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発心集の一部です。

訳分かる方教えてください!!


西行、このこともれ聞きて、本意ならず思えけるにや、この家近く行きて、傍らなる小家に立ち入りて、人を語らひて、忍びつつ呼ばせける。娘、いとあやしくは思えけれど、ことさまを聞くに、「わが親こそ、聖になりてありとききしか。さらでは、誰かはわれを呼び出でん」と思ふに、「日ごろ、『見てや止みなん』と心憂かりつるを、もしさらば、いみじからん」と思えて、やがて使に具して、人にも知られず出でにけり。

かしこに行きて見れば、あやしげなる法師の、痩せ黒みたる、麻の墨染の衣・袈裟など、まことにあはれに思えて、涙ぐみつつ、細やかにうちとけ語らふ。西行は、ありし土遊びの時きと見しに、あらぬものに生ひまさりて、いと清げなるを見るにも、さこそ思ひ捨つる世なれど、さすがにこればかりをばえ見過ごさず、ことの有様など聞きて、娘に言ふやう、「年ごろは行方も知らず、姿をだに、今日こそ初めて見るらめ。されども、親子となるは深き契りなり。わが申すこと聞きてむや。違(たが)へらるまじくは言はん」と言ふ。娘の言ふやう、「まことに親にておはしまさば、いかでか違へ奉るべき」と言ふ。「しかあらば申さん」と言ふ。

A 回答 (1件)

こんな程度の訳でよければ参考にしてください。



西行はこの話を漏れ聞いて、不本意な事に思ったのであろうか、この家の近くまで行ってそばにあった小さな家に入って、その家の人に話をして、こっそりと娘を呼ばせた。娘は不思議なことには思われたけれど、事情を聞くにつけても、「私の親は、僧になっていると聞いた。その親で無くて誰が私を呼び出したのだろう」と思うにつけても、「いつも『一度は(顔を)見ておきたいものだ』と気にかかっていたのであるが、その親が逢いにきたのであれば、素晴らしいことだ」思われて、すぐ使いの者に付いて、人に知られないように(こっそりと)外に出たのであった。
 その小さな家に行ってみると、みすぼらしい僧で、痩せ黒ずんで、麻の墨染めの衣や袈裟など(身につけている)本当に気の毒に思われて、涙ぐみながら、細々(こまごま)と打ち解けて話を続けた。西行は、(娘が)在りし日に土遊びをしている時に見た(のに比べて)全く変わった様子に成長して、たいそう美しくなっているのを見るにつけても、いくらすべての思いを捨てた出家の身だとは言って、さすがにこの娘の事は見過ごして置けなくて、(今の)身の上の事情などを聞いて、娘に言うのには、「普段は行方も分からず、姿をさえも今日初めて見ることであろう。しかし、親子となるのは前世からの深い因縁である。私の申すことを聞くと約束するか。言うことを聞いてくれるつもりなら、言おう。」という。娘が言うのには、「本当の親でいらっしゃるのなら、どうして約束を違えることがありましょうか」という。(西行は)「それなら申そう」と言った。
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この回答へのお礼

ありがとうございます!!

お礼日時:2018/01/26 22:53

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