民法でわからないところがあったので質問させてください。物件的請求権についてです。
最高裁判例昭和35年6月17日の判例では
土地の所有権に基づく物上請求権の訴訟においては、現実に家屋を所有することによって現実にその土地を占拠して土地の所有権を妨害している者を被告としなければならない
対して、平成6年2月8日判例では
他人の土地上に自らの意思に基づいて建物の所有権取得の登記をしたものは、登記を保有する限り土地所有者に対して建物除去、土地引き渡しの義務を負うとあります。
問題で、AはBの所有する土地上に無断で建物を建築したが、AC間の合意により当該建物の所有権保存登記は所有権者でないCの名義でなされた場合、CはBに対し、当該建物の収去義務を負わない。とあり、正でした。
この問題では、昭和35年判決に関するものだと思うのですが、平成6年判決のように読み取ることは不可能なのでしょうか?
A 回答 (1件)
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No.1
- 回答日時:
平成6年判例はとても複雑なんですよね。
まず言っておかなければならないのは、その問題は平成6年判例の判断に基づくものです。平成6年判例に従うと正になる問題なんですよ。質問者さんは「平成6年2月8日判例では〜〜とあります」と書いていますが、そこが不正確です。
正しくは、「他人の土地上の建物の所有権を取得した者が」自らの意思に基づいて〜〜と続くのです。ですから、所有権を取得していない者の名義になっていても、その者は収去義務を負いません。結論としては以上です。
理由についても触れておきます。(複雑なので読み飛ばしても構いません)
「対抗できる」というのは、ざっくばらんに言うと、法的な効果を主張できることだと思います。「対抗できない」とは、本来なら生じているはずの法的な効果を主張できない結果、その法的な効果が無いものとして扱われることです。
以上を踏まえて、訴訟においてどうなるか考えましょう。
原告が土地所有者です。被告は、まず建物所有権を取得していた者である場合を考え、その次に取得していない者の場合を考えます。
被告は建物所有権を取得した後他人に譲渡したが、登記名義はそのままの場合を考えると、原告が主張立証するのは、原告が土地を所有していることと、「被告は建物を所有していたこと(建物所有によって土地を占有していたこと)」になるんです。
これに対し、被告は抗弁として、建物を◯◯に譲渡したと主張することになるのですが、登記をしていない場合は所有権を失ったことを対抗できません。そのため、原告の主張が認められてしまいます。
次に、被告が建物所有権を取得したことがないにも関わらず登記名義を有している場合を考えます。
この場合、原告は、「被告は建物を所有していたこと(建物所有によって土地を占有していたこと」を立証できないんですよ。そんな事実が無いのですから。
したがって、対抗できるできないの問題にならず、収去義務を負うことがないわけです。
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