初めて自分の家と他人の家が違う、と意識した時

一般には種名表記は斜体と教えられていますが、「教えて!goo」の質問への回答 (科名の表記はイタリック体それともローマン体? https://oshiete.goo.ne.jp/qa/5071871.html のNo.1) や検索上位のブログ記事(学名が斜体(イタリック)な理由 http://www.geocities.jp/iboibomanjp/Jpn/spname/s … )では、属名等の表記に規則はないので好きなように書けば良いとされています。
本当はどうなのでしょうか・

藻類・菌類・植物の国際命名法規約(メルボルン規約)にはこんな風に書かれていました。
International Code of Nomenclature for algae, fungi, and plants (Melbourne Code)
http://www.iapt-taxon.org/nomen/main.php?page=pf

As in all recent editions, scientific names under the jurisdiction of the Code, irrespective of rank, are consistently printed in italic type. The Code sets no binding standard in this respect, as typography is a matter of editorial style and tradition, not of nomenclature. Nevertheless, editors and authors, in the interest of international uniformity, may wish to consider adhering to the practice exemplified by the Code, which has been well received in general and is followed in a number of botanical and mycological journals. To set off scientific names even better, the abandonment in the Code of italics for technical terms and other words in Latin, traditional but inconsistent in early editions, has been maintained.

概訳「(略)科学名は全レベルで斜体で表記してある。字体は編集方針と伝統によるものなので、規約はこれを拘束するものではない。しかしながら(規約の)編集者と著者らは、国際的な統一性に鑑み、斜体を使うことを推奨する。これは一般によく受け入れられており、多くの植物学や菌学の科学誌において踏襲されている記法である。(後略)」

ここで言わんとしていることは「規約ではないが伝統(斜体表記)に従うことを勧める」ということで、それを控えめに表現しているだけのようです。
しかし、上記No1回答者やブログ著者は、「規約ではない」というところだけ拾い、後半を恣意的に無視しているように思います。


一方、動物学の国際命名法規約の「付録B 一般勧告」には次の様にあります。
INTERNATIONAL CODE OF ZOOLOGICAL NOMENCLATURE
Appendix B General Recommendations
http://www.nhm.ac.uk/hosted-sites/iczn/code/inde …

6. The scientific names of genus- or species-group taxa should be printed in a type-face (font) different from that used in the text; such names are usually printed in italics, which should not be used for names of higher taxa. Species¬group names always begin with a lower-case letter, and when cited should always be preceded by a generic name (or an abbreviation of one); names of all supraspecific taxa begin with an upper-case (capital) letter.

「科学名の属と種は地の文とは異なる字体、通常は斜体、を使うべきだが、それ以上の分類にはこうしたことはしない。(後略)」

ここで言わんとしていることは「属と種(←種小名という悪訳がある)は異なる字体(普通は斜体)で書く。」ということです。つまり、何が何でも斜体とは言わないが、通常は斜体にすべき、と言っているわけです。

しかし、上記No1回答者やブログ著者は、「異なる字体」というところだけ拾い、後半を恣意的に無視しているように思います。もしかしたら、この規約の日本語訳が悪いだけかもしれません。

英語で読む限りは誤解の余地がなく、どうしても斜体でなくてはならないという決まりではないが、斜体にするという慣習に従うべき、という意味にしか読めないのですが、やはり、慣習にはとらわれず、自由に書いてもよいということになるのでしょうか。

A 回答 (1件)

アルファベット表記文化圏では,常識として「ラテン語は,文章に使われているのとは異なる字体(フォント)」を使用する事」というものがあるそうです。

国際命名法では,属名と種小名だけはラテン語ですが,その他はラテン語ではありません。上記の2つが合わさって,属名と種小名だけは別なフォントを使用すると言うことと思います。自由で良いと言うことではありません。

昔タイプライター原稿で雑誌に投稿する際には,イタリックなどありませんから学名の属名と種小名の下にアンダーラインを引いて別フォント(ラテン語)であることを表したりしました。雑誌では下線部は当然のようにイタリックで表されています。筆記体で手書き原稿を書いていた時代は,学名だけは活字体だったりアンダーラインを引いたりして区別したそうです。
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この回答へのお礼

そういうのが常識とおもっていたのですが、国際規約の字面を日本語的に解釈すると「こうしてほしい」という程度に見えてしまいます。
少なくとも生物学的研究に携わっている人であれば、疑問すら持たないはずですが、規約で明確に「こうすべき」と言ってないのが不思議な気がします。

お礼日時:2017/01/18 17:11

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