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ゲーテの作品『ファウスト』の作中で、ファウストとメフィストフェレスが賭けをするそうですが、この賭けで、メフィストフェレスが勝つのは、彼岸に渡ったファウストの魂をメフィストの支配下に従属させること。

これは賭けの条件としてわかりやすいのですが、果たしてファウストが賭けに勝つのはどの様な条件なのかがわかりません。

結末がどうであったかはさておいて、2人が賭けをした時点で「ファウストの勝ち」と言うのはどの様な条件が実現することなのでしょうか?

文学に詳しい方より、ファウストが賭けに勝つ場合の実現事項とは何か、ご教授いただければ幸いです。

A 回答 (5件)

神に対しての賭けであって、ファウストは取引をしただけじゃなかったっけ。


魂がメフィストフェレのものになったら、メフィストの言い分が正しかったという賭けで、
神が間違っていたということは、正が誤となるとすべてがひっくり返るという、とんでもない事態になる。

まあ、メフィストが理性は幸福への鍵ではないと言った事に対して、
最後に「瞬間よ止まれ」だったっけ?によって、達成されていることになり、救済となった。

まあ、キリスト教の救いの話なわけで、不完全なものでも最終的に救われる感覚は
ある意味、分かりにくいものなのかもしれない。
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この回答へのお礼

ファウストが賭けをしたのではないのですね。

ファウストの取引で、ファウストは結局得をするのでしょうか。
それとも取引しなくても、同じように憂鬱な人生を送り、死期が迫った頃に建設の槌音を聞いて将来に夢を抱いて死ぬ事が出来たのでしょうか。

また、神とメフィストが賭けをしたとなると、メフィストは愚か者ですよね。
神は全知全能だから、賭けをしても勝率1.0で無敗だし、メフィストは必ず負けるのですよね。

お礼日時:2019/05/15 11:16

メフィストは、”死後に自分の召使になるなら(悪魔に魂を売るなら)、生前は、ファウストの味方となり、どんな欲望も叶えてあげよう”と持ち掛けました。

天国にも地獄にも懐疑的であった、そして、メフィストが本当に自分の哲学的欲望を満たせるのか、懐疑的であったファウストは、契約内容の変更を申し入れます。

”自分が、メフィストの差し出すの享楽にまみれて、満足してしまったら、その瞬間に、死を受け入れ、この魂は悪魔に渡そう”と言う、彼らしい申し出でした。そこで、契約に血文字でサインをします。

もし、第一幕の終盤で、恋人のグレッチェンが妊娠中の胎児と一緒に亡くならず、ファウストと幸せな家庭を築いていたら、赤ん坊が生まれた瞬間に、契約履行で、魂が悪魔にからめとられていたでしょう。

No.1さんのおっしゃるように、賭けをしたのは、神と悪魔で、これは、旧約のヨブ記を思わせます。おかげで、ヨブのほうは散々な目に遭いますが、彼は、”信仰深い人間”であり、ファウストは、学問を収めた、真実を追求する人でした。人生への失望から、自殺寸前で、もともと失うものはあまりなかった。その辺が、非常に近代的です。

ドイツに古くから伝わる”花咲か爺さん”的、因果応報の昔話を、ゲーテが文学にまで高めたといえます。もともとの、ファウストのモデルは、古く旧約に登場する使徒言行録の魔術師で、時代を超えて、根強く伝承されていたそうです。

以上、蘊蓄でした。
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この回答へのお礼

回答ありがとう御座います。

メフィストのオリジナル提案に対して、ファウストの変更申し入れの方がファウスト側に不利に思えますね。

彼岸を信じない近代人としてのファウストなら、メフィストのオリジナル提案を飲み、メフィストの力を借りてこの世から飢餓や疫病をなくし、永遠平和の実現に向けて努力することが近代人として良い選択だったと思うのですが、、、。

お礼日時:2019/05/15 11:24

お邪魔します。

つたない回答になりますが。

リュンコイスの歌で歌われていますように、「汝が見てきたものは美しかった」という精神的境地にファウストが達することにより、すでに悪魔メフィストフェレスにファウストは打ち克ったということではないでしょうか。

グレートヘンとの恋、ライプツィヒでの学生とのやりとり、ヘレナとの結婚、海岸開拓事業、等々これら一切のすべてが青年に若返ったファウストにとって「生きること・努力すること」の意味として、ファウストが肯定的にとらえられ「女性的なもの」によって天界に引き上げられることにより、そのような境地に達したこと自体そのものが、ファウストが悪魔メフィストに打ち克ったということではないでしょうか。

上手に説明できず申し訳ありません。

何かのお役になれれば幸いです。
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この回答へのお礼

有難うございます。

絶望と憂鬱に生きていたファウストは、未来に対する希望を手に入れ、
死後の魂を欲しがっていたメフィストはのぞみ通りファウストの魂を手にれる。

つまり、ファウストとメフィストフェレスはWin Winの関係になったと言うことでしょうか。

お礼日時:2019/05/15 11:30

No.2です。



結果を言えば、メフィストはファウストの魂を手に入れられません。墓場にやってきたメフィストの目の前で、天が割れ、彼の魂は、天に迎え入れられます。そこで、メフィストは、ファウストの人格を見誤ったことを悟ります。悪魔の失敗です。

***メフィストのオリジナル提案に対して、ファウストの変更申し入れの方がファウスト側に不利に思えますね。

いえいえ。ファウストには、”この世の享楽では、自分は満足できない”とわかっていたので、この契約は、決定的にファウストに有利です。彼が欲しいのは、充足感をもたらす生活です。単なる、悦楽ではない。

この時代のヨーロッパ特有の、個人主義の芽生えが観られます。

そして、飢餓や疫病を撲滅することを悪魔に願うのは、自己矛盾です。悪魔には、人間の幸せは作り出せません。人間を不幸にするのが、悪魔の商売です。人類の将来を悪魔の手にゆだねるほど、ファウストは大胆ではなかったでしょう。

ファウストは、自分の力で、灌漑事業だったか、治水開発だったか、を始めるのです。象牙の塔に閉じこもって、理論・哲学・医学を修めた彼は、知識の集積では満ち足りず、起業をして、汗を流して働くこと、そして、他人の役に立つことで、希求していた充実感を得たのでしょう。

(余談ですが、国土が海面よりも低い、オランダの大規模な灌漑事業を思わせます。彼らは、現在にシステムで、2030年までは、大丈夫だと胸を張って言います。そして、その後の計画を着々と立て続けています。アメリカのように、場当たり的ではありません。)

日々の生活から、充足感を得ること、これは、衣食住に満ち足りた現代社会のテーマでもありますが、戦争・飢餓・疫病の蔓延する地域では、はなはだ贅沢な悩みといえます。
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この回答へのお礼

再度の回答有難うございます。

賭けの相手がファウストならまだしも、相手が全知全能の神じゃあ勝ち目がないですね。
メフィストもバカですね(笑)

飢餓や疫病を撲滅することを悪魔に願うのではなく、メフィストの力(資金力と技術力)を利用して自ら挑戦する事が重要と思います。
人類のことなど考えていない他人資本を活用して国土の強靭化を進める現代日本人と同じ事ですね。他人資本を活用して国土強靭化を推進するだけの知恵がない途上国では繰り返して襲ってくる天災地変で罪もない子供や老人が次々と死んでゆきますからね。

お礼日時:2019/05/16 19:01

#3です。


追記します。

「Das Ewig-Weibliche」は「永遠に女性的なもの」と訳されることが多いですが、このゲーテのドイツ語を邦訳することは不可能です。

実際、ヘレン・ケラーが読んだ英訳では「Woman’s Soul」と訳されていました。

ご質問の「ファウストの勝ちの条件の実現」ですが、それは回答させていただいた通り、ファウスト自身が「生きること・努力すること」の意義を知ることによって、悪魔メフィストの及びもしない精神的な境地に達したということでしょう。

「努力」が天上の高みに昇る、という概念も、従来のキリスト教的価値観にはない、ゲーテ特有の観念です。
「ヴィルヘルムマイスターの修業時代」以来の、後の「ドイツ教養小説」の根底観念に通じるものが「ファウスト」によって現わされたと言ってよいと思います。

以上、少々気になりましたのでつけ加えさせていただきました。

お役になれれば幸いです。
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この回答へのお礼

有難うございました。

お礼日時:2019/05/16 19:02

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