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博識な知り合いがいるのですが、その方が今の技術は数年か十数年前に開発されたものであって、やろうと思えば厚みが紙ほどしかないテレビやスマホを作れると言っていました。作らないのは大手独占企業が利益を生むためらしいです。なるほどと思ったのですが、ならベンチャー企業などが画期的なもの、先進的なものを開発して世に出すものはもう大手の企業は開発しているということでしょうか?なら特許をとっているはずなので商品化できないと思うのですが…知り合いの話は鵜呑みにできませんが、かなり興味深いものなので皆さんの意見を聞いてみたいです。

A 回答 (2件)

フレキシブルな基板や表示機はいくらでも作れます。


実際それを使ったスマートフォンなどは製品化されて売られています。

でも、1枚の紙の厚さでそれが出来るかと言われると、何をすればいいかはわかるでしょうが、それを歩留まり良く、高い信頼性などのいい品質で、低コストに、大量生産する、となると訳が違います。

たとえば、今の技術でもすでにフレキシブルTFT液晶などは、紙のようにしなる薄い1枚の樹脂フィルムになっています。
しかし、これはタダ表示するという機能しか持っていません。

そこに画像や動画を表示するには、そのための半導体素子を使った回路が必要で、それを載せた回路基板が必要になります。

また、電話を掛けたりインターネットに接続したり、フルセグのテレビを視聴したり、GPSの機能を使ったり、などのためには無線の機能や通信のプロトコルを実行する機能などが必要です。
これもやっぱりそれなりの半導体素子が必要で、それを載せた回路基板が必要になります。

大雑把に言って、今のスマートフォンの厚さのうち半分が電池、残りの4分の3が回路基板、残りが表示器です。
表示器がどんなに薄くなっても、残りのものが薄くならないと全体は薄くなりません。

そこで問題になるのは、バッテリでは貯めて置けるエネルギが『体積』に依存するので、物理原理上ある厚みは必ず要るということです。
それと、今日の通信や情報処理の回路は、単結晶シリコンという物質の薄膜上に作っています。
そして、無線などのアナログや高周波回路と言う部分は、単結晶シリコンでないものも使っています。
これらは原材料や作り方が違うので、一緒の素子にすることが出来ません。
また、これらは作る際に1000℃ 前後の高温を使うので、熱で溶けちゃう樹脂フィルムと一緒には製造できないのです。

このように、今の技術でもお金さえかければできるものもあれば、おカネをかけてもまだ作れないものもあるのです。
半導体や表示パネルのような微細加工製品は、作り方を考案できても、それを前述したような、歩留まり良く、高い信頼性などのいい品質で、低コストに、大量生産する、にするのにうんとお金と人の苦労と時間がかかっています。

アイディアのひらめきとそれを世に出すということとはそのように違うのです。

ちなみに、今の世の中、特許でひらめきは救えません。
ひらめきをものにするまでにかかる時間がどんどん長くなってきているからです。

特許を出願するとは、出願したときに、内容は公開しなければなりません。
各社はそれを鵜の目鷹の目で見ています。
他社はそれが価値ありとみると、そのアイディアをちょっと変えたものを開発することは直ぐに考え出します。
しかし、その会社は特許は出しません。

もともと特許を出願した会社が、20年をかけてその製品化に成功したとしましょう。
しかし、他の会社がわずかに違うものを10年後に製品化できたとします。
しかし、それが使っている技術が何かはわからない。
なぜなら、特許を出すことはなく、すべてを秘密にするからです。

秘密にすることが成功すれば、もともとの発案者はどんな技術を使っているかわからないので、特許の侵害かどうかがわからない。
仮に解析で『似ている』と言っても、それが侵害かどうかは証明しないといけない。
それが出来るのは最初の発案者で言えば製品化した後に比較してということになるでしょう。

でも特許は20何年かで切れます。
時間は残っていないということになります。
残った時間で稼いで実用化までの費用などを返済するなどを見込んでいても、特許が有効な数年でそれをしなければなりません。
でも、他社はもう10年以上それに似たものを出しています。
元の発案者のものはすっかり陳腐になっていて世の中に受け入れてはもらえないでしょう。

つまり、基本的な技術は、それが魅力的であればあるほど、広く使われる重要な技術であればあるほど、特許で守るのではありません。

秘密にして守るのです。
特許で守れるのは『見ればわかる』『他にバリエーションがない』などという場合に限られます。
特に、難易度が高いものが求められ、製品化まで時間がかかるようになってきている今日、特許に頼って胡坐をかいてると足元をすくわれます。

こういった考え方は、彼らはそんなことはないと言うでしょうが、アップル、IBM、インテルなどの有名メーカーでは常識です。
何しろ『こんなものを作りたい』というのが本質で、それを秘密にするのですから『何をやってますか』と聞いても言うわけないですよね。

先端技術開発の裏側でした。
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技術的には出来ても、それを製品化して世に出しても商売にならないものはたくさんあります。



多くの場合、それは利益が出せない(稼げない)からで、製造コストが高くつく、安全上・健康上・環境上の問題がある、寿命や耐久性に欠ける、メンテナンス(保守・修理)が厄介、運転コスト(使用するのにかかる電気代・燃料代・消耗品代など)が高い、使い勝手が悪い、他社の特許や法規制で抑えられている、など事由は様々です。

ですが、時代や技術の進歩と共に、これらがだんだんと解決されていくと、日の目を見ることになります。ですから、いま商品化されているものでも、開発されたのは10年も20年も前、というものはふつうにあります。

> ベンチャー企業などが画期的なもの、先進的なものを開発して世に出すものはもう大手の企業は開発しているということでしょうか?

その可能性もありますが、画期的・先進的なものが開発されても、売れるとは限りません。その理由は先の説明のとおりです。幾ら素晴らしい技術のものが開発されても、商品として売れないものはたくさんあります(むしろ大半がそうです)。

紙のように薄いテレビやスマホが技術的に作れても、重金属や規制化学物質を使っていて安全上・環境上の事由で市販できないこともあるし、紙のように薄いためにすぐに損傷して商品としては耐用性が悪いこともありえます。紙のように薄くて便利だけれど、それを使うためのバッテリーが大きくて重い、ということもありえます。
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