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高校化学では、イオンの質量を考える時、電子の質量は非常に小さいため、原子がイオンになる際に受け取った、または、失った電子分の質量は無視できるということになっていますが、
例えば、カルシウムイオンが1000molあったとします。この時、カルシウム原子1000mol分の質量は63.5×1000=6.35×10^4gあり、これをカルシウムイオン1000mol分の質量とみなしていいということになります。
しかし、カルシウムイオンはCa2+であり、カルシウム原子と比べて、1つのカルシウム原子につき2つの電子が少ないということです。
電子1個の質量は9.1×10^(-28)gですから、2個で約1.8×10^(-27)gになります。この電子2個が1000mol分あるということは、カルシウム原子がカルシウムイオンになる際に失った2個の電子分の質量は1.8×10^(-27)×6.0×10^26=1.08gとなり、無視できないほどの質量になってしまいます。
数molほどなら無視できるほどの質量ですが、物質量が大きくなると無視できないほどの質量になります。

このようなことがあるのに、なぜ、原子がイオンになる際に受け取った、または、失った電子分の質量は無視できると言えるのでしょうか?

A 回答 (4件)

一般的な計算をするような精度では誤差範囲に含まれてしまうので、四捨五入されて0になってしまうと言うだけの話です。

なので、無視しているのではなく、切り捨てられているだけです。そして、その事を説明の流れの中で「失った電子分の質量は無視できる」と書いているだけでしょう。正確には、「無視する」でしょうけどね。

当たり前ですが、高精度の計算や測定が必要な場合には、無視できませんし、無視もしません。
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原子核を構成する陽子や中性子に対して、電子の質量がその約 1/1840 であることは半ば常識です。



この 1/1840 = 0.000543・・・ ≒ 0.0543% を問題にするかしないか、だけのことです。
一般には、かなり詳細な計算でも、0.1% 未満は無視するという程度の精度・誤差で議論することが多いです。

原子には、その原子番号に対応した個数の「陽子」を持った原子核があるので、イオンで失ったり獲得した「電子1個や2個」の質量の比率は上の「1/1840」より小さいものです。
さらに言えば、原子核の「陽子」と「電子」は必ず同じ数ですが、元素によっては原子核に「中性子」が追加になります(原子核内の「陽子」どうしの電気的反発力を緩和するための「距離」をとるためなので、原子番号な大きい元素ほど中性子の比率が大きくなります)。
つまり、原子の質量に占める電子の質量の割合は、中性子が多いほどさらに下がります。
カルシウムなら、原子を構成するものは「陽子20個、中性子20個、電子20個」ですから、原子1個に占める電子20個分の質量の比率は
 1/(1840 × 2) = 1/3680 = 0.000271・・・ ≒ 0.027%
です。
「電子20個」で上の値ですから、「電子1個や2個」だったらその比率はもっと小さくなります。

「1 mol なら無視できるが、1000 mol なら無視できない」と考えるのは、「精度」(より正確には「相対精度」)という考え方ができていませんね。
1 mol であっても 1000 mol であっても、原子の質量に占める電子の質量の「割合」は変わらない、近似するときに無視するかどうかはこの「割合=精度」で決まることを理解しましょう。

あなたの計算した値を見ても、

>・カルシウム原子1000mol分の質量は63.5×1000=6.35×10^4g

 何かの「化合物」を考えているのかな? カルシウムの原子量は「40」なので、1000 mol なら 4.0 × 10^4 g です。

>・カルシウム原子がカルシウムイオンになる際に失った2個の電子分の質量は1.8×10^(-27)×6.0×10^26=1.08g

 電子の「1000 mol × 2」に相当する個数の質量は
  9.1 × 10^(-28) [g] × 2 × 6.0×10^26 ≒ 1.1 [g]

なら、その「比率」は
 1.1[g] ÷ (4.0 × 10^4(g)) ≒ 2.8 × 10^(-5) = 0.000028 = 0.0028%
です。
「カルシウムの原子量」を「40」としたり、アボガドロ定数を「6.0 × 10^26」としている段階で、「計算に使う数値の精度は 1% 程度」として扱っているわけで、電子の質量の比率「0.00296%」はその中に完全に埋もれてしまいます。(上の計算の過程で ≒ で四捨五入した桁よりもずっと下の桁)
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6.35×10^4 g と比較すれば 1.08 g など「無視できる」量でしかない... というか, 精度を考えれば無視される.

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まず、1.08gを「無視できないほどの質量」と思うか「無視してもいい質量」と思うかは、人の個人的主観に依存するので、なんとも言えない。


(あなたは無視できないと思っているようだが、あくまでも感覚論・感情論であって、論理的な根拠はないはず。)

要するに、1.08gという量を、それ単体で認識するのではなく、相対的に、つまり、「他との比較」や「全体の中での位置付け」を踏まえて認識することが必要。

今考えているのは、Caイオン6.35×10⁴g=60,400gだから、それとの比較で考えると、1.08gは、そのわずか0.0018%過ぎない。このため、通常の(高校化学の)化学反応を議論する(例:「Wグラムの何かとXグラムの何かが反応して、Yグラムの何かとZグラムの何かが生成された」といった反応に関して、W,X,Y,Zの大きさを議論する)際には無視してもいいということ(有効数字を勘案すると0.0018%を気にする意味はないと言った方がいいかな)。
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