裁判)の国際法上の適法性及び(ロ)戦争状態終了後連合 国がその刑を続いて執行する場合に、その執行の合法性について、争わないことを意味する。即ち、同(サンフランシスコ講和条約)第十一条によって、日本国は、右裁判によって判決を受けた事件に関する限り、国際法上の犯罪であることについて反対しない義務を負ったのである。》
「軍事裁判・本邦戦争犯罪人」(外交記録公開目録 平成25年3月7日公表 外務省移管ファイル)

この内容は、「結果(判決)に文句は言わないが、裁判の内容が正しいと認めたわけではない」という事でしかありません。


元A級戦犯については、叙勲された者もいます。(日本では有罪が確定した者は叙勲資格がなくなります)

重光葵は釈放後の政界に復帰し、様々な功績により、死後勲一等旭日桐花大綬章を授与されています。
賀屋興宣は釈放後、衆議院議員に5回当選し、池田内閣で法務大臣を務め、引退後に叙勲を打診されましたが辞退しています。

不起訴となった人達も叙勲されています。
岸信介:勲一等旭日桐花大綬章、大勲位菊花大綬章。
正力松太郎:勲一等旭日大綬章と勲一等旭日桐花大綬章。
緒方竹虎:勲一等旭日大綬章を授与された。

↑の事実により、国内的には、彼らを戦犯とする認識はなかったと思います。
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この回答へのお礼

ありがとうございます。

お礼日時:2014/01/02 16:05

>東京裁判で戦犯とされた人は、今でも世界から戦犯と非難されるのは、やむをえない、


敗戦国の首脳に対する処罰は、講和条約が成立した時点で解かれるのが国際法上の決まりです。もちろん死刑に処せられた人を元通りにすることなどできないことは当然ですが、犯罪者としての汚名は回復されます。
しかし敗戦した日本の国内で、開戦を決断し、敗戦に導いた責任を負わされることは避けられません。逆に言えば、条約締結後に他国からとやかく言われる筋合いはありません。



>私は、東京裁判は不法・無法な裁判であった、という考えです
賛成です。「裁判」とは名ばかりで、戦勝国が自国の正当性を誇示するためのショーのようなものです。開廷前に判決が決まっている出来レースで、弁護は無罪の証拠提出すらできずに終わりました。
しかし、日本はそれを受け入れて条約を結び、平和に復帰したのです。締結後に原爆の損害賠償などできないことを知っていて締結したのです。沖縄や千島列島などが占領されることも知っていました。敗戦するというのはこういうことなのです。
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この回答へのお礼

有り難うございました。

お礼日時:2014/01/02 15:53

いいえそのとおりです

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この回答へのお礼

ありがとうございました。

お礼日時:2014/01/02 15:51

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