
n個の正の数x[1]、…、x[n]に対して、それぞれp乗したものの和をnで割り、そして1/p乗したものは、
ベキ乗平均 {(x[1]^p+…+x[n]^p)/n}^(1/p)
と呼ばれ、実数pに関して単調増加になることが知られています。
n=2のとき、{(x^p+y^p)/2}^(1/p)
という形で、
p→-∞のとき最小値、
p=-1のとき調和平均、
p→0のとき相乗平均、
p=1のとき相加平均、
p→∞のとき最大値です。
また、Stolarsky meanと呼ばれるものがあって、
http://en.wikipedia.org/wiki/Stolarsky_mean
によると、
f^(n)-1(n!・f[x[0],…,x[n]]) for f(x)=x^p
なのですが、同様に実数pに関して単調増加になることが知られています。
2変数のとき、{(x^p-y^p)/p(x-y)}^{1/(p-1)}
という形で、
p→-∞のとき最小値、
p=-1のとき相乗平均、
p→0のとき対数平均、
p=2のとき相加平均、
p→∞のとき最大値です。
2変数のとき、ベキ乗平均とStolarsky meanをまとめたものがあるようで、
E_r,s(x,y)={r(x^s-y^s)/s(x^r-y^r)}^{1/(s-r)}
において、r=1とすると、Stolarsky mean
E_1,s(x,y)={(x^s-y^s)/s(x-y)}^{1/(s-1)}
になり、s=2rとすると、ベキ乗平均
E_r,2r(x,y)={(x^2r-y^2r)/2(x^r-y^r)}^{1/r}={(x^r+y^r)/2}^(1/r)
になります。
ここでn変数のときのベキ乗平均とStolarsky meanをまとめたものはさすがにたいへんなので、
3変数のときのベキ乗平均とStolarsky meanをまとめたものを具体的に知りたく思うのですが。
なお、3変数のときのベキ乗平均は
{(x^p+y^p+z^3)/2}^(1/p)
で、3変数のときのStolarsky meanは僕の計算によると
{ 2x^p/p(p-1)(x-y)(x-z) + 2y^p/p(p-1)(y-z)(y-x) + 2z^p/p(p-1)(z-x)(z-y)} ^ {1/(p-2)}
になりました。
A 回答 (4件)
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No.4
- 回答日時:
ANo.3へのコメントについてです。
> いかにも人工的な3変数以上のE_r,s(X)のような平均には、複雑な不等式の成果しかなく
うーん、それはちょっと残念。ま、そういう状況でしたら、いっそ逆からアプローチしてみては如何でしょ。どういう事かというと:
E_r,s(x,y,z)のように二つのパラメータを持つ式でよければ、そして「いかにも人工的」でも構わんということであれば、(ANo.2に書いた通り)全く勝手な二つの関数(パラメータ1個を含む)を、重み付きで混ぜ合わせた式を作れば、重みを調節することでどっちにでも一致させられる訳です。
これをもうちょっとだけひねる。すなわち、列XのStolarsky mean を(パラメータをqとして)S(q,X)、列Xのベキ条平均を(パラメータをpとして)M(p,X)と書いてみると、
Xの最小値 = (q→-∞の時のS(q,X)) = (p→-∞の時のP(p,X) )
Xの相乗平均= (q =-1の時のS(q,X)) = (p→0 の時のP(p,X) )
Xの相加平均= q( = 2 の時のS(q,X)) = (p =1 の時のP(p,X) )
Xの最大値 = (q→∞ の時のS(q,X)) = (p→∞ の時のP(p,X))
ということだから、pをqの関数だと思って、ただし
q→-∞の時、p(q) = -∞
q =-1の時、p(q) = 0
q = 2 の時、p(q) = 1
q→∞ の時、p(q) = ∞
を満たす適当なp(q)を選び、
W(q,w,X) = (S(q,X)とM(p(q),X)を重みwでテキトーに内挿したもの)
とおけば、q→-∞, q = -1, q = 2, q→∞のときには(wとは無関係に)それぞれXの最小値, 相乗平均, 相加平均, 最大値になり、それ以外のqに於いてはwによってS(q,X)にもM(p(q),X)にも一致させられるナニカになる、というハイブリッドができる。
そのようなハイブリッドは幾らでも作れる訳ですが、それらの中から何か良い性質を持つものを選び出す、という風に考えてみてはどうか、ということです。
この回答への補足
相加相乗平均の関係の拡張として、中間値によるものと、平均値によるものがありますが、
基本対称式によるものもあると思いだしました。
3つの正数だと、
(abc)^(1/3)≦√{(ab+bc+ca)/3}≦(a+b+c)/3
ただこれを実数pによる系列として表したり、中間値によるベキ乗平均、平均値によるStolarsky meanとを統一することはできていないと思います。
ありがとうございます。
「平均考」と検索して出てくる論文によると、平均には、
対称性、加重化、多変数化、作用素版、連続版
などの側面があり、また、万能なものはなさそうです。
今回の質問には、名前がついている平均を多変数としてすべてまとめたい、というのがありましたが、
ハイブリッドという案もいただきましたが、ここらでいったんあきらめたいと思います。
No.3
- 回答日時:
ANo.2へのコメントについてです。
まず、ANo.2で申し上げた参考文献[17]ってのは
[17] K.B. STOLARSKY, The power and generalized logarithmic means, Amer. Math. Monthly, 87(7) (1980), 545–548.
のこと。
それはさておき、です。
べき乗平均に出て来なくて、Stolarsky meanに出て来るのが対数平均。ですが、対数平均 (x-y)/(ln(x)-ln(y)) において変数の個数を増やせと言われたって、どうすりゃいいの?という状況。Stolarskyさんは(Stolarsky meanを介して)これを拡張してみせた、ということなんでしょう。
ところで、4変数a,b,c,dで(((a,b)の平均, (c,d)の平均)の平均)と(((a,c)の平均, (b,d)の平均)の平均)を考えてみる。n変数のべき乗平均法をM(p; x[1],x[2],…,x[n])と書くと、pによらず
M(p; M(p; a,b),M(p; c,d)) = M(p; M(p; a,c),M(p; b,d)) = M(p; a,b,c,d)
を満たす。すなわち、コタエはa,b,c,dの並べ方に無関係、言い換えればa,b,c,dの対称式になっている。で、4変数の対数平均もこの関係を満たさなきゃ「平均」とは呼べないな、という感じがします。
すると、Stolarsky meanを4変数に拡張したもの(対数平均も含む)もきっとpに依らず上記の関係を満たすんでしょうね。いや、まだ調べてないけど。
だとすれば、ご質問にお書きのE_r,s(x,y)で(((a,b)の平均, (c,d)の平均)の平均)を作ったとき、もしa,b,c,dの対称式の格好に整理できるんであれば、それが4変数の場合への拡張に他ならない筈。(これが首尾よく行くのであれば、3変数の場合がどうなるかは、そこから洞察できるのかも知れません。)
どうなるのかな?
ありがとうございます。参考文献[17]
K.B. STOLARSKY, The power and generalized logarithmic means, Amer. Math. Monthly, 87(7) (1980), 545–548.
を検索すると、
http://www.jstor.org/discover/10.2307/2321420?ui …
になりましたが、有料のため1ページ目しかみれません。
2変数のベキ乗平均、{(x^p+y^p)/2}^(1/p)
は、あるpによって最小値、調和平均、相乗平均、相加平均、2乗平均、最大値になる。
2変数のベキ乗平均で、{(x^p+y^p)/2}^(1/p)=mとすると、
(x^p+y^p)/2=m^p
なので、中間値の定理を意味する。
これにしたがって、n変数のベキ乗平均は、{(x[1]^p+…+x[n]^p)/n}^(1/p)
とする。
3変数のベキ乗平均は、{(x^p+y^p+z^p)/3}^(1/p)
2変数のStolarsky mean、{(x^p-y^p)/p(x-y)}^{1/(p-1)}
は、あるpによって最小値、相乗平均、対数平均、相加平均、最大値になる。
2変数のStolarsky meanで、{(x^p-y^p)/p(x-y)}^{1/(p-1)}=mとすると、
(x^p-y^p)/(x-y)=pm^(p-1)
なので、平均値の定理を意味する。
これにしたがって、n+1変数のStolarsky meanは、f^(n)-1(n!・f[x[0],…,x[n]])
ただし、f(x)=x^p、f[x[0],…,x[n]]はdivided differences
とする。
3変数のStolarsky meanは、{ 2x^p/p(p-1)(x-y)(x-z) + 2y^p/p(p-1)(y-z)(y-x) + 2z^p/p(p-1)(z-x)(z-y)} ^ {1/(p-2)}
ところで、
http://en.wikipedia.org/wiki/Logarithmic_mean
によると、2変数の対数平均は、
∫x^(1-t) y^t (積分区間はt≧0、1-t≧0)
=exp[logx,logy] ([ ]記号はdivided differences )
=(y-x)/(logy-logx)
で、3変数の対数平均は、
∫x^u y^v z^(1-u-v)(積分区間はu≧0、v≧0、1-u+v≧0)
=2exp[logx,logy,logz] ([ ]記号はdivided differences )
={-2x(logy-logz)-2y(logz-logx)-2z(logx-logy)}/(logx-logy)(logy-logz)(logz-logx)
ここで、3変数のStolarsky meanのpを調整して3変数の対数平均になるようにしたかったのですが、うまくいきません。2変数でうまくいったことが3変数になると破たん。
違う方法を調べた結果、
http://www.emis.de/journals/JIPAM/images/201_04_ …
に
E_r,s(x,y)=[∫{tx^s + (1-t)y^s}^((r-s)/s)dt]^(1/(r-s)) (積分区間は、t≧0、1-t≧0)
=[s(x^r-y^r)/r(x^s-y^s)]^(1/(r-s))
これはr=1とすると、Stolarsky mean、s=2rとすると、ベキ乗平均になる。
と書いてあるので、僕は独自に
E_r,s(x,y,z)=[∫∫{ux^s + vy^s + (1-u-v)z^s}^((r-s)/s)dvdu]^(1/(r-s)) (積分区間は、u≧0、v≧0、1-u+v≧0)
=[s^2 x^(r+s) / r(r+s)(x^s-y^s)(x^s-z^s) + s^2 y^(r+s) / r(r+s)(y^s-z^s)(y^s-x^s) + s^2 z^(r+s) / r(r+s)(z^s-x^s)(z^s-y^s) ]^(1/(r-s))
を考えました。それは、s=1,r=p-1とするとStolarsky meanになり、s=0,r=1とすると対数平均になりますが、ベキ乗平均にはならなさそうです。
上記の論文には、E_r,s(x,y,z)を僕とは違う定義をしています。
それだと積分計算はしやすそうですが、3変数のときのベキ乗平均や3変数のときのStolarsky meanを含んでいなさそうです。
名前のついたような平均をすべて含む3変数の平均は知られていないかもしれません。
回答いただいた
M(p; M(p; a,b),M(p; c,d)) = M(p; M(p; a,c),M(p; b,d)) = M(p; a,b,c,d)
もベキ乗平均以外では成り立っていないように思います。
いくつか検索しても、いかにも人工的な3変数以上のE_r,s(X)のような平均には、複雑な不等式の成果しかなく、幾何や統計や物理などへの応用は今のところないように思いました。
No.2
- 回答日時:
ANo.1へのコメントについての感想文です。
コメントでご紹介のページの参考文献[17]は、もしかして、ご質問にある「2変数のとき、ベキ乗平均とStolarsky meanをまとめたもの」の話でしょうか。
とにかく「まとめる」だけ、ということなら、それこそ単に2種類の平均法を重みwを掛けて内挿しちゃえば良いのは自明。さらに、その重みパラメータwとパラメータpを、ひとつのパラメータだけでコントロールできるようにするという条件を付けるなら、パラメータpとwの対が1個のパラメータzと1:1対応する写像を作ってしまえば良い。
しかしこういうムリヤリの結合じゃなくて、なんかすげえ洞察が湧いて来るようなエレガントな統一をお求めなんですよね。なかなか豊かな内容がある話っぽいなあ。
ありがとうございます。しかし、参考文献[17]というのが具体的に何を意味しているのか分かりませんでした。
少し調べて
http://downloads.hindawi.com/journals/jia/2009/7 …
の2ページ目で、2変数のStolarsky meanでのpを固定したとき、あるベキのベキ乗平均ではさむことができる、ということを知りました。
Stolarsky meanでpを動かしたときの系列と、ベキ乗平均でpを動かしたときの系列は、始点は「最小値」、終点は「最大値」で同じで、また、「相乗平均」「相加平均」でそれぞれ同じものになる(ただし、同じpとは限らない)。
さらに、どのpでのStolarsky meanからも、ベキ乗平均はあまり離れていないという結果に面白いと思いました。
同じ病院で生まれた男女が、同じ街に住みながらあまり離れずにどんどん成長していく。
人生で2回だけで会う。(定義式での同じpとは限らないが、尺度を調整すれば同じpで出会うとしてよい)
その後もそばに住みながら出会うことなく歳を取っていき、最後に男女が死んだ場所も同じだった。
そういったストーリーを思い浮かべてしまいました。
「まとめる」というより、
2変数のStolarsky meanとベキ乗平均の関係が、3変数では「どういう関係にあるか」に興味が変わってきました。
No.1
- 回答日時:
Stolarsky meanっすか。
へー、なるほどー。nを増やした時に空間の次元を上げるんじゃなしに、話をラグランジュ補間にもって行くところが面白いっす。これはちょっと勉強してみようかなあ。と、これだけじゃ回答になんないので、思いつきだけ申し上げちゃいますと:
x=yの場合を取りあえずムシするとS(p;x,y) : Stolarsky mean with pは
S(p;x,y) = ((x^p - y^p)/(x-y)/p) ^ (1/(p-1))
てことは、x=0の場合を取りあえずムシして、初項 x^(1-p), 公比 y/x, 項数pの等比級数R
R(p;x,y) = x^(1-p) + (x^(2-p))y + … + x(y^(p-2)) + y^(p-1)
を考えれば
S(p;x,y) = (R(p;x,y)/p)^(1/p-1)
である。すると3変数を扱うのに
R(p;x,y,z) = Σ(x^q)(y^r)(z^s) (Σの範囲は{q+r+s =1-p, |q|<p, |r|<p, |s|<p})
を考えてみるとベキ乗平均と相性が良さそうな気がする、ってのはどうでしょ。
ありがとうございます。相加相乗平均の一般化を調べていて、僕もStolarsky meanというものを知ったばかりです。
ベキ乗平均とStolarsky meanというものをまとめたものとして、
http://www.emis.de/journals/JIPAM/images/201_04_ …
に書いてあるE_r,s(X)というものを想定しています(それとは違う可能性もあります)。
3変数のとき、
L(x,y,z) = 2 ∫ x^u y^v z^(1-u-v) dudv
を積分区間 {(u,v)|u≧0、v≧0、u+v≦1} で計算し、
E_r,s(x,y,z) = {L(x^r,y^r,z^r) / L(x^s,y^s,z^s)} ^ {1/(r-s)}
のようです。これを具体的に計算すると、僕の計算では、
E_r,s(x,y,z) = [s^2{x^r(log z - log y) + y^r(log x -log z) + z^r(log y - log x)} / r^2{x^r(log z - log y) + y^r(log x -log z) + z^r(log y - log x)}] ^ {1/(r-s)}
ただ、この式のrとかsを具体的に定めたものが3変数のときのベキ乗平均や3変数のときのStolarsky meanになってほしいのですが、うまくいきません。
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