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私は大学で生物学を学んでいるものなのですが、講義で「カリウムを血管に注射すると人間は死んでしまう」と聞きました。
なぜそうなるのか詳しい機構を教えてください。お願いします。

A 回答 (3件)

心臓に到達したカリウムは心臓の筋肉の静止膜電位を上昇させてしまいます。

静止膜電位は細胞の内外のカリウムの濃度差で決まっているからです。
静止膜電位があがってしまうと筋が興奮することは出来ません。すると、興奮出来ない心筋は収縮することが出来ません。つまり、心臓が本来の血液ポンプとしての役割を果たせなくなります。すると脳細胞が酸素不足で死んでいきます。つまり、生命体は生きていくことが出来なくなります。

この回答への補足

回答ありがとございます。
あと、静止膜電位があがったとき閾値はどうなるのかを教えてください。
静止膜電位が閾値を越えることはあるのですか?

補足日時:2001/06/25 12:27
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細胞とその周辺を考える時、K+は細胞外に豊富に存在しています。


一方、Na+やCl-は細胞外に豊富に存在しています。
KClをiv.(静脈内投与)すると、細胞外にK+が増えることになります。
つまり細胞内外のイオンバランスが崩れてしまうわけです。
具体的に言うならば、細胞外K+レベルが高まるので細胞内のK+が浸透圧に従って、
細胞外へ流出する系を抑制し、脱分極します。
この結果、心筋の絶対不応期が延長され、自動能が抑制されます。
つまり心停止にいたる訳です。

因みにKClは心筋の収縮を起こします。
これは、初めの脱分極で電位依存性Ca2+チャネルが開口し、
細胞外に多いCa2+が細胞内へ流入、
Ca2+は細胞内でカルモジュリンというタンパク質と複合体を形成し、
この複合体がミオシン軽鎖キナーゼと呼ばれるリン酸化酵素を活性化、
筋繊維のミオシンをリン酸化することで収縮反応をしめすわけです。
まぁ後半は蛇足でしたね。

少しくわしめに…。

この回答への補足

回答ありがとうございます。
「脱分極をする」というところまではわかったのですが、「絶対不応期が延長される」というのがよくわかりません。
あと、閾値との関連を教えてください。
たとえば、脱分極が閾値にまで達したとしたら、その時活動電流は発生しないのですか?

補足日時:2001/06/25 12:33
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>静止膜電位があがったとき閾値はどうなるのかを教えてください。



閾値は神経ならばNa+channelの性質によって決まります。心臓ならばCa++channelですね。従って、静止膜電位とは関係ありません。つまり、静止電位がどこであろうとそれによって発火の閾値は変わりません。

>静止膜電位が閾値を越えることはあるのですか?
上の回答からもわかるとおり答えは「ある」となりますが、これはもちろん、人為的な操作をした場合であって生理的な条件下で通常起こっているという意味ではありません。人為的には外液のKの濃度を変えることによって静止電位をどこにでも持っていけます。あるいは静止電位を作るKチャネルをブロックすることでも静止電位を変えることが出来ます。

>たとえば、脱分極が閾値にまで達したとしたら、その時活動電流は発生しないのですか?

当然活動電流は生じます。ですが、そのあと静止膜電位には戻りますが、今考えている状況はこの静止膜電位が高いわけですよね。すると再分極が十分に出来ないわけですね。すると、神経の場合には活動電流をになうNa+ channelが不活性な状態なままでいるため次に閾値を超えても活性化されません。従って、興奮は一度だけということになります。こういう状態を脱分極性ブロックといいます。
このように興奮性膜は一度興奮したあとに再分極の過程を経ないと再度興奮することが出来ません。この再度興奮することが出来ない時間を不応期と呼びます。不応期の程度はどの程度不活性化状態のチャネルがあるかで決まります。不活性化状態のチャネルが多く、細胞全体として発火が得られないようになると絶対不応期であると考えていいでしょう。
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この回答へのお礼

ありがとうございました。
自分の知識のあいまいなところがよくわかりました。

お礼日時:2001/06/26 17:36

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