
お世話になります。
「回転の運動方程式とジャイロ効果について」
https://oshiete.goo.ne.jp/qa/9064408.html
にて質問をさせていただきました。
引き続きよろしくお願いします。
【質問1】
回転の運動方程式
L:基準となる座標系(慣性系)での角運動量
l:回転座標系での角運動量
dL/dt = d l/dt + ω × L = N
からどのようにして
ω × L = N が導き出されるのでしょうか?
※質問2については、自分でも混乱する部分があり、うまく質問を伝えられないかもしれません。
【質問2】
方程式である、
ω × L = N … ①
ω × L = -N ⇒ L × ω = N(アンチトルク) … ②
の読み方として、
① … トルクが発生した時に、トルクと直行するように角速度ωが発生する(歳差運動をする)
② … 角速度ω が発生した時、作用に対してアンチトルクが発生する。
コマの現象を知っていれば、このように方程式を説明できそうですが、
コマの現象を知らず、初めて①、②の方程式を見た時にはそのような説明ができないように思えます。
前回
>本当にそんなモーメントって存在しているのかと疑問になっています。
という質問をしました。
>外力に対して「反作用」を認めた場合のみNにマイナスが付き
>dL/dt = dl /dt + ω×L = -N
>⇒ L × ω = N
となると自分で言いましたが
このコマの歳差運動(プリセッション含む)現象における「反作用」とは一体どこから来るのでしょうか?
つまるところ、
実験として現象として見たときに、偶然反作用として成立してそうだったという訳ではないですよね?
【質問3】
方程式①、②の使いどころがいまいち分かりません。
高速回転するコマをそっと机に置いて歳差運動をしている様は分かりそうな気がします。
式① : 重力がトルクとなり(N = r × F = mgℓ)、角速度ωを軸にして歳差運動をします。
式②:角速度ωが生じたことで、反作用としてアンチトルクが発生。
この場合、重力という作用に対してアンチトルクが打ち消し合います。
( L × ω と r × F が等価な値として扱われる。)
では、
船に高速回転するコマ(ジャイロ)を載せた場合
考え方のスタート地点が難しいです。
外力によって、Y軸まわりにプリセッションを起こす。
N(アンチトルク) = L × θ
( X軸まわりをΦ、Y軸まわりをθ、Z軸まわりをφ)
外力を N = r × F とするのか、
いやいや、外力によって既に角速度Φを発生させているのだから、 N = L × Φ とするのか。
質問が長くなりましたが、よろしくお願いします。
No.7ベストアンサー
- 回答日時:
上手く整理できませんが、参考になればと思い、長文ですが書いてみました。
>【質問1】どのようにして
>ω × L = N が導き出されるのでしょうか?
dL/dt = dl/dt + ω × L = N (1)
この運動方程式が成立すれば、回転体の回転軸を基準とする「回転座標」から見れば、角運動量「l」に変化はありませんから、dl/dt = 0 です。
従って、ごく単純に
N = ω × L
が導かれると思います。
ここでは、回転運動をしているものに、何らかの外力が働くことを想定していますよね?
外力がなければ、dL/dt = N = 0 (角運動量一定)ですが、外力(トルク N )が働けば
N = ω × L
で角運動量 L から決まる角速度 ω が発生するということです。
ここでの「 ω 」は、回転体のもともとの回転の角速度ではなく、外力(トルク N )によって発生する回転の角速度です。
「どちらの座標系でも角運動量は一定」とお考えのようですが、(1)式はそうではありません。慣性座標系では、外力(トルク N )に対応して「角運動量 L」そのものが変化するということですし、回転座標系ではもともとの回転による「角運動量 l」は変化せずに新たな要素「 ω × L 」が付加されるということです。
どちらも「一定」ではなく変化するということです。
(No.3に対する補足)
>回転座標系の観測者からすれば、角運動量ベクトルの方向は変化しません。
>慣性座標系の観測者では方向は変化して見えます。
上に書いたように、「もともとの角運動量が変化する」とみるか、「もともとの角運動量に対して、別な物理量が付加される」と見るかの違いだと思います。
(No.6に対する補足)
>L = 一定 であれば
>本来?数学的には一定の値の微分、時間変化とは0になります。
>しかし実際には ≠ 0 です。
>
>矛盾はしていないのでしょうか?
上に書いたように、「L」は一定ではありません。一定なら何も変化しません。
外力=トルク N を加える、という条件ですよね。
>【質問2】
>方程式である、
>ω × L = N … ①
>ω × L = -N ⇒ L × ω = N(アンチトルク) … ②
>の読み方として、
>① … トルクが発生した時に、トルクと直行するように角速度ωが発生する(歳差運動をする)
>② … 角速度ω が発生した時、作用に対してアンチトルクが発生する。
おっしゃる意味がいま一つ分かりませんが、
①外力(トルク)を与えた場合
②新たな回転(角速度ω)を与えたときに発生するトルク
という意味でしょうか。
つまり、電磁気学の「フレミング右手の法則」(運動を与えて起電力を発生させる)場合と「フレミング左手の法則」(電流を与えて力を発生させる)場合のような関係。
No.1さんが紹介されている資料の図13が、まさしくそれを説明しているように思います。
①が図13(a)「プリセッション」の場合で、重力に相当する外力FをトルクT(=Y軸周りの回転)として与えた場合の、Z軸周りの回転(角速度Ω)の発生。(これは図11でも同様)
②が図13(b)「ジャイロ効果」の場合で、Z軸(回転の角運動量 H =X軸に垂直ならどの方向でもよい)周りに回転(角速度Ω)を与えた場合の、トルクT(=Y軸周りの回転)の発生。
>このコマの歳差運動(プリセッション含む)現象における「反作用」とは一体どこから来るのでしょうか?
>つまるところ、
>実験として現象として見たときに、偶然反作用として成立してそうだったという訳ではないですよね?
反作用というよりも、「何を変化させて、その結果何を生じさせるか」の「原因と結果の関係」だと思います。
上に書いたように、「重力」という外力に起因する「プリセッション」つまり「新たな回転運動の発生」と、「回転運動を与える」ことに起因する「トルク(外力)の発生」との違いです。
>前回
>>本当にそんなモーメントって存在しているのかと疑問になっています。
>という質問をしました。
上のように、慣性座標系から見ても回転座標系から見ても、明らか存在しています。
>【質問3】
>方程式①、②の使いどころがいまいち分かりません。
「質問2」に書いたような「原因と結果」を考れば、使いどころと使い分けができるのではないでしょうか。
>式① : 重力がトルクとなり(N = r × F = mgl)、角速度ωを軸にして歳差運動をします。
>式②:角速度ωが生じたことで、反作用としてアンチトルクが発生。
式①により、初期状態の回転軸の傾きのまま、永久に歳差運動を維持します。式②による「反作用としてのアンチトルク」は、回転軸を水平にしようとする重力に対する反作用として作用し、そのまま回転軸の傾きを維持します。
>船に高速回転するコマ(ジャイロ)を載せた場合
>考え方のスタート地点が難しいです。
「回転軸方向初期状態の維持」と考えればよいのではないでしょうか。
ジャイロコンパスのように、姿勢に変位が生じた場合に、
(1)変位から角速度ωが生じると、式②によって発生する「アンチトルク」を利用して重りを移動させ、
(2)その重りと重力によって発生するトルクを使用して、式①によって歳差運動を発生させて、生じた回転運動で変位を元に戻す
というようなことをするのだと思います。
ベクトルの向き(これが直接の力や速度の向きではなく、力や速度を回転方向とした回転軸の向きなのでややこしいです)が単純ではないので、なかなか直観的に理解するのが難しいですが。
>外力によって、Y軸まわりにプリセッションを起こす。
>N(アンチトルク) = L × θ
>( X軸まわりをΦ、Y軸まわりをθ、Z軸まわりをφ)
図13(a)で言えば、外力によってトルクを与えるのがY軸、プリセッションが発生するのはZ軸です。
トルク N は(与えるのでアンチトルクではないですね)、式①を用いて、プリセッションの角速度は Z軸周りですから
N = ω × L = dφ/dt × L
となります。
>外力を N = r × F とするのか
トルク N が、腕の長さ r に働く力 F によるモーメントならそうです。
>いやいや、外力によって既に角速度Φを発生させているのだから、 N = L × Φ とするのか。
どこの角速度ですか? 「 X軸まわり(の角度)をΦ」の「Φ」なら、外力を加える前の回転運動ですから、外力には関係ありません。
仮にこれだとしても、角速度なら「dΦ/dt」です。
トルクをY軸周りの回転として表現するなら、慣性モーメント I を使って
N = I ・d^2θ/dt^2
となるのでしょう(少なくとも、力に相当するものなので、変位の2回微分のはず)。ここでは慣性モーメント I は不明です。
回転運動はいろいろとややこしいので、ゆっくり整理しながら考えてみてください。
私も、どこかでポカや考え違いをしているかもしれませんが。
回答ありがとうございます。
なかなか質問をうまく伝えられず困惑させてしまうところもありましたが、
詳しくお答えいただきとても勉強になります。
dL/dt = dl/dt + ω × L = N
という回転の運動方程式は理解すればするほど奥が深いなと思いました。
質問がだいぶ長くなってしまいましたので、
これまでの内容を整理し直し、分からない部分を改めて投稿したいと思います。
No.8
- 回答日時:
No.7さんの解説で合っていると思います。
慣性系から見たdL/dtは、回転系のdl/dtにプリセッションのトルクN=ω×L(×はベクトル積)が足されたものになります。
回転系のdl/dt=0ならば、dL/dt=N=ω×Lとなります。
回答ありがとうございます。
>回転座標系に対するdl/dtは、方向が一定ですから、角速度が一定ならば、時間変化はありませんから、0になります。
回転の運動方程式における「一定」という言葉の意味を理解するのにずいぶんと時間がかかってしまいました。
L = 一定の値として見てしまっていたのが間違いの原因でした。
(間違い)dl/dt = 0 なのだから、 L = 一定でなければいけない
(正解) L は一定値ではありません。 大きさは一定ですが、慣性座標系では方向が変化します。
回転座標系では方向は常に変化しません。
分かります!
長くなってしまいましたので、質問を整理し直します。
ありがとうございました!
No.6
- 回答日時:
補足に対して回答します。
dL/dtは、ベクトルに対する時間微分ですから、方向が時間で変れば0では無いです。
回転座標系に対するdl/dtは、方向が一定ですから、角速度が一定ならば、時間変化はありませんから、0になります。
当然ながら、コマが垂直に回転している場合は、ω、Lのベクトルの向きは回転軸方向ですから、慣性座標系でもベクトルの向きはZ方向となり、一致します。
したがって、ベクトル積は0となり、全て0になります。
No.5
- 回答日時:
多分、いろいろ混同してしまっているんだと思います。
(回転体の回転に対する角速度ベクトルωとプリセッションの角速度ベクトルωは違います)同じ資料を参照されているならば、図10と図11ではωの方向が違う事がわかると思います。
図11ではプリセッションのωの向きはx-y平面に平行な方向です。
図11のベクトル積の方向を考えると、プリセッションの角速度ベクトルが回転体の回転軸を回転させる方向に向いているのがわかると思います。
説明が難しいですが、プリセッションの角速度ベクトルωは、回転体の回転軸をZ軸に向ける方向に向いています。
これが、プリセッションの角速度ベクトルωと直行する重力の向きとバランスしているので、歳差運動をする事になります。(x-y平面と平行な円の軌道で回転体の回転軸が回転します)
プリセッションのω×H=Tですから、回転の一瞬を捉えた時は回転中心軸を原点0として、プリセッションのωはx-y平面に平行にZ軸に向かっている(仮にこの向きをx軸とします)とすると、ωとHのベクトル積の方向はz-x平面に垂直な方向(この場合はy軸に向く)となり、これがTの方向です。
No.3
- 回答日時:
そういう事です。
一定なのは、慣性座標系の角運動量も回転座標系の角運動量も一緒ですが、回転座標系は回転体の回転と同じ角速度で慣性座標系に対して回転しています。(つまり、回転座標系に対して、回転体は回転していないと言う事です)
No.2
- 回答日時:
何か誤解されているようですが、0になるのは、回転座標系のdl/dtですよ。
回転座標系は、回転体の回転と同期しているので、回転体に対して静止しているのと同じ事です。
つまり、dlの変化は無いんですよ。
当然、慣性座標系からは、回転体は回転していますから、dL/dt≠0です。
No.1
- 回答日時:
基本的には、角運動量ベクトルや角速度ベクトルや外力のベクトルの向きで考えるしか無いです。
以下のリンクは、かなり詳細に解説されていると思いますので、一度目を通して見ると良いでしょう。
http://knock.t.u-tokyo.ac.jp/lecture/pdf_data01/ …
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回答ありがとうございます
実は私もこのページを参考にさせていただいたのですが、
時間微分項が0になるため ω × L = T になるという説明が納得できないのです
dL /dt = dl /dt + ω × L = T
時間微分項が0であれば、
dl/dt =0 → ω × L = T と説明していますが
基準座標系(慣性系)での dL/dt も0 となり
結局 dL/dt = T = 0 → ω × L = 0
矛盾しているように思えるのです
つまりそれは 角運動量L = 一定 であっても
慣性座標系 dL/dt ≠ 0 であり
回転座標系 dl/dt = 0
ということを言っているのですね?
回答ありがとうございます。
コマの回転が一定であれば、
双方の座標系での角運動量ベクトルの「大きさ」は一定です。
違いはベクトルの「方向」です。
確かに、
回転座標系の観測者からすれば、角運動量ベクトルの方向は変化しません。
慣性座標系の観測者では方向は変化して見えます。
一定な値でありながら、その時間変化は ≠0 という数学的にイメージがつかみにくいのですが、
ベクトルの方向が時間変化するものを「一定の値をもつベクトル量」だと捉えて良いものなのでしょうか?
回答ありがとうございます。
> dL/dtはベクトルに対する時間微分ですから、方向が時間で変われば0ではないです。
L = 一定 であれば
本来?数学的には一定の値の微分、時間変化とは0になります。
しかし実際には ≠ 0 です。
矛盾はしていないのでしょうか?